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01 プロローグ
―――――死んだ。
そう思った。事実、私は死んだ。
何のことはない、交通事故だった。
自転車で走ってたら、スリップしたトラックに巻き込まれただけのこと。
だけど私の短い生涯は幕を閉じたわけで…
少しばかり、心の中で泣いた。
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『ふわぁぁぁあああ』
一欠伸して、背筋を伸ばす。
近くの水たまりに映った白銀の毛色の猫が、こちらをじっと見つめている。
―これが私…―
今の自分の姿を見、少し肩をすくめる。
…私は猫に転生した。