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「宗教勧誘しただけなのに追放されそうです……」  作者: 頭いたお
6章 アエラのたのしい魔法教室
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10.アエラのたのしい魔法教室 修了記念

「んあああぁぁぁあ……最高おおおぉお……ひへっへ……」



 ――解放。

 暗黒の冬が終わり、輝かしき春が始まる……。

 本日はシルティさんに抱き着きにいきます。

 リリデスさんとは違った良さ……。世界で最も安全であろう懐……。

 良き……。良き…………絶対的安心感、良過ぎる…………。



「こらこらモジャ。そんなにくっつかれては困りますよ」


「んおおおぉおおぉお……あったかいいいぃい……シルティさん最高おおおぉお……」


「参りましたね」


「……!? モ、モジャさん……!? モジャさん!? あ、あまりシルティさんにくっついては、その……!? よ、よくありませんよ……!?」


「今日はシルティさんの子供になりゅううぅぅ……」


「だ、駄目ですよ!? シルティさんには……だ、駄目ですよ!? 駄目ですよっ!!?」


「そうです駄目ですよモジャ。これでは仕事になりません」


「んんんん……一億シルティさんpt払いますぅ……」


「おや。……じゃ、仕方ないですね」


「んほほほほあぁあぁえははあ……」


「ッ!? い、いいんですか!!? いいんですかッ!!? ……え!? いいんですかッ!!!?」


「一億シルティptですし」


「…………ッあの!? 私も払いますが!!?」


「持ってないでしょう、シルティpt」


「……買いますがッ!!?」


「金銭による売買は禁止です」


「ふぐうううぅ……ッ!? ぐうううぅうう……ッ!」



 ああああ極楽過ぎるうう。

 最高の空間……。幸福……。一切が……。

 シルティさんとリリデスさん……。温かき光……。我が故郷……。

 永住する……。ここに住民票作るうぅう……。住民税払っちゃうううぅ……。



「……それよりモジャ、魔法教室はどうでした? アエラとはうまくやれましたか?」


「そ、そうですよモジャさん! この数日はどうでした?」


「う……っ。ア、アエラさんは、その……」


「その?」


「き、危険人物でした……」


「……まあ、ええ」


「……まあ、はい」


「……やっぱお二人も知ってたんじゃないですか!? 酷すぎますよ!!? 怖かったんですからぁぁああ……っ!」


「で、でもアエラさん、根は優しいですよ!」


「そうですね。根は優しい気がしないでもない節があります」


「犯罪者を無理矢理擁護する時の定型句ぅ……! シルティさんに至っては自信なさ気だし……!」


「でも、いいところもあったでしょう? ちゃんと信頼できる人物ですよ」


「……。ま、まぁいいですよ……。全ては過ぎたことです……」


「で、得るものはありましたか? それを願って引き合わせたのですが」


「ううーん……一応基礎知識ぐらいは……。……あっ、そういえばさっきこんなもの貰いまいしてぇ……」


「おや、贈り物ですか。開けないのですか?」


「なんか一人で開けるの怖くなって……みなさんと一緒にと……」


「怖い?」


「小指とか歯とか入ってたら嫌だなって……」


「流石にそこまでアレじゃないですよアエラさん……」


「あ、開けてくださいリリデスさん……。呪物だったら……恐らく私は気絶します……」


「わ、分かりました……では……」



 リリデスさんに推定呪物を渡し、薄目で確認……。

 開けると厄災が降りかかる的な函の可能性が高いですが、リリデスさんならきっと大丈夫……。

 爪や毛髪あたりならまだマシかも……。



「……」


「……」


「……」


「あっ」


「ほう」


「んん?」


「……指輪ですね! 宝石が……」


「えッ!? ……ああッ!? ね、猫目石……ッ!?」



 蜂蜜色の地に、一本のきれいな光の筋。

 にゃんこちゃんの目に、そっくりの宝石。

 それを嵌め込んだ、シンプルな指輪が。



「呪物じゃなかった……!? アエラさんなのに……ッ!? そんな馬鹿な……!?」


「お、驚きすぎでは……」


「随分と気に入られたようですねモジャ。素晴らしい贈り物ではないですか」


「し、しかもこれ……普通のじゃない……!? 妙な感じが……!」


「魔法が付与されてますね、アエラがエンチャントしたんでしょう」


「エ、エンチャント……」


「これは……魔力の回復を補助してくれるものですね。素晴らしい一品ですよ」


「…………!」



 魔力……回復……。

 …………。



「猫好きのモジャさんにはうってつけですね!」


「うっ……!?」



 猫。

 猫……。

 …………ッ。




 ああ、二つの感情がせめぎあっているうぅ……っ。




「? どうしましたモジャ」


「……ま、まあいいです。アエラさんに罪はあっても、宝石ちゃんに罪はありませんからね……! も、もらえるものは勿論もらいますとも……っ!」


「これを身に着け、魔法に励むようにとのメッセージですね! よかったですねモジャさん!」


「う、ううーん……」



 シーフ的には、これ以上魔法を修練しても仕方がない所ではありますが……。

 …………。



「……まあ、多少は頑張ってはみますかねぇ……。気が向けば……」


「お。乗り気ですねモジャ」


「い、いや。そんなに乗り気ではないですけども……でもまぁほら、一応……」


「一応?」





「……『冒険者』……ですし……?」




 ひとまず、まあ。

 そういうことで。とりあえず――。




6章 アエラのたのしい魔法教室 ~終~

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