表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇国の野望  作者: 自宅防衛隊
開戦
11/22

日英同盟

グアムも移動します。

ココは合衆国統治領、グアム諸島。


フィリピンが落ち、今や合衆国とジャップの最前線だ。

多くの艦船を失った我が軍は国民に捏造情報を流し、士気向上を煽る。

そして噂ではジャップのモンスター以上の巨艦を建造開始した・・とか・・。


「なあ、ジョー。

オレ達は何時までグアムに居れば良いんだ?」


「ベン、そりゃ大統領に聞いてくれよ。」


壊滅した機動部隊や艦隊の乗員は全員、グアムやハワイに閉じ込められ帰国も出来なくなってた。

飲むのも基地内限定で、女を連れ込む事も禁止。

陸軍の連中なんざニューギニアで穴堀りをさせられてると言う。

だが飛べる機も無く、毎日基地内の岸壁で魚を釣るしかする事が無いと言うのも悲しいもんだ。


そんな時だ・・。


ゴゴゴゴゴゴと言う音と共に大地が揺れ、海が荒れ始め・・。

グアムがハワイ沖まで移動をしてしまったのだ・・。


島が列島線ごと移動すると言う天変地異がリアルで起きるのを目にするとは・・。


グアムやハワイの市民、兵士は島が沈むのでは?と騒動になった。


幸いにも移動したのみで終わり、島は経緯が変わり気候変化等が最大の損害であった。

一時は第二のアトランティス大陸騒ぎになる所であったのは言うまでもない。


合衆国でも当然大騒ぎだった。



「大統領、大変です。」


「どうした?ジャップでも攻めて来たか?」


「グアム諸島が突然・・移動を始めハワイ沖まで流されたのです。」


「・・・・なんだと????」


アメリカは先の敗北に続き、またも驚きの天変地異が発生。

ジャップ諸島の嵐が消滅したらジャプに爆弾の雨を降らそうと考えてた。

だが・・。


「開発中のXB29が実用化されないと通常の爆撃機では・・。」


「片道にも届かぬな・・。」


合衆国はまたも前線が後退したのである。

この列島移動でミッドウエイ、グアム、ハワイ諸島は同じ列島線になり、

新たなハワイ諸島線が形成された事になった。


この移動はモチロン陛下の中にいる神の仕業であった。


「山本、可部よ、グアム諸島をハワイ沖まで流したぞ。」


可部大統領も山本も驚くと言うよりも呆れていた。

まあグアムが列島に近く、何時までも台風と積乱雲に閉鎖されていては友好国も来訪出来ない。


「・・では台風と積乱雲の閉塞も?」


「ウム、そろそろ終わらせよう。もう隠す必要も無かろう。」


数日後、日本列島を覆ってた積乱雲と台風が全て霧散。


数年ぶりに日本は雲のベールから世界に顔を出した。


そして・・。


「世界の民よ、我が国を覆ってた暗雲がようやく晴れた。

友好国は再び国交を結ぼう。

敵対国家は戦後だが・・。」


陛下が短波放送を通じ、世界に国交を求める談話を流したのだ。

英吉利や仏蘭西、亜細亜の多くの国は強い日本に援助を求め、

国交を求めてた。

一部の亜細亜は無視だったが、何時もの事なのでスルー。

英吉利は使節団を艦隊で編成し、日本に親善を求めた。


欧州では独逸が猛威を奮い、Uボートに大西洋はガタガタにされてはいたが、

幸いにも水上艦隊は脆弱。

だが東洋で亜米利加が暴れ、英吉利東洋艦隊は壊滅。

フィリップ提督もP・O・Wにて戦死。

チャーチル首相は・・。


「まさか友と思ってた合衆国に寝首を掻かれるとは・・。」

と、後世の著書に書いてる。

そして航空機にて戦艦が撃沈されると言う事件も起き、一時は戦艦無用論も

議会に出たと言う。


だが皇国日本海軍が合衆国艦隊を戦艦の砲撃で壊滅させ、東洋から合衆国を追い払うと言う、

未曾有の大戦果を上げた。

コレで一時盛り上がりかけてた戦艦無用論は藪に消え、世界は戦艦。

それも巨大戦艦を建造する事になった。


英吉利はアノ亜米利加を打ち破り東洋から追い払った日本を恐れた。


そして進駐もせず、地元土民に自治を任せた事をどう判断したら良いか、理解に苦しむのだ。


印度や東洋の利権奪回はしたいが、日本を無視したら今度は自分達が再び海底に案内されてしまう。


そして、さすがに追い払われた国が元の統治領に舞い戻ると言うのは図々しいと思って出来ず、

日本にどうするかお伺いを立てて来たと言うのが訪問の最大の目的だった。


出来れば同盟も・・だったが・・。


日本の東京沖に寄港した英吉利主力艦隊は投錨すると、迎えのランチで岸壁に向かう。


行き先は皇居だ。


チャーチルも陛下に逢うのは初めてだ。

さすがに東洋の猿とか侮る事は出来ない。

何せ二千年近くの血統を誇る世界の「エンペラー」なのだ。


横須賀軍楽隊が奏でるイギリス国歌、

「神よ女王陛下を守り給え(God Save the Queen)」 を聞き、迎えのリムジン(センチュリー)に乗る。


「凄い・・・。何と言う車ですか?コレは?」


チャーチルは母国のロールスロイスより静かで空調の利いた快適な車に驚いてた。


「我が国の国産車、センチュリーと言います。閣下!」


チャーチルは日本がどうしてアメリカを破ったのか、

僅か数年で何かが起きた。

それが何かは分からぬが、日本を取り巻く環境の変化が只事では無い。


まるで未来の車(事実未来の車だが・・。)みたいなセンチュリーを見て、

チャーチルは驚愕してた。

そして、道路が英吉利の倫敦ロンドンよりも整備され信号も完備。

ビルも多数建築されてて、高層化も進んでる。

まるで未来の国もみたいだ・・。

彼は短い時間で見た東京をそう判断してた。


やがて皇居に着き、陛下に接見したチャーチルは陛下の神々しさが人間では有得ない神々しさであるのを実感した。


まさか神とまでは思わなかったが、普通の人間の発するオーラでは無い。

チャーチルは一発で陛下に参り、以後陛下の僕となったのである。


陛下は見事なキングスイングリッシュで・・。


「長い旅、御苦労でありました。チャーチル殿。

朕が皇国の天皇、ヒロヒトである。英吉利王国ともまた付き合いが出来る事を楽しみにしてた。」


「陛下、ありがたいお言葉です。

我が王室一同も陛下とお付きあいを出来る事を楽しみにしてました。」


「ウム・・。だが今は世界が荒れている。

嵐が治まるまでは・・。」


「・・そうです。我が国もドイツとアメリカ双方の戦いで国民も

国も疲弊し、中々希望が持てません。」


「ウム・・。そこでだ・・。」


陛下は英吉利との国交再開で、国としての支援。

そして技術交流、海軍艦艇の譲渡。(旧艦艇です。)

航空機売却などの支援を約束すると言うのだ。

英吉利は兵器がいくらあっても足りない現状なので有難い話だ。

だがタダでは無い。


「英吉利が東洋に持つ権益を全てその国に譲渡して欲しい。

我が国が進駐する事はしないが国として成り立つ様に支援はする。」


チャーチルはさすがに即答は出来ない・・が・・。


「現状では統治も出来ない我が国です。

皇国に支援を約束して頂けるなら・・。」


「ウム・・。国に持ち帰り議会を通してくれ。」


チャーチルは皇居を辞すると、岸壁には多くの支援物資を満載した輸送船。

普通の鉄板で制作した輸出用零戦。

そして掃海用の木造艦船(機雷除去用)、ソナー搭載の旧型駆逐艦。


そして・・。


「こ・・この高級車を我が王室に??」


何とセンチュリーと言う高級車を王室と私にプレゼントしてくれたのである。

様々な交換部品やマニュアルまで・・。


「チャーチル閣下、英吉利と皇国の友好の証です。」


有難い事だ・・とチャーチルは思った。

何としても戦争に勝ち、皇国とも国交を重ねよう。

東洋の領土支配よりも皇国との交流が遥かに価値がある。


チャーチルは遠洋航海を終え帰国した際、皇国日本との交流こそが、今後の英吉利の利益にもなると判断した。


そして彼は国に向かう戦艦キングジョージ二世号で国民への演説執筆に掛ったのだ。


国民を納得させ議会を説き伏せ、戦争のための支援を皇国から得る。


勝った後に戦後の事は考えるべき。


まずは勝つのだ!!


チャーチルは戦後の著書、「我が勝利への渇望」に陛下との接見こそが、

今日の英吉利の再興の始まりだったと書いてる。






「陛下、コレで彼等も東洋の権益に拘る事も少なくなるでしょう。」


「ウム、流さなくても良い血は少しでも減らすべきだ。

東洋の民もしっかりと国の運営、兵士の教育をしてくれ。」


そこには印度の後の首相、ジャワハルラール・ネルー。

インドシナ諸島の後の大統領、スカルノが立ってたのだ。


彼等は陛下と山本に国への支援と同盟を求めに来てたのだ。




島を移動させたり海兵団を抜き打ち検閲したりと忙しい陛下です。(^_^.)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ