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皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
開戦
7/22

皇国の荒廃この一戦にあり!!

ようやく戦闘開始です。

私の名はハズバンド・キンメル。

栄光の太平洋艦隊司令長官兼合衆国艦隊司令長官だ。


遂にニホン軍が我が合衆国海軍の前に出現したのだ。


偵察に出撃してたドーントレス艦上爆撃機のウイリアム中尉が興奮した口調で無線で報告して来た。


「!!艦隊司令部!!大変です。

ジャップの艦艇が多数、フィリピン東方海域に出現しました。

戦艦4???いや・・7隻、三隻の戦艦はタライみたいにデカイ・・・・・・・・」


ソコで彼の無線は途絶した。


「ウイリアムは撃墜された模様です。」


「ウム・・。ヨシ!!全艦ウイリアムが索敵してた海域に進路を取れ!」


艦隊はBIGガンを備えた世界のビッグ7の三隻。

空母も大西洋から引っ張って来た。>ドイツがイギリス海軍を叩いてくれてるおかげだ。


もうすぐ接敵出来るだろう。


キンメルは配下の空母機動部隊指揮官、ハルゼーに戦闘機部隊の発進を命じ、全軍に戦闘待機命令を出した。


嗚呼、もうすぐまたアノ快感が味わえるのか・・。


キンメルはインド洋で斃したイギリス東洋艦隊を撃破した時の快感を思い出していたのだ。。






「長官、敵偵察機を撃墜しました。どうやら発見された模様です。」


「詳細は打電して無いだろうな?」


「ハッ、戦艦数隻、三隻はタライみたいにデカイ・・。

ココまでは打電っされた模様です。」


「フム・・。

大和、信濃、武蔵の三隻を見られた。そう考えて良いな・・。

まあ良かろう、今回の主役は戦艦だ。思う存分見て頂こう。

お代は己の命だがな・・。だが油断はするな。

全軍戦闘待機、主砲はいつでも発射出来る様に装備。

戦闘機部隊を機動部隊毎に発進させよ!!」


「ハッ!!」


西村中将は配下の機動部隊に命じ、

直ちに待機してた零戦部隊400機が発進。


西村艦隊上空を遷移。


「・・凄まじい数の戦闘機ですな・・・。」


「陛下のおかげだ。

陸軍の航空隊が無くなり、全ての航空機を海軍が独占出来たからだ。

おかげでコレだけの機動部隊を編成出来、

国内、離島にすら多くの戦闘機部隊が国を守っておるのだ。」


「頼もしい事です。」


「ワシもこんな部隊を率いる事が出来たのも陛下の一言ヨ。」


西村は出撃前に陛下に接見、その席で・・。


「西村よ、

前世では無念の最期だったそうだが、今生では存分に働いてくれよ。

山本、全戦艦、並びに機動部隊の最高指揮官に西村を預けろ。」


「ハッ、西村中将、貴官を大将に昇進させ、連合艦隊指揮を任せる。」


まさかの緊急昇進であった。

西村はその命を受け、直ちに横須賀の連合艦隊司令部に赴任。

旗艦大和に搭乗。

全艦を率い、合衆国艦隊殲滅に出撃したのだ。


ココで日本周辺を取り巻く環境を説明。


神力に拠って列島大移動した日本は全周を積乱雲と嵐で包囲。

ただ日本国籍の航空機や艦船のみが

環境の影響を受けないと言う不思議な環境だったのだ。

当然、国内の船舶移動は日本周辺に限り全く安全。

新しく日本列島の仲間入りしたパラオや台湾、その他の島国も同じ。

安全に漁業を営む事が出来ていた。

日本は天然の要塞に囲まれた楽園となっていたのだ。




西村はレーダーに敵軍の集団を発見すると、

大和を中心とする巨艦部隊を前面に出した。


まずは第一撃を敵に撃たせるためである・・・。


大和クラスなら40cm砲弾の数撃は当たっても大丈夫だ。

もっとも撃たせるのは一撃目だけ・・だが・・。


「敵の攻撃に備え、首脳陣は艦橋下のCICルームへ全員移動。

艦橋職員は防弾シャッターを下し、敵弾に備えよ!!」


西村は全軍にそう告げ、艦橋からエレベーターで降り、CICに降りた。


「慣れぬと暗くて叶わないな・・。」


「閣下、CICは暗く無いとレーダーの読み取りに支障が出ます。

どうか諦めてください。」


「ウ・・ウム・・。では監視、射撃統制は頼むぞ!」


「お任せください。」


大和を含む全艦艇のCIC職員は全員が未来自衛隊の出向職員だった。

さすがに一年では旧帝國の軍人も未来装備を全て覚える事は不可能。

代わりに応急職員に多くの旧帝國軍人が就いてた。

応急職員は各武器発射人員も兼ねているが、

万一の時は放り出しても構わない。

武器射撃統制はCICでも可能なのだ。

ただ遊ばせておくのが勿体ないので、

普段は武器発射人員に割り当てられていた。




大和を含む連合艦隊上空では、第一次迎撃隊が遷移。

万一被弾したら脱出装置も万全の一見普通のレシプロ戦闘機。


それが零戦21型だ。


「スゲーな~~~!!

数年前は96式でチマチマと飛ぶしかなかったのに、

今じゃ実弾訓練も万全。

貧乏海軍時代にゃ考えられない御大尽様な航空隊だ・・。」


機を操る坂井大尉は国の変わり様に驚いていた。

坂井は一般水兵から戦闘機隊員となった兵士だったが、

皇国の異変で昇進も早くなり、僅か二年で下士官から士官、

ソレも大尉である。


今では一個編隊とは言え指揮官でもあるのだ。

数年後には隊長もあり得る。


「戦闘機乗れなくなったら退役しようと考えてたが・・。

コレで永久に御奉公から降りれないな・・。

マッ良いか・・。」


坂井は配下の部下機を見渡し、彼等も死ぬ心配の少ない配備に満足してるだろうと考えてた。


何しろこの機と来たら・・。


見た目は軽量の鉄板だが「かーぼん」とか言う特殊な鉄板で

二十ミリ機銃なら一撃は耐える・・。

13mmや7・7mmなら百発撃っても通過しない防弾性能。

おまけに軽量、かつ柔軟と言う万能な板らしい。

そして零戦も金星2型1500馬力のパワーがあり、ブ式20mm機銃4門。

弾数も全基250発装弾。

最高速度は590km・・。

突っ込みは音速を超えても大丈夫・・らしい。

航続距離も標準で2000km、増加タンク装備で3000km。

まあ有難迷惑でもあるが、少ないよりはマシだろう。

防弾ガラスも装備してるから爆撃機や対地攻撃も恐ろしく無い。

万一被弾して操縦不能となったら機の電脳機が勝手に脱出させてくれるらしい。

射出座席と言う装備だが、脱出装備はゴムボート、その他の装備も内臓とか・・。

帝國海軍時代にゃ無い装備ばかりだ。

まさに皇国様様だ!!



「もう次がある・・らしいが・・な・・。」


坂井が独り言をしてた時、

坂井機のレーダーに敵機が反応した。

そして己の視線にチカッと光るナニかが見えたのは同時だった。


「コチラ坂井一番、敵機発見。増層を落とせ!!」


お客様のお出ましだ・・。


坂井の無線と同時に全ての戦闘機から増加タンクが投下され、戦闘態勢に入った。






「ヘイ、ヘンリー?そろそろジャップのボロ戦闘機が見えるのじゃ?」


「バグ、あまり舐めない方が良いぞ。敵の装備はココ数年、全く分からないのだ。」


第一戦闘隊指揮官、ヘンリー大尉は部下のバグ少尉を窘めていた。

イギリスや欧州軍の敵対は怖く無かった。

全ての情報を掴んでいたし、怖いのはスピット位だった。

>アジアにはハリケーンしかいなかったが・・。


だがニホンは列島移動以来、全く謎の国。

僅か二年も立たないが、以前の日本とは違う・・と考えておくべきだ。


その時だ・・。

真上に来てた太陽の中から・・

悪魔が降って来たのは・・。


「バグ、敵だ!!奇襲だ!!逃げろ!!」


だが一歩遅かったらしい。

バグ少尉の乗るF4Fワイルドキャット、愛称マリー号は敵弾を受け、バラバラになったのだ。


「気をつけろ!!敵はキャノン砲を持ってる。バグが一撃でバラバラになったぞ!!」


配下の友軍機に指令を出すが、彼等もパニックに陥っていた。


「何だ?オレ様の愛機・・が・・・燃え・・・」


最後まで言えず爆発する機の悲鳴にも似た最後の無線・・。


大空に飛行機雲を描いて必死に敵の追跡を交わそうとする機。


自分もハリケーンとの戦闘を思い出し、必死に敵を交わそうとした。

だが敵の性能は我々のグラマンより上らしい。

速度も破壊力も全てが負けている。

どうやら逃げるのも不可能・・。


ならば・・。


「コチラ第一戦闘機部隊指揮官、ヘンリー大尉だ。

我が部隊は壊滅する模様。

敵の性能はグラマンの性能を遥かに凌駕する。

敵は大群だ、数えきれない。

我も敵の追跡を受けている・・・。

被弾・・・敵弾はどうやら砲弾・・らしい・・。

銃弾じゃ無い・・ぞ・・・・・・・。」


ヘンリー大尉の無電はソコで途絶。



「オイ、ヘンリー、ヘンリー!!!」


「どうした?」


「第一戦闘隊のヘンリー大尉の無線が途絶えました。

どうやら撃破された模様です。」


「敵の情報は?」


「グラマンより高くキャノンを装備してるらしいです。

そして大群だとか・・。

砲撃を受けた時の音は轟音でした。」


「・・・そうか・・。仕方ない。

第二戦闘隊にも注意を施せ。敵は強大だと!」


「ラジャー!!」


空母エンタープライズの戦闘指揮所は蜂の巣を突いたみたいな大騒ぎとなり、

ヘンリー大尉の遺言を全戦闘機部隊に伝えた。


戦闘隊が敵陣を突破出来ないため爆撃機部隊は艦隊上空で旋回待機するしかない。


戦闘機部隊は必死の攻防を繰り返していたが敵機の数は膨大。

恐らく400機は居るだろう。


そして空母部隊は後方に下がり、代わりに戦艦部隊が先陣に出て来た。


「ハルゼー、もう良いぞ。空母は下がれ。

我々が敵空母を叩き潰してヤル!!」


キンメルはまだ見ぬ敵艦を舌舐めずりし、待ち構えてた。

第一ラウンドは我々の負けだが・・。

次は貰うぞ!!



彼らの目に敵艦の蜃気楼が見えたのはその瞬間だった。





前哨戦は日本の勝ちです。次回は砲撃戦。

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