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皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
滅亡編
3/22

皇国列島改造論

日本列島を改革します。

太平洋で起きた異変を探るため、

ルーズベルトを含む世界の首脳部は知るために

日本にスパイや軍を差し向けようとしてた・・。



その頃、大日本帝國改めの日本皇国では・・・。


「陛下、海軍艦艇の全てをドックに入渠させました。」


「ウム、未来の技術は秘匿させなければならぬ。

だが戦争に負けてもならぬ。

ならばどうすれば良いと思う?山本?」


山本五十六海軍大将は陛下に尋ねられて少し躊躇してた・・が・・。


「陛下、もし戦うならば全ては戦力の増強と潤沢な武器や砲弾です。」


「その通りだ。山本。

朕は未来の世界で帝國の敗北を全て見て来た。

今はまだ旧帝國臣民や軍人にも秘匿しておくが・・・。

米英連合国の潤沢な武器砲弾の嵐の様は豪雨も顔ナシだった。

そして末期の敗北は目も当てられぬ無様な敗北だった。

若人の乗る戦闘機に爆弾を抱かせ、死ねと言う命令を下す軍部を見た時、朕は舌を噛みたくなった。

負けるのは仕方なかったかも知れぬ。

だが単に軍部の満足感のために臣民に死を強要する・・軍部には怒りを覚えた・・。」


陛下は沖縄やサイパンでの一般臣民の自殺強要に怒りを覚えてたのだ。

軍が先見の目があれば臣民も国内に避難出来たであろう。

だが実態は多くの臣民を戦火に晒し、最後は銃火の中に消し去られていたのだ。


サイパンのマッピ岬では多くの力無き女性や子供、老人が海に飛び込む。

沖縄では子供にまで爆弾を抱かせ特攻させる。

死ぬのは若者ばかり。


将軍連中は後方で怯えるだけ・・。>自分もそうだったが・・。


そこまで来たら、もう軍の意味も無い。

もしその当時の自分に神力があれば、即刻、敗北を連合軍に申し込んだろう。



「あの様な惨い敗北は、歴史上にも無い。

負けただけで無く、後世の民にも辛苦を味わせておったのだ。

山本、あと一年弱で亜米利加は皇国にも牙を剥くだろう。

あの国はどう譲歩しても自分達より偉大な国は認めぬのだ・・。」


「仰る通りです。陛下。」


「だからと言って日本と言う国を滅ぼされる言われは無い。

朕は神の力を得て、皇国を不敗の国家とする事にしたのだ。」


「ありがたい事です。陛下・・。」


「まず陸軍は解体する。

皇国軍は海軍を主体とする軍のみにする。

陸軍軍人は全員更迭させ、パイロットと戦車兵、そして空挺部隊のみ、再就役させる。

新設する海兵隊は未来の軍、陸上自衛隊を編入、旧陸軍幹部は全員更迭。」


「了解しました。」


「海軍主体とする訳は、皇国は今後、他国に進駐する戦をしなくなるからだ。

そして皇国は大陸沿岸から遠く離れ、海軍こそが軍の主役となる。

海の上を飛べぬ飛行士は今後不要だ。依って陸軍の航空部隊は全て海軍に引き継ぐ。

海軍も更迭させるぞ!!」


「最もです。」


「更迭する幹部は退役させるまで庶務や書類整理、万一の時のみ軍務に就けさせる。」


「・・・。」


「有望な幹部は心配するで無い。朕は未来の世界で全てを知り尽くして来た。」


「・・・・。」


「山本、お前も良く頑張ってたぞ。」


「おおよその話は聞いておりますが・・。」


「今の皇国とは違う山本だが、奢れるのも無理は無かったと思う。」


「勝って兜の尾を締めなかったのですね・・。」


「今度は違うぞ・・。潤沢な武器装備、充分な訓練。

そして邪魔をする大本営も無い。」


山本と陛下は次の大戦に国庫の全てを賭ける事にしてた。

負けたら千年属国なのだ。

借金は働けば返せるが、属国や奴隷は下手すると永劫に抜けられないのだ。


会談は続く・・。


「徴兵制度は撤廃、特に工場勤務の工員や技術者は絶対に軍に徴兵させてはならぬ。」


「分かりました。」


「兵器の量産や資源については心配要らぬ。すでにマリアナ海溝の資源を国土の地下に移動させてある。

あとは・・。」


「掘るだけですね?」


「その通りだ。」



山本五十六は陛下の側近として海軍から皇居に出向する事になった。


陸軍は解体し、国内の航空製造業は全て海軍の統一産業となる。

当然反発もあったが、技術を全て揃えるためと陛下に言われれば文句も言える人間は居ない。

未来国土からの技術者も大勢が出向して来た。


技術に格段の差があり過ぎるので、技術の刷り合わせに苦労したが、帝國大出の秀才揃いの技術者ばかりなので、

ヒントさえあれば理解も速い。


特に後世でも有名な零戦を開発した堀越、飛燕を開発した土井等と言った天才揃い。


だが時代に合わない特別な航空機は今次大戦では出現させられない。


あくまでもレシプロで統一させ、その代わり簡単には撃墜出来ない航空機とするのだ。

機種は一機種のみ。>爆撃機も含む。

その代わり量産体制は抜かりはない。

設計は全て第二次大戦当時最高の技術を集約させ、航空機産業は決められた機の製造を受け持つ。

旧陸軍工廠は規格を統一し、20mm機銃の製造開始。

エリコン式は撤廃し、代わりにブローニング13mm機銃を改造した改ブ式20mm機銃を開発。

抜群の弾道性を誇る傑作機銃と後世に呼ばれる事になる。>B17の翼も一撃で叩き折れたのだ。


その気になればバルカン砲も装備出来たが、さすがに1940年代ではアレ過ぎなので却下・・。


航空機は初期は零戦を装備。

もっとも零戦も1500psの金星エンジンで、軽空母でも運用可能にするため、翼を大きく折り畳める様にしてある。

外板も見た目は普通の鉄板だが、実はカーボンファイバーで作ってあり、実史の零戦の如く、急降下の制限も無い。

未来の板なので全ての銃弾を跳ね返す強度もあり抜群の軽量化も同梱されてある。


後期には烈風も控えてるので、大戦当時なら充分と思われる。

(烈風はスカイレーダーを参考に戦闘攻撃機とも呼ばれる事になる。)


一式大攻も設計、開発。

モデルはB29を元に高高度爆撃機として量産。

初戦は出撃しない予定だ。


解体された陸軍の代わりには海兵隊を新設。

幹部は全員、未来陸軍の自衛隊から出向。

平時は国内の駐屯地や島の警備に就き、戦時には最前線で戦う事になってた。

装備も一式ライフルで統一。

連射も可能でフルオートにすると簡易機銃にもなる優れモノだ。

戦車は独逸のタイガー戦車を参考に改造したト式戦車を装備。

兵士は全員志願兵のみ。

弾丸の補充は贅沢に補充が確約してあるので、訓練時でもガンガン撃てる。


艦艇は全て近代改造。

見た目は変わらぬが、レーダー装備、戦艦も砲塔からミサイルを発射する様に改造。

魚雷は全てホーミング式。

潜水艦は検閲時用に伊号を数隻のみ残し、残りは全て未来の潜水艦で統一。

深度1000mでも潜れるので攻撃されても逃れる事は可能だろう。


赤紙は廃止。

パイロットは予科練のみで教育。

兵学校は廃止し、優秀な兵士や下士官を士官教育する士官教育学校となる。

当然、士官になりたい若者は二等兵から始めるしかなくなる。

おかげで下士官からは「子守り」が無くなったと好評だった。


こうして皇国の改造は続いていた・・。


未来側の日本は全てを要塞化し、平地は農作物の量産。

地下工場では未来兵器、装備の増産備蓄を続けてた。

万一、日本が危機に陥った場合は未来武器が火を噴く事になるが、それまでは備蓄装備として訓練のみに専念させるのだ。

多くの自衛隊員は皇国軍に出向し軍人として闘う。


「山本よ・・。

皇国は負けてはならぬのだ・・。

皇国の予算を千年分使ってでも、次の戦は勝たねばならぬ。」


「仰る通りです。陛下。」


陛下は山本と歓談し、一式大攻の機上から演習する戦闘機、戦車、軍艦を眺めてた・・。








次回は暗躍する世界情勢です。

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