〈クローデット伯爵家長女失踪調査記録まとめ~あるいは誰かの手記~①〉
ケイト・クローデット伯爵令嬢が姿を消したとされているのは学園卒業直後、十八歳の時の出来事とされている。捜索は伯爵家の身内のみで行われ警察等による関与は無し。当時は警察組織が発足したばかりであり、貴族関係の事件に関わる方が珍しかったらしい。
ケイト嬢の捜索は一年程で終了。その間に次女であるカーレン伯爵が当主を引き継ぐことが決定された。このあたりは元執事にも確認済み。
また、カーレン・クローデット伯爵の戸籍を調べた直したところ、確かに喫茶店の店主が話していた年にクローデット伯爵家が養子縁組を申請した記録有。
ただ、元執事の話し方に少し違和感を覚えてさらに詳しく調査したところ、何故か養子縁組の日付が祝花祭の後から前に改ざんされていることが分かった。調べるの大変だったな……
理由は不明。祝花祭の際にカーレン伯爵が目撃されていたことが関係しているかもしれない。引き続き調査を続けよう。
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カーレン伯爵は二十歳で現在の夫であるベルナルド卿と婚姻。彼が以前はクローデット伯爵家長女ケイトと婚約を結んでいた記録も見つかった。
しかし、長女から次女に婚約者を変更したという記録は発見できなかった。当時の法律では貴族の婚約は契約であり、基本的に相手を変更する場合は届け出を出す必要があったはず。
長女が突然行方不明になった為、特例が認められた可能性も無くはないが失踪から婚姻まで二年間も間が空いているのに申請をしなかった理由が引っかかる。単純に昔のことで記録が紛失してしまっただけなのかそれとも……
また、何年か前までクローデット伯爵家が内密に赤い染め粉を定期購入していたという情報が見つかった。
染め粉自体は違法性のない普通の品だ。購入を隠す理由など見つからなかったがどうして?




