プロローグ
そこは、どこでもない空間。
さまざまな世界や次元を繋ぐ、終わりのない道。
何者も存在しないはずのない空間を、巨大な何かが通っていく。
巨大な竜のようにも見えたそれの名は、<蒼龍戦艦 スカイドラグナ> その姿は蒼い翼竜、またはワイバーンのような印象を思わせる。
100人は収容出来る船内、しかし実際にこの船に乗っているのはわずか9名だけだった。
そしてその乗っている者達の経歴が、とんでもなくめちゃくちゃなものばかりだ。
安らぎと平和を願った魔王の一人娘 ティアラ・グリーフ・レジェンド
4体の神竜と7631体のドラゴン達と契約した竜人と人間のハーフの少女 リュウカ・ドラクエンド
この船の主に仕える人間の少女 幻夢日陰
だが、この少女達の話をする前に、この船の主である者 闇風風魔の過去についてから語るとしよう。
これから始まる物語は、闇風風魔が彼女たちと出逢う少し前の話―
すべての存在を奪われ、存在しない者になってしまった元人間の少年。
狂気と呪いにより心をもズタズタにされ、殺戮と混乱とともに現れる存在 <殺戮の操り人形> サイレント・マリオネットドールとなった彼の、終わりと始まりの物語…………。
そして、彼が闇風風魔となった日の話…………。