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皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
滅亡編
4/22

初代皇国大統領

ようやく序章が終わります・。

初代皇国大統領



可部新蔵は日本皇国の初代大統領として陛下に信認された。



「現在の我が国には可部以外には国難を乗り切れる大統領はおらぬ。」


陛下の言葉に逆らえる国民は新旧皇国共に皆無。

新皇国たる未来の陛下 (友祐陛下)も陛下に一任し、新旧皇国皇室は昭和天皇陛下で統一。

友祐陛下は親和の歴史を閉じ、皇室の一員となる。


可部は初代大統領の書簡を陛下より受け取り、ココに統一した初代皇国政府が誕生した。


総理制度と違い、大統領には任期制度とリコール以外の縛りは無い。

配下の部下も自由にチェンジ出来る。

責任は重大だが与党から苛められる事は少なくなる。>もっとも転移騒動の最中に国賊政党は消滅してたが・・。


可部は菊の透かしの入った書簡を恭しく受け取り、大統領官邸(旧総理官邸)に入った。


「責任は重いな・・。」


可部はこの政府が戦時政府となるのを覚悟してた。

如何に未来技術あれど、世界が敵になる政府だ。

無傷では済まないのは覚悟の上。

戦争を乗り切れたら可部は辞任し、次の政府は国民選挙に任せよう。

自分は戦時政府のみだ!


可部の覚悟は陛下も理解してくれている。


「可部よ、朕も今回の大戦が終わったら、友祐に皇室を譲ろうと思う。」


「・・陛下・・・。」


陛下も同じ気持ちなのだろう。


神の力と言う、未曾有の強大な力があったらこそこの戦いは出来るのだ。

もし無かったら・・。


歴史通り、連合国に敗北し千年後の滅亡を待つのみであったのだ。

陛下は我が歴史を見て、よくもオメオメと生き恥を・・。だがコレも朕の人生だろう。

プロジェクターに写される我が生涯を陛下はしっかりと脳裏に納めてた。


「国儀の全ては可部に一任する。存分に国儀を執行せよ。

反対する人間が出たら、朕が鎮圧する。」


「陛下・・。」


「この神の力あればこそだがな・・。ハハハ・・。」


陛下も無茶な国策である事は充分理解してる。

だが今は千年にも及ぶ国難の非常時。

どんな無体な事でも執行しないといけない。


「陛下、罪人の取り扱いですが・・。」


「純国民の罪人は全て離島の防衛に任ず。刑期は終戦まで。

代わりに酒補は潤沢に与え、刑期明けには充分な保釈金、並びに住居を確約せよ。

もし軍に残るなら士官任用以外は確約する。」


「宜しいのですか?」


「今は非常時であろう?可部・・。

使える人間を遊ばせる余裕は皇国には一人も居らんのだ。」


可部は官邸で陛下との会談を回想し、良くぞあの陛下がココまで・・と感心してた。

実史の陛下は周囲に事実を知らされず、現人神として祭られ・・。

敗北と共に人間宣言をされ、マッカーサーに屈辱の撮影をされたのだ。

いかに苦しい思いをされた事だろう・・。


だがコレからは違うのだ。


軍も改革、厄介な日華事変は強制終了。

満州は昔の荒野となり、朝鮮半島は前世紀の状態に戻ったと言う。

そして日本に居た異国の人類は全て帰国。

今の日本は純粋な日本人のみ。


いずれは異国も受け入れないといけないが、終戦までは鎖国政策だ。


可部は決意を改め、次の国会の審議案を秘書と練り始めた。





所変わって、ココは亜米利加・・。


「どう言う事だ??」


「大統領閣下、グアムの空軍の戦闘機がニホンと思われる大陸に近付こうとすると、

積乱雲が発生し近づけないのです。

積乱雲だけでなく、常に嵐が発生しており、戦艦でも危険と思われます。」


ルーズベルトは頭を抱えてしまった。

ニホンらしい大陸に一切の情報が入らないのだ。

当然スパイも入国不可能。


一体ニホンに何が起きてるのだ?


唯一入った情報が短波放送に拠るテンノウの世界宣言。

即ち、「ニホンコウコク」と言う国になり世界から孤立すると宣言されたのだ。

しかも一方的にだ!!


まあシナの軍も撤退したらしいし、マンシュウも無人の荒野。

半島に至っては前世紀の状態らしい。


我が国の企業がこぞってシナ、マンシュウ、チョウセンに入国。

第二のフロンティアとなる・・と思われたのだが・・。



「大統領閣下、どうもマンシュウには資源は無いらしいです。」


・・・・何と言う事だ・・。

膨大な国費を投入し調査した結果、マンシュウ大陸には泥だけの泥土しか無いと言う。

チョウセン半島の国民は全て物乞いばかり。

シナも同様・・・。


どうやらニホンの移転と共に世界の何かが狂い始めていたのだろう。


「大変です。大統領閣下!!!」


「どうした??」


「我が国の油田が全て・・・・。」


「まさか・・。」


「枯渇し、油田は一滴も産油出来なくなりました・・。」



我が国の全ても狂い始めた一瞬だった・・。












「フッ・・。まさか油田も移動させたとは思わぬまい・・。」


天皇の中に居る神の仕業だったのだ・・。














その頃、日本皇国全土の演習空域や海域では米英連合軍の奇襲を予想した猛訓練が続いてた。





「山本よ、我が軍の士気も大分向上して来た様だな?」


「ハッ、陛下。それはもう昔の帝國とは比較にもなりません。」


「潤沢な銃砲弾、潤沢な燃料。そして兵器。

後方には膨大な支援組織。コレこそが正しい近代軍の姿だ。」


「仰る通りです。陛下。」


天皇と山本は新鋭戦艦「大和」の艦橋で海軍の演習を見学してた。

天覧演習と言う事で全軍の士気は最高に上がり、陛下の居る大和の艦橋ギリギリまで接近する猛者も居た。


零戦21型の性能を極限まで発揮し、そのパイロットは轟音と共に大和の上空へと駆け上がる。

モチロン陛下に挙手の敬礼をしてからだ。



「おお、あのパイロットは凄い腕だな?」


「おい、あの機のパイロットの官職氏名を調べろ。」


部下に調査を依頼すると即座にヂスプレイに氏名が上がる。


「海軍中尉、岩本徹三です。」


「ほう・・。アレが後世の日本でも首位のエースと呼ばれる事になる男か?」


陛下は全てのエースの氏名を暗記してた。

エースの居る部隊の総合戦果は居ない部隊の数倍以上の差が出る。

達人が居れば、周囲も引き上げられるのだ。

前史の日本は達人のパイロットの論功を賞しない事でも多くの批判を浴びた。

この皇国では「強い人間」こそが指揮を取れる。

階級もグングン上がるのだ。

逆に勉強しか出来ない人間は後方でソロバンを弾くのみ。


実戦顔負けの演習、豊富な装備と武器弾薬。

統一された目標。

全てを整え、皇国は敵が痺れを切らし殴りかかる日を待ちかまえていた。




次回より新章です。

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