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皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
開戦
9/22

凱旋

凱旋です。

亜米利加海軍を壊滅させた皇国連合艦隊は

インドネシア諸島並びに印度に上陸してた米陸軍に降伏を勧告。


艦隊壊滅で支援の途絶えを理解した米軍は撤退を選択すると伝え、

皇国軍も武器放棄を条件に撤退を了解。


同時に比島も占領。

マッカーサーは印度に進駐してたため、本隊は降伏を受諾。

比島コレヒドール要塞は戦艦の砲撃で壊滅。

比島は無血に近い形で陥落。



皇国側はインドシナ、印度、比島の撤退時に臨検し、武器の放棄を確認。


合衆国本国も多くの兵士が斃れるよりも武器放棄で撤退出来るなら・・と了承。

何せ支援艦隊が壊滅したのだ。

反撃の術も無いなら敗北を認めるのが亜米利加。

嘗ての日本軍みたいに玉砕するまで闘う必要はないのだ!!


だが、さすがの亜米利加も今回の敗北を国民に知られる訳にはいかない。

知られたら暴動も起こり得る。

幸いにも日本の慈悲で陸軍の壊滅は免れ、艦艇と共に戦死した兵士のみの損害と航空機、並びに武器の喪失のみ・・。

資源については、隣のカナダに進駐し地下資源も抑える事が出来た。

戦闘のために武器を製造するには充分。

ならば・・。


「我がアメリカ合衆国海軍は卑劣なニホン海軍との戦闘に依り、

多くの犠牲を出しつつも敵を撃退。

我が合衆国海軍は偉大なり!!」


なんと犠牲は出たが、敵を撃退し勝った?みたいな言い回しで国民を騙したのだ。

後にアメリカ大本営と名付けられる捏造報道の始まった瞬間だった。


皇国海軍は撤退する米軍を見送り、放棄された武器を

インドシナや印度、比島の若人に与え、国土防衛隊を編成させ始めるのだ・・。

(皇国海兵隊から幹部士官を指導のため駐留させる。)





無傷に近い形で帰還した連合艦隊は横須賀、呉、佐世保などの母港に寄港。

だが戦果を控えめに報道したおかげで熱狂する程ではなかった。

それでも市民が大勢桟橋に詰めかけ、旭日旗を振り歓迎してた。


戦闘機隊は沖あいで離艦し、岩国、厚木、浜松に着陸。


天皇陛下は凱旋した兵士の慰労を労うため横須賀を訪れてた。


そして大和艦橋で西村と接見。




「西村、初戦の完勝、まずは国を代表し朕が礼を述べる。」


西村に対し、陛下が礼を述べたのだ。

現人神の陛下に礼を言われ、西村は戸惑ってしまった。


「へ・・陛下、とんでも御座いません。

闘ったのは兵士と士官。

私は陛下の代わりに命令を出しただけです。」


「分かっておる。だが朕は戦場に出る事が出来ぬ。

朕も叶う事なら多くの兵士と共に戦場で泥に塗れたい。」


「陛下あればこその皇国です。

どうか国を見守っててください。」


山本は西村と陛下の会話をニコニコと眺めてた。

そして可部も・・。


「閣下、本当に御苦労さまでした。ですが・・。」


「可部大統領、分かっております。戦果は少なめに・・。

褒美は兵士や下士官に・・ですよ。」


「その通りです。戦場で戦う兵士の手柄を査定し、彼等の労に労う。

それでこそ彼等も命を賭け闘ってくれるのです。」


「赤紙で徴収した兵士とはケタも違いますしね?」


「そうです。徴収した訳でも無いのに質の良い優秀な兵士が多数志願してくれています。」


・・皇国日本は陸軍の存在は消滅し、赤紙による徴収兵制度が消滅。

働き手を兵士に取られ女子供が泣かされる事が無くなった。


志願兵制度は残っている。




「志願兵は素晴らしく優秀な兵士ばかりを選抜しております。

また、海兵団の悪しき風習も霧散し、風通しも良くなりました。」


あの精神注入棒、つまりバッターであった。


アレで発狂した兵士や自殺する兵士も多数出てたので、バッターが軍艦や

海兵団から消滅した事で、新兵は大喜びした。

かつては殴られない日が無いと逆に不安になる兵も居たと言う。

反動が恐ろしいと言う悲しき理由で・・。


訓練が厳しいのは良い。

だが拷問はダメだ!!

神となった陛下がある日、突如海兵団、艦を検閲し

バッターなどの拷問を厳禁にしたのである。


「朕はアレを見た時、国元の親に土下座したくなったぞ・・。

兵士は馬や動物では無いのだ。

国元から預かった大切な赤子なのだ!!」


青あざで尻が真っ黒になった兵を見た陛下は拷問してた下士官を憲兵隊に引き渡し、懲役に叩き込んだのだ。

そして拷問を加える事を天皇命令で禁止した。


それ以来、夜中に兵士を叩く音は消え、兵士の顔色は明るく朗らかになった。


兵士の質も向上し、中には士官試験に受かる兵も出る様になった。


可部、山本、西村を前に陛下は・・。


「今後も民や兵を大切に皇国を盛りたててくれ・・。」


陛下は彼等に頭を下げ、可部達は慌てる始末だった。


所変わって厚木海軍基地では・・。


凱旋した戦闘隊のエースが大勢の報道員にインタビューを受けてた。


「坂井大尉、立派な活躍で国民は大喜びです。」


既に彼等の活躍は総天然色報道のニュース映画で報道されてたのだ。


(説明漏れしてましたが、射撃照準器にはメモリーカードで

戦果を自動撮影してます。)


「新鋭機、零戦の説明を!!」


「あの素晴らしい機動は敵には真似できませんネ?」


等々、大騒ぎである。


「金ちゃん、なんか凄いね?まるで活動映画俳優みたいな扱いだわ。」


「サブちゃん、志願兵を増やすためらしいぜ?仕事と思って諦めてヤ!」


そこへ・・。


「坂井、武藤、貴様等に命令だ。

翼の舞いを報道陣に披露しろとの事だ。」


新しく隊長になった岩本少佐の命令が下った。


零戦を使用し、報道陣に捻りこみのドッグファイトを披露する事になった。

捻りこみを多用するのは実戦ではまず無い。

だが最後の手段としてドッグファイトの極限技がある。


それが通称「捻りこみ」と言う危険で究極の技である。

失速手前で絶妙の旋回を行い、敵の後部に食い込む究極の技だ。


余談だが達人クラスのパイロットは色んな形で捻りこみを習得してたと言う。


そして達人の操る戦闘機の捻りこみの技は「翼の舞い」と呼ばれ、

多くの新人パイロットの理想の機動だった。


若い兵士では危険な技だが、坂井、武藤クラスの神業の技量なら安心。


坂井と武藤は詳細を打ち合わせ、零戦と共に大空に駆けあがる。

軽量でハイパワーの零戦は高度2000mまでアッと言う間に駆け登った。

そして大空を舞い、機動限界まで機体を駆使し

大空に白い飛行機雲の軌跡を描き報道陣に披露したのだ。


報道陣や新米パイロットは・・。


「凄い・・。まさに翼の舞いだ・・。」


蒼空に二機の零戦が舞い、翼からは白い飛行機雲。

二機が絡み合う姿はまさに芸術。

ループする雲を見て報道陣はため息をついてた。


そして報道陣はムービーで撮影し、新鋭機零戦と神業の作る軌跡に酔ってた。


映像は後に世界に供給され、皇国日本の技量を世界に広める役目を果たす。

戦後も皇国海軍航空隊の軍歌と共に国民に親しまれる零戦が国民の前に現れた瞬間だった。


「さすが坂井と武藤。

二人ならばこの舞いも出来ると思ったぞ。」


地上で岩本はドヤ顔で大空を眺めニヤニヤしてたのだ。


彼も零戦に乗れば日本トップクラスの勇士。

ヒマを見て、坂井等と手合わせをしてるのだ。




山本と陛下は厚木基地の司令塔で訓練を眺めてた。


「陛下、彼等こそが日本の要です。」


「ウム・・。見事なり!!」


後に坂井と武藤は陛下から恩賜の煙草を授与されたのである。













陸戦は手抜きです。(^_^.)

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