表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
開戦
8/22

攻撃開始!!

彼らの目に敵艦の蜃気楼が見えたのはその瞬間だった。


キンメルの目に敵艦が見えた時・・。





大和の艦底奥深い重厚な装甲に閉ざされたCICルームでは。


「射撃統制準備完了、何時でも発射可能です。」


「敵艦の割り当て完了・・。」


等々・・。

怒涛の勢いで戦闘準備が終わってた・・。

あとは西村の攻撃指令を待つのみだったのだ・・。



「凄まじいモノだな・・。」


「西村長官、コレでもまだまだなのです。

我々の持つ技術は・・。」


西村は呆れていたが、ソレも無理はない。

既に全ての光点に射撃統制が終わっていて、発射指令が出たら光点が潰れる。

即ち、敵の殲滅完了は確定してるのだ。

大和を含む艤装ミサイル戦艦の砲塔内部ではミサイル砲弾が発射指令を待ち構えていた。


甲板では多くの隊員が発射する瞬間を待ってた。

余談だが戦艦の射撃時は甲板から退避するのが普通だが、ミサイル化した

皇国戦艦では発射塔(主砲)から少し離れていれば影響も少ないため、甲板での見学もOKなのだ。

もっとも戦闘指令が出たら見学する暇も無くなるが・・。




キンメルは近付いて来るニホン海軍の艦艇を驚きの目で眺めてた。


「!!!!何だ!!!!あのタライみたいに巨大な船は?」


「敵の新鋭艦でしょう。」


「ナガト、ムツは居る・・な・・。

だが敵の主力艦はナガトクラスが巡洋艦に見える。」


「撃ち勝てば良いのです。コチラも40cmキャノンがあるのです。」


「・・・そうだな・・。ヨシ、全艦発射準備完了次第自由に砲撃せよ。

割り当ては問わぬ。

攻撃可能になり次第自由に発射せよ。」


キンメルは遠距離射撃を指令した。

敵は多い、ならば各艦の限界射撃で発射し、少しでも被害を少なくする。

彼等は知らなかった・・。

もう敗北は決定であった事を・・。




轟音と水柱が日本艦艇の周囲に盛り上がっていたが、敵弾は全て手前の海に落下。


当時の技術ではソレが当たり前だったが、日本側から見れば哀れの一言だ。





「長官、敵艦は30000mで射撃開始しました。」


「被害は?」


「ありません。散布界が広く艦の手前で水しぶきを上げただけです。」


「もう良かろう・・。全艦射撃開始。

砲戦距離30000!!」


西村の指令が下った瞬間、海の野獣が吠え始めた・・。


シュボッ、シュボッ!!


音は低めだが上空で派手な炎を上げ砲弾は天空に駆けあがる。

そして音速を超え、敵艦目掛け空から舞い降りて来た。


既に照準は定めてあり外れる事はあり得ない。


「キンメル長官、敵が射撃開始しました。」


「フム・・。コチラの射撃は・・・」


皆まで言う前にキンメルは言葉を喪った。

彼の意識と存在はその瞬間、この世から消え去ったのだ。


轟音と共にキンメルの乗った戦艦アリゾナは大和の放った46cmミサイルのミサイル砲弾が命中。

瞬時に艦橋を破壊。

アリゾナのバコタマストは轟音と共に天に舞い上がり海に落下。

なをも攻撃は続き、艦の中枢部を貫通した砲弾は竜骨を直撃。

次の瞬間、艦を真っ二つに折り曲げ・・。

アリゾナは轟沈した・・。


メキメキメキと言う音と共に竜骨が折れたアリゾナを見た周囲の駆逐艦艦長は後に・・。


「良くぞ自分等は生きていられたと神に感謝した。

ニホンカイグンの弾丸は一切外れる事無く、アリゾナを破壊した。」



周囲の艦艇は混乱の極みに達したが、次の瞬間には自分等もアリゾナの後を追う結果が待ってた。

メリーランド、コロラド、ウエストバージニアの三隻はあっと言う間に轟沈。

ネヴァダ ペンシルヴァニア カリフォルニア テネシー オクラホマ も後に後を追う。


一方的な攻撃を受けながらもアメリカ軍艦艇は何とか一矢を報いようと、全速で日本軍に接近を試みる。


が・・・。


「主力艦、全艦沈黙です。残されたのは駆逐艦二隻、巡洋艦二隻、空母三隻です。」


艦隊臨時司令となったハルゼーは真っ青な顔で残存艦艇の報告を受けてた。


「敵陣の突破は・・・ムリか・・。」


「敵艦の損傷は一切なく、無傷です・・。」


「良かろう・・。大統領に無電を打て。

ワレ、戦艦部隊壊滅、残存艦艇も僅か。敵に降伏を打電する。

キンメル司令は戦死。

ウィリアム・フレデリック・ハルゼー・ジュニア中将。」


ハルゼーは無電士官に電文を伝えると、白旗を全艦に掲揚する様に命令。




「司令、艦橋から報告です。敵残存艦艇が全艦白旗を掲げ降伏無電を打電して来ました。」


「フム・・。良かろう。警戒は解かず攻撃を一時停止せよ。」


西村は敵の降伏が偽装の疑いもあるため、武装解除までは射撃統制を解かずに警戒しながら敵艦に接近。

敵は全て砲塔を真上に掲げ、空母搭載機は全て着艦。翼を折りたたみペラを外していた。


上空を全戦闘機で遷移し、西村の乗る大和に降伏使節団が白旗を掲げボートで訪れた。


「私が現在の合衆国艦隊のトップ、ウィリアム・フレデリック・ハルゼー・ジュニア中将です。

降伏のためニホン海軍艦隊に投降して来ました。」


ハルゼーは屈辱のあまり真っ赤な顔をして大和の舷側に立ってた。


「栄光の合衆国海軍司令、ハルゼー提督、私が連合艦隊長官、西村です。

降伏のための投降、誠に感謝します。

残された兵士の安全は確実に保証します。我々の渡す輸送船で帰国してください。

なお艦艇は全て拿捕しますが宜しいですか?

もし不満なら戦闘継続の意思ありと判断します・・が?」


ハルゼーは真っ青になり脂汗がダラダラと流れてた。

拿捕を拒否したら我々の兵士は・・壊滅しか無い。

捕虜を取る意思は無いらしいが、艦艇は全て拿捕。

だが・・・。


「了解です。全ての艦艇をニホン海軍に渡し、指定の輸送船に乗艦致します。」


ココにインド洋で起きた戦闘は一時停止し、合衆国海軍は壊滅。

だが幸いにも多くの戦訓だけは持ち帰られ、次の戦いの戦訓を作る事は出来た。


降伏の電文を受け取ったW・Hではルーズベルトが泡を吹いて失神する騒ぎが起きたがソレはまた別の話。


世界のラジオはアメリカ海軍壊滅の報道で大騒ぎとなる。


「やったぞ!!東洋の友人、ニホンコウコクが憎きアメリカを壊滅させてくれた。」


葉巻を銜えチャーチルは大喜び。

アメリカに東洋艦隊を壊滅させられたイギリス海軍も大騒ぎだった。


苦い顔をしてたのは、もう少しで日本と同盟を組めていた独逸と伊太利。


「ニホン海軍がこんなに強いとは・・。」

総統官邸でヒットラーは苦虫を噛み潰した顔をしてた。

ニホンは既に連合軍側、ならば・・。


「W・Hに暗号電文を打て。」


ヒットラーは側近を呼ぶと合衆国に同盟打診電文を打電したのだ。

敵は強大だ。

もう戦いは始まっている。

欧州では独逸の独壇場だがニホンコウコクが参戦したとなるとどうなるか分からない。

敵の敵は味方にするべき・・。


ヒットラーはそう考え、枢軸国に合衆国を巻き込む事にしたのである。






「・・・・フム・・・。

山本よ、どうやらヒットラー総統は合衆国に同盟を打診したぞ。」


神でもある天皇は世界の全てを網羅してた。


「戦いは油断が出来ません。我々は敵を増やさず味方を増やすべきです。」


「ウム・・。まずは近い肌の彼等を救済・・だ・・。」



インド洋から始まった東洋大戦はようやく始まったばかりだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ