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太陽系伝説  作者: 有里明
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トップギルド:太陽系

この世界には、モンスターや魔物と呼ばれる生き物が存在する。それらは低俗なものから知能を有するものまで千差万別だが、モンスターの存在が確認されてからのこの1万年の歴史で、決して人間とは相容れることがない存在だった。


それは7000年前、この惑星を二分させた歴史上最も激しい戦いが物語っている。土地は荒れ、人口の4分の1が死に、モンスターも同程度以上のダメージを受けながら、100年止まることの無かった戦争である。この影響は計り知れず、それまで人間が積み上げてきた物がほとんどゼロになってしまったと言っても過言では無い。建築技術も、兵法も、魔法も、武術も、文化も、政治も、ほとんどを初めから作り直すことを余儀なくされた。いや、生み出す、の方が正しかったかもしれない。過去に何があったのか、全て消えた訳ではないが、私たちが確認できるのはその戦争が終結した後に書かれた歴史書からのみ。


戦争は、人類側は勇者、モンスター側は魔王、という存在を置き、それらを筆頭に土地や支配を求めて起きたものだったのだが、100年経ちついにお互いの一派が衝突する事件が発生した。何日にも続く最終決戦は、勇者と魔王の相打ちという結果になり、生き残った一派の中で、土地を二分にし5000年の間はお互い無干渉、という提案が受け入れられ、今に至る。


つまり、2000年前に魔物が5000年ぶりに人間の前に現れた。それはやはり争いを起こして行ったが、結局は100年戦争を超える大規模な戦いは起こらずじまいあった。理由は単純だ。それだけ戦う技術と、人材が足りなかった。勇者と呼べる様な人間はお世辞ながらにも現れることはなかった。人類の幸運なことにそれは魔王も同じだったようだが。


だが魔物やモンスターが侵攻を止めることはなかった。相手は人間より強い膂力や体格を持っていることを知っているから。人類は考えた。個人で敵う相手でないのなら、集団であれば勝てることに。単純なそれは、明らかに相手にダメージを与えていったのだ。これが現代で言うギルドの発足する起源となる。


時間が経ち、人々はギルドを組み、自分より強いものを倒そうとしたが、もちろんどんどん相手も強くなる。人間も戦うために人数をかけていく。ギルドはこうして発展して大きくなっていった。今では、新出したり淘汰されたりして残ったギルドが人類にとって重要な所を拠点として守っている。最近の2000年で世界地図は大きく変動し、人間が住んでいるところと、モンスターが生存しているところがまばらになってしまった。だがギルドがあるということは、その場所はある程度の安全を得られるということであり、そこに人類は巨大な都市を発展させていった。


これら巨大な都市を有するギルドをトップギルドと人々は呼んでいる。トップギルドはお互いに交流しながら、協力して戦っている。その規模は小さくても数千人、大きければ何万人も所属しているギルドもある程に成長した。都市に1個のギルドという訳では決してなく、トップギルド以外の小さなギルドであっても存在している。彼らの存在はトップギルドにとっても利益を生んでいるため、ウィンウィンの関係なのだ。このようにして、今は大きな戦いもなく、少し戦いながら、ある程度平穏な暮らしを送れる日常が作られていった。


そして現在、新進気鋭もいいところ、創設たった3年、たった11人、大きな土地を持っている訳でも無く、守る土地もない、ただの大都市にある普通のギルド。そんなギルドが実力と結果を示していき、段々と人々がトップギルドと呼ぶようになっていった。そのギルドの名前は、太陽系。


彼らが織り成す物語、自由を掴むための日々は、決して楽しいことばかりではない。

これは、彼らの生きた姿が、後に「太陽系伝説」として語られる話だ。


読了ありがとうございました!!


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