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破棄

頭の固い議員さん。町に選挙事務所を持っている。奥さんの旧家(祖父母)で住む人が居なくなったので、奥さんの父が相続し、事務所に改装した。奥さん(の両親)が出したのだが、これで力関係が想像できるだろうか。


奥さんの望みは、ぼんくら亭主を市長にする事。(市長夫人、うふっ)


「皆さんのご希望は、公布された学区区割りを違う物に変えたい。と言う事でよろしいでしょうか?」


「当然です。私達の意見を無視して出された学区区割りなど、認める訳にはいきません。」


「それで、代替案は、お持ちなのですか?」


「私達の代替案は、全部却下されましたのは知っていますか。」


「はい。」


「あれに変わる案も作って下さい。それよりも、こっちの意見を無視した教育委員会を、どうにかして欲しいのです。」


「分かりました。では、公布された学区区割りを撤回できるか。」


机でなにやら調べている奥さんに。


「どうかな?」


「学区区割りは、教育委員会の専権事項のようですね。(小声で・・これは、手ごわそうです)」


「専権事項?」


「教育委員会が、他の関係者の介入や干渉を受けることなく、単独で決定できる事項を指します。ただ、(市の)文教委員会の承認が条件になります。提出された学区区割りの承認申請の写しを、請求しますので、それを見て検討したいと思います。」


「そうですね、絶対に破棄させてください。期待しています。こちらでも、選挙協力は惜しみません。ぜひ、いい関係でいたいものです。」


言いたい事を言って、彼らは帰って行った。






「で、どうだ。」


「結構、対策を立てて出していますね。本来必要のない意見書が付いています。警察署、消防署、他にも・・・あらら、町の医師会もある。」


「不要なら、なぜ面倒な事を?」


「警察でいえば、町の繁華街。あそこに町の嫌われ者達が住んでいるでしょ。いつももめ事の元凶になっている所だけど、そこに住んでいるのは彼らだけじゃない。親たちが住んでいれば、子供達も住んでいる。なにか事件が起きた時、繁華街に、二つの学区があったらどう?」


「面倒が2カ所になる?」


「そう、子供達が事件に巻き込まれたら学校を無視して動けない。最初の連絡は、親達がやっても、それからの対策は、警察が動かないといけない。という事かしら。」


「それで、事前に意見書を取った。」


「そうね、警察署も意味が解らず不信だったのかしら。意見書の下に対応するであろう課の課長のハンコがが押してあるわ。」


「地域防犯課、交通課、少年課、刑事課が3個?」


「犯罪班と粗暴対応班?かしら。課長と課長補佐みたいね。」


「他も同じなのか?」


「そうみたい。で、これどうする?かなり厄介よ。」


「どうするって、やらないと次回の選挙に影響するだろう。きちんと対応すれば、いいんじゃないかな。」


「そんなに簡単じゃないから。公布されたから、破棄させるのも厄介よ。これ見て。」


「なになに・・・・えぇ、本会議を開いて2/3以上の議決が必要!」


「そうよ、勢力は分かっているでしょ。」


「俺たち新住民派が15人と議長。牧場派が10人と副議長。農業関連派が8名。議長と副議長は、議決に入れないから。2/3で22人か、うちらを全部抱き込んでも、あと7名必要と。農業のやつらで間に合うが・・・」


「ほぼ全員じゃない。昔からの付き合いが残っているから、いいとこ半分の4人ってとこね。」


「じゃ、どうするんだよ。」

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