魔力の色
声を出すのも少しだるいが、上半身をベッドから起こすと恐る恐る答える。
「容量超えたのは自覚しましたが、カフスに移すのためらったので、オーバーヒートしました。。」
「なぜためらうんですか!」
「だって...」
こっちにだって事情はあるのだ、結局失敗したけど、、
「まあとにかく、目覚めたことですので、お嬢様に渡した魔力を、こちらに戻します」
ベッドサイドに座ったルシアが、左手で私の右手を握る。
魔力がルシアの方へ流れ始める。
オーバーしてるから、いつもより熱い。
「だめっ、ちょっ!待って!」
不服そうな顔をしながらも、流れを止めてくれる。ルシアは魔力のコントロールも上手だ。
ルシアの右手首ごと、カフスを左手で握る。石はどちらも割れていない、よかった無事で。
さっきオーバーした分を一気に流してたら、壊れてたかもしれない。
私本来の魔力の色は赤だ。
ルシアから貰った魔力を増幅させると、ルシアの黄色と交じりあってオレンジになる。
カフスついている石は二つ。
一つは、どうしても赤い魔力を込めたかったのだ。
ルシアから魔力を多めにもらい、増幅させつつ、オレンジと赤を混ぜないようにして、それぞれをカフスに移すっていう同時進行は、難易度高くて失敗しちゃったけども。
今なら、ゆっくり落ち着いてできる。




