10 シュテインバルト
更新止めてて申し訳ないです。
まだしばらくは余裕がないので、更新が滞ると思いますが、少しずつ書き進めていこうと思います。
どうかこれからも魔法使いの愛猫をよろしくお願いします(m。_。)m
どさどさと本を掻き分けながら、その人は来た。
少し乱れた癖のない黒髪にアクアマリンの瞳を持ったやつれたおじさん。
私はクンクンと鼻を動かす。
なんかこの匂い知ってるぞ………??
んーと思考を巡らす。そして思い出した。
『変なおじさんだ!!』
前会った時と容姿がちょっと変わってるけど、間違いなく、あの不思議なおじさんである。
ニャーンと声をあげた私とおじさんの目が合う。
おじさんはじーっと私を見たあと、あーっと声をあげた。
「野良猫のお嬢さんじゃないか!」
おじさんはニコニコしながら私に向けて手を出す。
すると子供がその手を避けるように抱えている私ごと後ろに下がった。
「…坊っちゃん」
おじさんが悲しげに僅かに眉を下げた。
「…『変なおじさん』……シュテインバルト…変態……?」
子供の呟きに え!? っとおじさんが固まる。
「ネコさん…シュテインバルト…『変なおじさん』…言った…」
単語しか言わないカタコトな言葉だけど、子供が言いたいことはわかる。
私がシュテインバルトを『変なおじさん』と言ったから、この子は警戒してくれたのだろう。
おじさんには申し訳ないけど。
というかやっぱり言葉通じてたんじゃないか!
なんてこった!変な独り言言ってないよね…?




