日本壊滅??
時は2945年。元号で言うと親和20年。(あくまでも架空の元号です。)
先の大戦敗北から千年。
日本は独立国としての存続もピンチになってた。
日和見の政治家がナアナアで全ての国際事情を握りつぶし、全ての事件を闇に葬り去って来たツケが、
一気に現代に被さって来たのだ。
思えば千年前の敗北が全ての始まりだった。
あの敗戦の瞬間、日本は独立国としてのプライドすら捨ててしまったのかも知れない。
時の総理、可部新蔵は次の亜細亜サミットで特別亜細亜から日本を譲渡するか、開戦するかの決断を迫られていたのだ。
「嗚呼、どうすれば良いのだ?譲渡したら我が国は日本では無くなる。
だが断れば開戦。そして核分裂ミサイルの嵐だ・・。
だから言ってたのだ。日本も軍を増強し法律を改正するべきだと・・。
日和見でナアナアばかり言ってたから・・。
もう遅いか・・。」
可部総理は日本国総理最後の総理として指名されただけなのだ。
亡国の総理として・・。
アメリカも財政危機で世界の警察を撤退。
自分の国は自分で守れ!!だとよ。
独りで頭を抱えてる可部の周囲が自然と明るくなり・・。
「可部よ、そこまで追い詰められてるならやり直せば良いでは無いか!
歴史を!!」
頭に光るワッカを乗せたハゲ爺さんが降臨したのだ・・。
「ヤベ・・。遂に脳が逝ったか??」
可部がそう考えてると、爺さんは・・。
「無礼な事を考えるな!!ワシャ神だ!!」
「エ??髪??」
「字が違うワイ。マジモンの神!!!!!!」
可部と自称「神」の舌戦はどうやら神の勝利に終わり、可部に神がある提案をしたのだ。
「可部よ、お前等には千年分の技術と歴史と知識があろう。
そして資源さえあれば千年前の敗北にも勝利は可能だろう。」
「仰る通りです。自称神様。」
「・・・まあ良い。お前等日本は周囲を敵性国家に囲まれ、味方は皆無。
近い将来は属国になるか廃墟になるかの二つだろう?」
「その通りです。」
「ならワシ等、神の神通力に依り、お前等日本を昭和と言われた時代に国ごと飛ばしてやろう。
そして新たな歴史を構築するが良い。」
「・・・冗談ですよ・・ね??」
「マジだ!!」
「マジですか!!」
可部と神の舌戦は延々と続いたが、神が試しにアッチの天皇を召喚したると騒ぎ、
当時の昭和天皇陛下を降臨させたのだ!!
画像でしかお目にかかった事が無い、昭和の陛下。
「・・・・ココは???どこであるか?」
「陛下、ココは陛下が在位してた時代から千年後の日本です。
私は千年後の日本国総理、可部新蔵と申します。
現在、日本は国としての尊厳すら無くし、陛下の末裔の現陛下も・・・。」
「ウム・・。可部よ、皆まで言わなくとも良い。相当の国難に瀕しておるのだろう。」
「ハッ。その通りです。陛下が昭和何年の時代から召喚されたか分かりませんが、
昭和16年12月8日、日本は米英連合国と開戦。
昭和20年8月15日、無条件降伏します。国は猛爆撃で廃墟となり、原爆と言う最強の爆弾で
長崎、広島が一撃で廃墟。そして軍は解体され日本は独立国としての尊厳を千年もの間・・。」
「・・・そうか・・。
朕の決断の遅れで臣民に塗炭の苦しみを与え、後の臣民も喘ぐ結果となったのだな。」
さすが陛下だ。
一つの話で数手先の事を理解されている。
コレならば・・・。と考えてると、黙ってた神が・・。
「時の天皇よ。ワシが己を未来に召喚した神じゃ。」
陛下は神の神具も扱う神官。
一目で神がホンモノと理解され畏まれたのだ。
「ハッ!!神様。朕をこの世界に召喚されたのも深い訳があるのでしょう。
朕で出来る事なら・・。」
「天皇よ、可部から話は聞いたと思うが、お前の時代の敗北が千年もの間、
日本を苦しめておるのだ。そこでだ・・・。」
神は天皇に自分と合体し、ホンモノの神として帝國を操れ。
そしてこの世界の日本も同時に統治し、新生帝國日本国を作れ。
万一軍部が暴走しても神の力で抑えられる。
そして世界を救え!!
そう神は言うのだ。
天皇は悩んだが、それも一瞬。
「分かりました。神様。
朕単独で軍を抑えても周囲に押し切られ、無かった事にされます。
もしくは暗殺もあり得ます。」
当時の日本軍。
特に陸軍軍部首脳部は暴走を抑えきれそうに無かった。
それが盧溝橋事件に始まる日華事変。そして大東亜戦争に繋がるのだ。
天皇陛下の威光でも抑えようとすると、暗殺の危険もありえたのだ。
「ウム。その通りだ。軍部は英雄と勲章ばかりを求める愚かモノが多すぎだった。
そして日本の庶民は実態を知らず、大半の働き手を二等兵として一銭五厘の赤紙で徴兵。
馬車馬の如き扱いを受け、戦地の露と消えた。
その大半の責任は・・。
天皇、貴様にもあるぞ!!」
「面目ありません。」
まだ起こってもいない事変を謝罪する陛下だった。
そして・・。
「天皇よ。もうこの未来の日本は終わりだ。」
「そ・・そんな・・。」
「慌てるな。この時代の・・日本だけだ。
我が天皇と合体し、神通力を発揮させ、この時代の日本列島全土を移転させる。
お前の時代の日本の隣にな!」
天皇陛下は唖然として、神の話を聞くしかなかった。
そして2945年。8月15日。
奇しくも大日本帝國無条件降伏後1000年目。
日本と言う国は地球上から消滅。
日本のあった海域はマリアナ海溝より深い深海地帯となり魚類も取れない死の海となり、
一年中大荒れの魔の海として世界の船乗りが避ける地帯となったのである。