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4.ギルド仕切り直し

「――やはり昨日の活動は違います。冒険者のやることではありません……」


「だ、駄目だったでしょうか……」


「駄目ではないですし立派な慈善活動ですが……やはり『冒険』したいなあ、と」


「冒険……」



 朗らかな陽光は降り注がず、妙に薄暗い事務所内。

 鈍色だったシルティさんの銀髪も、今や灰色と見紛うばかり。

 確かに昨日のは冒険ではなかったなと反省しきりです。冒険……。



「……やはり依頼を受けてみますか」


「ですが昨日、それは難しいと……」


「持ち込みは望めずとも、ならばこちらから探せばよいのです。営業をかける、広告をうって宣伝する、大手ギルドの下請けとして仕事を行う等、方法はあります」


「探す……」


「リリデスとて昔、一人で仕事を受けていたでしょう? 覚えていますよ」


「あ、あれですか。懐かしいですね……」



 ギルド加入前。

 カルランの教えに目覚め、布教する志を持ちながらも、流浪の身として困窮していた時のこと。

 最早どうにもならぬと斡旋所にて仕事をもらい、魔物相手に錆びた鉄の棒をぶんぶんと一心不乱に振り回しておりました。


 偶然遭遇したクレインさんやシルティさんに出会わなければ、ずっとずっと一人でぶんぶんとやっていたことでしょう。

 今も救済槌(リリデスハンマー)にてぶんぶんやっておりますが、過去ぶんぶんと現在ぶんぶんでは「重さ」が違います。

 己の信仰と生活。それに加え、誰かのために武器を振るうという意義。その重さが現在ぶんぶんなのです。


 今後とてシルティさんのために思う存分ぶんぶんしてやりたい所存。

 なるほど、そのためには営業。

 営業……。



「一応我々には冒険者としての実績があります。過去の依頼者に声をかけてみたり、付き合いのあったギルドにかけあってみるのもいいでしょう。例えば……」


「……あっ!」


「え?」


「そういうことでしたらありますよシルティさん! お仕事できるかもしれません!」


「……? 当てがあるのですかリリデス?」


「実は近所で困っている方がおりまして……! いずれ私が何とかしようと思ってたんですが、これをお仕事にしましょう!」


「……今度はどこを清掃するのでしょうか」


「い、いえいえ。今回は危険を伴う討伐任務となります故、『冒険』となるでしょう」


「ほう」


 討伐の二文字に、シルティさんの銀な瞳がきらりと光りました。

 やはり危険に身を近づけてこその冒険者なのですね。

 今度こそはシルティさんのお眼鏡にもかなうと自負しております。



「では早速案内してくださいリリデス」


「はい! その前にちょっと準備を――」

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