2.クレインの憂鬱①
「はあぁぁあぁぁ……」
何一つ決まらず、糞髭連呼で会議が終了。ギルド立ち上げならず。
いくらなんでもナメすぎじゃない? 思い出したら腹たってきた。なんだよマンボ騎士って。存じぬ単語だよ。
ミナトくんやブレトンまで裏切るとは。なんなんだ全く。
まだ昼間だってのにすごい疲れた……。
「……もしやシルティくんの抜けた穴かこれ?」
彼女がいなくなってから緊張感が一気に消滅したような。
こういう会議のまとめ役、シルティくんの仕事だったしなあ。
戦闘面での大きな穴とは思ってたけど、これは運営部分でも結構な痛手かも。
運営……。
「あれ? そういえばシルティくんって」
任務の割り振りとか、備品管理と消耗品の発注もやってもらってたっけ。
新人教育も任せてたし、合同任務での調整役もそうだった。
こういうのちゃんと引き継がなきゃ駄目だった。失敗失敗。
「……」
……そういえば戦利品とか採集物の売却関連も任せていた気がする。
月末の活動実績報告もだし、そもそも国への提出書類全部シルティくんだったし。
年末恒例の税務関係も彼女だし、というか出納関係ほぼシルティくん……。
……。
………………。
「……全部じゃねえかよッ!」
全部だよ! ほぼ全ての事務やってもらってたよそういえば!
ここ数日想像以上に大変だと思ってたけどそうだよ! シルティくんがいねえからだよ!
彼女提出の資料みて喜んだりうなったりするだけしかしてなかったよ! 馬鹿社長じゃねえか!
「ま、待て。これは冒険どころじゃない……まず事務やらせないと……いやまず僕が思い出さないと……」
二人の行く末心配するよりまずこっちの心配だった。
このまま適当に運営していたら確実に崩壊する……。
つーかシルティくんが来る前どうやってたっけ……? 確か僕とブレトンであれこれ……。
でもブレトンもう家庭持ちだからあんまり仕事振るのも……。じゃあもう僕だけだし……。
これはやっぱりみんなに仕事振らないと……。でも仕事のやり方覚えてくれるまで僕がやらなきゃだし……。
ぶっちゃけ税務に関してはもうやり方よく覚えてないし……。…………。
…………。
「……いいや酒飲も」
飲もう。なにせ今無職だし。飲むのは無職の仕事らしいし。
もうしらん。しらんったらしらん。なにもかもしらんんあ。
んんあああああんああんあんあああああんあんあんんんあ。




