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魔法使いの愛猫  作者: iyo
8/12

08 お・ふ・ろ〜♪





しばらく妖精と戯れた後、子供は屋敷の扉を開け中に入る。


私を抱き抱えたまま薄暗い廊下を歩いてゆき、やがて一つの部屋の前に立ち止まると中に入った。


もわっとした空気がヒゲに触れて、なんか気持ち悪い。


猫のおヒゲと尻尾は敏感なのです。


「シュテインバルトに怒られるから体洗わせてね」


そう言って子供は私を降ろした。


…ここ、どうやらお風呂場らしい。


日本でいう檜風呂がある!!


この体になって水に濡れるとなかなか乾きづらいから、あまり水は好きじゃないんだけど、やっぱ日本人の性なのか、お風呂にはめちゃくちゃ入りたい。


期待で尻尾がピーンとなる。


子供は上だけ脱ぐと、洗剤を少し薄めて泡立てて、私の体を丁寧に洗っていく。


最初は怖々と触れる感じだったのが、私が大人しくしているのに安心したのか、それとも手馴れてきたのか、なかなかいい感じに洗うようになった。気持ちいい。


…………あれ?体洗われてるっていうのに、何の抵抗感も抱いてないってどうなの…?


元人間の女の子としてはもっと恥じらうべきでは…


悶々としているうちに、体を洗っていた手が離れたことに気付かなかった。


「かけるよー」 バシャァッ


『ぎゃぁああああっ!!!』


ブミャァアーーーっと壮絶な悲鳴をあげて、私はその場でバタバタ暴れた。


何だ何だ!?…ってお湯か。


泡が落ちた自分の体を見て、ようやく冷静になる。


あー吃驚した。お湯かけるなら、言ってよね!


そう思ってニャーニャー鳴きながら抗議すると、子供はぶぅっと膨れた。


「ちゃんとかけるよーって言ったからね?」


…そうなの?じゃあ、聞いて無かった私が悪いのか。


ごめんね、って気持ちを込めてにゃーと鳴くと、子供はニコッと笑った。


「いいよ、許すっ!」


可愛い笑顔だなーっと思いながら、ふと思う。


なんか、この子と会話が成り立ってるように感じるのは気のせいかな…?と。







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