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強行突破

教育委員会は、強行突破を試みる。


県と市の議会、PTA役員、関係機関。ありとあらゆるコネを使い意見書をかき集めた。


出来上がった学区区割りは、全てが満足できるものではなかったが、大多数の賛同を得る自信があった。


一旦公布された『学区区割り』は、大きな問題が無ければ取り消された事が無かった。これで、次の工程に進める・・と、安心してていた矢先、とんでも無い事が起きる。





そもそもの問題の発端は、用地買収の不透明取引を議会が問題視した事にある。


市長は、開発公社に坪20,000円で買い取らせていた。地主は、完全に納得したわけでは無かったが、特に問題なく契約になっていた。


では、本来はどうなのか?


市は、固定資産税を取る。これの根拠が評価額だが、ここでは税価としよう。


おおむね、農地・牧草地の税価は、㎡200円。住宅地は、㎡6,050円(坪20,000円)となっていた。取引で、農地価格ではなく住宅地価格で買い取っていたのである。


なぜ、地主はごねなかったのか?実例があったからであった。


ある地主が、不動産会社と契約した。売値は、坪20,000円。出来上がった造成地看板をみて驚いた。【好評販売中!坪60,000円から】、実際、手前の土地は、坪80,000円で最奥が坪60,000円だった。不動産会社に文句を言ったが、取り合ってくれない。


そうならばと、建設会社に残った土地の造成見積りを依頼した。


売値は、平均坪70,000円。総土地売買代金から、測量、登記費用、開発行為申請費用、造成工事代金、管理諸費(どうも造成以外にいろいろかかるようだ。大型車両が道を通れないので、他人の土地を跨ぐ必要がある。工事費は、造成に含まれるが借地料、迷惑料がなど、目に見えない費用が書かれていた)。総額坪50,000円。


どうも出来過ぎのようだが、納得しよう。この知識があったので、開発公社の契約に応じたのだった。


なっとくできないのが、頭の固い議員さん。


そもそも、農地の取引なのだから㎡200円で買えばいい。が、頭にこびりついている。


そう言うと、そんな値段で売る地主はいないと、担当部長は言う。だったら、もう少し上げたらいいだろう。では、どこまで上げられるか?


再評価・・周囲が宅地化されてるので、宅地並みにするか?でも、現状畑だし無理がある。だったら・・いろいろ裏の手をだし・・坪10,000円とした。現状畑の評価としては、破格の金額である。


役所がこれをもって地主との交渉に入る。


「坪10,000円でどうしょうか、公共事業への売却なので無税となります。ぜひ、契約をお願いします。」


たとえ税金を払っても、民間へ売った方が利益になる。当然、買収交渉は長期化する。


一方の学校では、無理な状態での授業が行われている。例えば、クラスが大幅に増えたので体育授業がかぶっている。晴れなら、体育館、講堂、グラウンドを分割して使用など、小中学間で調整してやっているが・・雨の日、講堂、体育館を分割して・・は、無理があった。


そこで、グラウンドの端に共同のプレハブ体育館(鉄骨で骨組みを作り、プレハブ壁・屋根で囲った。床は、コンクリートにフローリング張りになっている。)を作り、応急処置とした。


グランド周囲に立てるプレハブ教室類は、とうに限界を超えていた。いつ事故がおこるか、頭の毛が日に日に薄くなるのを実感する校長と教育委員会会長。


大地主との単価契約が成立した。これにより近接する地主達も同単価での売買に同意したと言う。土地確保の見通しがたったとの知らせを受け、教育委員会は次の作業にはいる。学校をいくつ、何処につくるか?


並行して、学区区割りの素案を作る。入る生徒の人数を把握しないと、学校の規模を決められない。


出来たのが、町の四隅に作る案であった。


通常、この作業で作った学区区割りは、公表されない。市議会に規模算出の資料として添付される。


それが、市民に流出した。誰がやったか?・・ところが、それ以上の問題になっていた。市長の独断土地取得問題で議会が紛糾するさなか、誰かが流出したのだろうが・・


市民間の公害問題が激化していた。そこに学区区割りが流れて来た。


公害に合わせて、問題が広がり複雑化してきた。


学区区割りだけに絞って問題を整理してみよう。


牧場側と新住民間の公害紛糾により、同じ教室で学ばせたくないと保護者が申し立ていた。


新住民側から、廃止する分校に牧場側の生徒を受け入れて欲しいと要望。【却下】


新住民から、それの代替案として東側学校の規模を拡大して、新住民の生徒を受け入れよ。【土地契約済なので却下】


認められないなら、議会を動かして学区区割りを拒否する。


困った教育委員会は、強行突破を選び無理に学区区割りを先行成立させてしまう。

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