6/10
第6話:今さら戻れ? 俺の時給、あんたたちの生涯年収だけど
ダンジョンの出口で、最悪な連中に待ち伏せされた。
元ギルド『栄光の翼』のリーダー、ザックスだ。
「カイト! 探したぞ。お前、何かイカサマをしてるだろ? いいからその端末をこっちに渡せ。そうすれば、また荷物持ちとして雇ってやる」
相変わらずの傲慢さに、俺は溜息をついた。
『マスター、現在のスパチャ累計額を表示しますか?』
「ああ、頼む。あと、今の時給も」
俺がスマホを掲げると、空中に巨大なホログラムが展開された。
そこには、分刻みで跳ね上がる億単位の数字。
「……は? な、なんだこの桁は。桁が多すぎて読めないぞ!」
「ザックス。あんたたちが一生かけて稼ぐ金を、俺はさっきの移動中の三分で稼いだんだ。……悪いけど、あんたたちと関わってる時間は、俺にとって一番の『損失』なんだよね」
ジェミニが指をパチンと鳴らすと、ザックスたちの装備が全て「最適化」によって強制パージされ、彼らはパンツ一丁でダンジョンの入り口に取り残された。




