9.ギルド始動!
――「冒険」から帰還し翌朝。
シルティさんから受けた薫陶をそのままに、ギルドでのお仕事が始まります。
初日以上に気合が入っております。そう、どこへだって行けるんですから。やりますよ私は!
そして本日のシルティさん。いつにもまして晴々しき陽光をいっぱいに浴び、銀なる御光を存分に振りまいております。
昨日の無邪気な表情が嘘のように、凛々しきに凛々しさを重ねて凛々しさを足したような威厳。
この凛々々々々々しい光彩を決して絶やさず、世界へ広めんがため! なにより私達のため!
胸を熱くさせるような、冒険の旅へ……。
…………。
「……え!? ……ッえ!!?」
「? どうしましたリリデ」
「シシシシルティさんッ! これ、これ見てください、これ! これッ! 投函……ッ!」
「封筒……おや」
「『依頼書在中』って! 依頼書です! お仕事のッ!!」
「……なんと」
依頼書! まさかの! 初めての依頼です!
冒険のなんたるかを少々理解してから、いきなり! いきなり!!
天啓と言わずしてなんと表現致しましょう!? 運命的な、あまりに運命的な……!
「う、嬉しいものですね! 本当に嬉しいものなんですね、こういうのって……! 依頼書……依頼書ですよシルティさん!?」
「落ち着いてくださいリリデス、嬉しいのは私もですが」
「ああ、これもカルラ……虚無からのお導き! そしてシルティさんのお導きがため! ありがとうございます、ありがとうございます……!」
「早速あけてみましょう」
「はい!」
興奮覚めやらぬまま、封を開けます。
ちょっと手が震えます。それ程に嬉しい、嬉しい依頼書!
何が書いてあるのか、どんな冒険へ私達を誘ってくれるのか。
どきどきが止まりません……!
…………!
「……!」
「……あ」
「……え」
「ああ」
「……え?」
「なるほど……」
「…………え?」
……。
…………。
……………………。
「――ということでシルティさん。あれがその……今回の依頼の……」
「巣ですね」
「……はい」
「スズメバチの」
「…………はい」
「……」
「……」
「まあ、前向きに頑張ってみますか、リリデス」
「……あ、ありがとうございます」
「いえいえ」
網。スモーク。防護服。
先より慣れた手付きのシルティさん。
ギルドに戦利品の巣が増えました。
シルティさん、どうか私をお導きください……。
2章 ギルド始動 ~終~
次章投稿開始まで少し間が空きます。
お待ちいただければ幸いです。




