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1.クレインと幹部会議

 ギルド分裂からしばらくたって。

 ようやく面倒なあれやこれやの諸問題をみんなでクリア。

 あとは正式にギルド登録をするだけって所まできたよ。


 そんな訳で、幹部を集めて最後の会議。

 最終確認をしてからすぐに申請、今日から新たなギルド誕生!

 っていう流れのはずだったんだけど……。



「……それじゃ、新生ギルド『†煌夜の(ホーリーナイト)暗黒騎士団†(ダークナイツ)』として今すぐ申請……」


「だからッ! この(変な記号)はおやめなさい糞髭ッ! なんで絶対コレ入れるんですの!?」


「前とほとんど同じじゃねえかよ! 却下だ却下ッ!」


「あ、あはは……僕も却下で……」


「うむ、考え直せ」


「なんでえ……?」



 七色と暴腕と狩人と質実による反対声明、つまり全員から。

 最後の最後でつまづき、一向に登録できずに時間が過ぎていく……。



「ちょ、ちょっとまってよみんな……何がそんなに不満なの……?」


「『†』と『煌夜』と『暗黒』と『騎士団』に不満ですわッ!」


「じゃあほぼ全部じゃん! 『の』しか残ってないじゃん!」


「ギルド名『の』の方がマシだぜマスター……」


「もういっそ『の』でいきませんこと?」


「そっちのが嫌に決まってんだろ!? 『の』マスタークレインになっちゃうじゃん!」


「全体の士気にも関わる問題だぞクレイン、慎重にいくべきだ」


「士気って……。前ギルドでもみんな頑張ってくれてたじゃん……!」


「全員ギルド名言われる度にうつむいてましたわよ……」


「そ、そうだったの……?」


「無駄に『聖』とか『暗黒』とかいうのやめてくれねえかなマスター……。俺アレすげえ嫌なんだけど……」


(ナイト)騎士(ナイト)にこだわりすぎるのもちょっと……あはは……」


「そもそも騎士団ではない」



 口を開けばわがままばっかりの幹部たち。

 文句ばっかり大きい人達が世の中を悪くしてるんだよこいつらのように。

 でも僕も大人なんで譲るよ、すっごい大人だから。大人ってえらい。



「わかったよ、わかった……。そんなに言うんならちゃんと話し合って決めるよ……」


「当たり前ですわ!」


「はい、じゃあアエラくん。早速君の案を聞かせてよ」


「あら、わたくし? そうですわね……。『銀彩亭』なんていかがかしら? シンプルかつ品があるかと思いましてよ?」


「ええ~? 銀彩亭って……なんか魚が名物の定食屋みたいじゃなァい?」


「殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺死死死死死死死死死死」


「突然の狂った殺害予告やめろ」


「銀って……シルティのイメージに引っ張られすぎだろ、もういねえんだぞ……」


「シルティさんはわたくしたちの心に永遠に……うう、シルティさん……」


「死んでるみたいじゃん……。スティキュラくんはなんかないの、案?」


「あ、お、俺か? そ、そうだな……。ゆ、『遊々座』とかどうだ? こう……なんかよくねえか?」


「座……なんか劇団っぽいねえ」


「あはは。演劇好きですもんねスティキュラさん」


「わ、悪くはねえよな? な? こう……な?」


「候補にはいれておこうかなァ……? ミナトくんはなんかある?」


「 『無敵宇宙艦隊 マンボマンボ』なんてどうです?」

















「…………」


「…………」


「…………え?」


「…………ッ。す、すみません。こ、こんなにスベるとは……あ、あはは、恥ずかしい……」


「なんで今ボケようとしたの……!? どうしたんだミナト君……!?」


「あ、そういう流れの奴か……。わりい、間違えた」


「あら、そういう流れの奴ですのね……。ごめんあそばせ」


「そういう流れの奴ではねえよ!? 真面目な会議なのッ! 名前決めなきゃギルド立ち上げできないのッ! ちゃんとやりなさいッ!」


「へーい」


「はいはい」


「す、すみません……」


「全く情けない……。ほらブレトン、範を示してあげてよみんなに」


「『糞髭危機一発』はどうだろう諸君」


「……ッブレトンンッッッ!!!!」


「めっちゃいいじゃん……糞髭ってところが」


「いいじゃありませんこと……糞髭ってところが」


「と、とてもい、いいくひひひひぃ……! くひひひはひいぃ、ひぃ、ひぃぃ……ッ!」


「一つもよく無ッ……ミナトくん笑いすぎだろ!? 今のなにがそんなにツボに入るんだよ!」


「『黒髭』と『糞髭』をかけたのだがご理解いただけたかな諸君」


「律儀にギャグの説明してんじゃねえ! 真面目に名前考えろ馬鹿どもッ!! ほら最初からッ!」


「…… 『†神聖糞髭騎士団†』


「 『無敵宇宙糞髭 クレイン』 」


「『糞マンボ髭マンボ』」


「げひひっひひひゃひゃひゃひゃああげひひゃひゃっひゃあ……ッ!」


「いい加減にしッつっ……ミナトくん笑い方結構邪悪だな!? そんな笑い方すんの君!?」


「出揃ってきたな……」


「そうですわね……」


「出揃ってねェんだよッ! 糞髭から離れろッ! いま何の時間なんだよ!?」


「間をとって『†無敵糞髭マンボ騎士 クレイン†』でいいんじゃねえかな」


「決まりましたわね、新たな通り名が……!」


「おめでとうクレイン。おめでとう」


「通り名決めてん゛ん゛ん゛んああ゛ああ゛ああ゛ああ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」


「げッひゃひゃはあっひゃははひひひひゃひゃァ……ッ!」



 終わらない悪ノリ、床を転げ回る狩人、響き渡る奇妙な笑い声。

 何故か新たな通り名が決まり、会議は翌日へ持ち越し。

 僕も入ろうかなシルティ同胞団。

 入れてくれねえかなリリデスくん。

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