13.リリデスのギルド
再投稿部分となります、申し訳ありません。
「みんな集まったかな? 大事な要件を伝えるよー」
翌日。
クレインの招集により、全メンバーが集まった。
幹部6名、一般構成員8名。
そこに部外者が1名の、計15名。
「皆さんおはようございます……あっ、クレインさんもお久しぶりです……!」
「お久しぶりしたくなかったんだけどなあ、キミとは……」
「私はとってもお久しぶりしたかったです!」
「……まあいいよ、もう。今回の招集は、キミのことも含めてだから……」
「え?」
「実はねみんな。リリデス君のことなんだけども……。彼女の除名処分は、正式に取り消すことにしたよ」
「……え!?」
動揺の声が複数挙がる。
そんなどよめきを打ち消すような、ひときわ大きい驚きの声。
「……っ! あ、ありがとうございますクレインさん! 本当に……っ、本当にありがとうございます! 本当に嬉しい限りで……! 私、またみなさんと冒険……!」
喜びでいっぱいのリリデスを、私は直視出来なかった。
事情を知っている皆はどうだろう、そちらに顔を向けてみる。
全員、どこか後ろめたそうに、どこかを向き、どこかへ思いを馳せている。
どこか、はどこなのだろう。事実我々はどこへ向かうんだか、今や全く分からない。
「……で、彼女の再加入宣言ともう一件。『私事』で申し訳ないんだけどもね。……」
どこか、を指し示すはクレイン。
マスターとしての責任を、彼はきちんと背負った。
「ボクは今日をもって……ギルド『†冥夜の神聖騎士団†』から――脱退することにしたよ」
――たちまちにして広がる、先程以上の戸惑い。
そして改めて去来する「ギルド名ダサいな」の気持ち。
しかしそんな瑣末事などどうでもよくなる程の動揺が――いややっぱりどうでもよくはなっていないかもしれない。
やはり思いの外ダサい、私はそう思う、私は。
リリデスは動きをぴたりと止めた。意味を掴めていない、困惑している。
……彼女も「やっぱりギルド名ダサいな」だとか、「騎士団ではないだろ」だとか、頭の片隅で思ってくれているだろうか。
それぐらいの余裕があってくれればいいなと、少し願った。
「……で、私は抜けるんで次のギルドマスターを指名したい所なんだけども」
「……重ねて悪いが、俺も脱退するぜみんな」
スティキュラが続いて脱退宣言。
アエラが、ミナトが、ブレトンがそれに続く。
そして。
「……私シルティも、本ギルドからの脱退を宣言します」
一般メンバーも、事を察していた。
幹部らに続いて、次々と脱退宣言がなされる。
かくして全員がギルド離脱を表明した。ただ一人を除いて。
「え、え……。 えっ…? あ……っ。……」
一人取り残されるであろうリリデスの狼狽は、一層のものであった。
私が微かに願った心の余裕など、微塵も見えはしない。
「…………」
私達は彼女を置いて、ギルドを後にした。
一言も発することができないリリデスを。
一言も声をかけられないままに。




