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旋風の闇蝙蝠(せんぷうのダークネス・ゾルビバット)  作者: 黒流風流
明カサレヌ記憶? 01
7/7

第0章 闇風風魔の物語?? 「[_____]ノ記憶」



























………………………………夢を………………見ていた。











    そこにはなにもなかった。









                          周りにあるのは、無限に広がる闇以外、なにもなかった。











             ここはどこなのか







                                 どうしてこんな所にいるのか    







  


       自分は何者なのか









             何もわからなかった………………………………。


























 

そこは、途絶えることのない闇が広がる牢獄のような場所だった…………。









  どこまで行っても、終わりのない空間をただただ歩いていた。









                            不意に、後ろに気配を感じた。








 何もない、何者もいないはずの空間に………………。










                            そして、後ろを振り返る__________












           そこには自分と同じ顔した人間が埋め尽くしていた。















 











    必死になって逃げ出した。










同じ顔、同じ姿、同じ声の者共からではない。











                                    いくつもの光の柱が降り注ぎ、何人もの自分が消えて逝く。











           無数の悲鳴、無数の絶叫、無数の怒号、無数の絶望への声が無残にも光の中に消える。










    自分を押しのけ、踏み台にし、突き飛ばして、ひたすら走る。









       そしてそのまま、意識は消えていった………………………………。


























     意識が消える、その刹那。











  その頬にひとしずくの涙が流れ落ちる。











                            彼の消えゆく心の底で、最後に何を思ったのか。










   その瞬間、彼は彼ではなくなったそして……………………。












        彼は<殺戮の操り人形>(サイレント・マリオネットドール)となった。

























 

 ………………・暗い。


 ___暗い闇の中に「彼」はいた。


 どこまでも続く、終わりのない闇だけが広がる____その世界。


 _・・・怖い。いやだ・・・。出して、ここから出して・・・・・・・_


 闇の中で出口を探し、彷徨うように歩き続ける。しかし行けども行けども、出口を見つけることはなかった。


 代わりに辿り着くのは、いつも同じ。また、再びこの場所に行き着いた。


 突然体が重くなり、膝から倒れ込んでしまった。手と膝から冷たく硬い床の感触が伝わってくる。


 ___と、その感触の中に別のものが混ぜっているのに気がついた。なんだろうかと、触れている手をそっと開いた…………___


 ___その手には、どす黒い血がベッタリと付いていた。


 _・・・っ!!!? な、なんで・・・なんでこんなものが・・・。・・・・・・・・え?_


 思わず血を拭おうと服に手を伸ばした___、その時気づいた。血がついているのは、手だけではないと………。


 衣服も、腕も、顔さえにもいたるところが血に濡れていた。


 怪我などはしていない。体のどこからも痛みなどは感じられず、それが自身から流れたものではないことを晒していた。


 全身に寒気が走り、何が何なのかわけが解らなくなる。パニックに襲われ、視線が逸れると___、そこにはさらなる光景が広がっていた。
















 一言で例えるとするなら、そこは学校の廊下であった。


 ただし、目に映るいたるところに血が染み付いた場所、という事実を付け足さなくてはならないが………


 その光景に、もはや判断する思考をショートさせられた「彼」はただただ呆然と座り込んでしまった。


 ___と、不意に背後に違和感を感じた「彼」は恐る恐る振り返る。


 地に染まった廊下の奥は、いくつもの窓があるにもかかわらず、不気味なほど暗く見通す事ができない。


 その暗い世界が、次第に「闇」に飲まれていく。まるで全てを飲み込めるかのように、全てを、奪い取るように___


 「彼」は、血溜まりの中を必死に走った。


 ___だが、「闇」はたまたくまに追いつき………、「彼」は再び闇へ引きずり込まれる。


 _いやだ・・・! いやだ・・・っ!! もう飲み込まれるのはいやだ!_


 その瞳から、溢れるように涙がこぼれ落ちる。___しかし、いくら泣こうが叫ぼうが、救いの手などあるはずがない。


 ………それでも、それでも「彼」は手を伸ばした。救いの手を求めて___


 _だれか・・・誰か助けて・・・っ!_


 その願いが叶うことはなく、「彼」は「闇」に再び引きずり込まれる___





























 _「大丈夫です。「闇風やみかぜ」様は一人なんかじゃありません___」_


 _・・・え?_


 聞いたことのない声だった。ただ、その安らぐ声の「少女」の声だけは、忘れることはなかった___


 








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