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トラックは追ってくる。どこまでも。

作者: 宮水 のあ

私はたまに悪夢を見る。それも、自分がトラックに轢かれる悪夢を。

私はたまに悪夢を見る。


その悪夢が、現実ではない事は分かっている。けれど、これで人生3回目なのだ。いつもトラックに轢かれる。自分がトラックに轢かれるのを知っているから回避できるはずなのに、いつも、どう足掻いてもトラックに轢かれるのだ。


この夢を初めて見たのは4年前、私が13歳の頃だ。その頃は一度見たきりでその悪夢のことは忘れていたが、今年17歳になってからまたその悪夢を見たのだ。それも2日間続けて。


この夢はいつも友達と公園で遊ぶところから始まる。遊び終わったら自転車置き場に行ってスクーターを借りるのだ。スクーターを借りた後に一本道まで歩いていく。夕暮れ、5人の友達と共に辺り一面にススキが生えている場所を歩くのだ。


しばらく行くと、駐車場に出る。


駐車場には車があり、親が待っている。けれど、車に乗れるのは親を除いて3人。


「私は歩いて帰るよ〜」

「おっけー!じゃあまたお家で会おうね〜」


私はいつも歩いてお家に帰るのだ。妹と共に。


一本道を歩くと道路に出る。ここの道路だ。

知っている場所、ここは自分がトラックに轢かれる場所だ。


しばらく歩くと警察の車があり、私たちに警察官のお姉さんが言う。「ここの道路は危険だから気を付けてね」と、


私は、自分が惹かれる運命だと分かっていながら「はい!」と答える。


警察のお姉さんと別れてまたしばらく歩くと、工場がある。


あ、ここだ。ここの工場に入っていくトラックに…

いつもそう思う、だからこそ私は妹を守りながら生きて家に帰らなければならない。


心の中の自分に語りかける。(トラックが来る、どうにかしてこの場所を越えなければ…もうこれ以上は死ねない。)と、


いくら夢だと分かっていても、平和に生きたいものだ。私はトラックが私の方に向かって走ってくるのを確認すると、工場の周りにある壁に張り付いた。妹を守らないと…!私は妹をトラックとは別の方向に押した。妹は無事だ。よかった…


トラックは私の方向に向かってきて、私はトラックと壁に押し潰された。


(あー、まただ…やっぱり私は押し潰される運命なのだろうか)


夢なので、痛みは感じない。ただ自分の体に圧がかかり、押されている。血も出ている。それだけだ…


ハッと気づくと、また警察のお姉さんと一緒にいる場所から始まる。


ループしている。またこの場所からだ。


そうしてまた私はトラックに押し潰される。


起きた時には、頭の中が真っ青だ。怖かった…そうして、またこの夢を見るのだろうかと考えながら朝食を食べる。

この先もまた見るかもしれない。その時は、また…

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