1日目
1日目。
その夢の中で僕は一人の赤ん坊の父親だった。
性別は女の子で、最初は泣いていたけれど僕を見つけると泣き止んで、抱っこしてあげればすうすうと眠りにつく可愛い子だ。
そんな僕たちが住む家には見覚えがあった。
ここは亡くなった祖父母が住んでいた家だ。
今でもまたに訪れて、墓参りの際には家の中で過ごす事もあった。
しかし夢の中の祖父母の家はどこか綺麗で、記憶の中でこの光景に一致するのは、僕の子供の頃の祖父母の家だった。
懐かしさを感じる家の中に僕と赤ん坊はいた。
画面は切り替わる。
僕と赤ん坊はホテルの一室にいた。
ベッドには赤ん坊がいてこれまた気持ちよさそうに寝ている。
寝返りを打った赤ん坊を見た僕の心の中には何故か歓喜の感情があった。
そしてホテルの中には亡くなったはずの祖父母がいた。
あり得ないはずなのに、夢の中の僕はそれを当たり前に受け入れていた。
まず祖母に声をかけた。
「ひ孫を見れて嬉しいでしょう?」
「そうだねえ」
祖母の顔色は紫色だった。
不思議だった。
亡くなる前の病室で見た祖母の顔色は白く、紫色では無かったからだ。
次に祖父に声をかけた。
祖父は長年の造船業に携わっており、そのせいで肺が弱っていた。
夢の中でに出てきた祖父も鼻にチューブを入れて、ボンベから酸素を取り入れていた。
けれど顔色は良かった。
「おばあちゃんは元気そう?」
「……いいや」
僕の問いかけに祖父は顔に手を当てて、涙を堪えるように下を向いた。
夢はここで終わった。




