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「宗教勧誘しただけなのに追放されそうです……」  作者: 頭いたお
12章 キミエラ、王都へ行く
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1.キミエラ、王都へ行く

 王都。

 人が大勢、歩いている。建物が沢山、建っている。

 私が住まう辺境とはまるで違う活気。

 初めてやってきた「世界」の中心地。



「慣れぬ」



 人混みは少々苦手だ。

 人は嫌いではない。しかし多いと困る。思考が止まりそうになる。

 一人であったら、呆然と立ち尽くしていたかもしれぬ。情けない話だ。


 だが、私には友がいる。

 小さな小さな、頼れる友。



「大丈夫! あたしがついてっからねキミちゃん!」


「うむ、心強い」



 我が友、エーリス。

 彼女との王都二人旅。

 手を繋ぎ、迷子にならぬよう。歩幅をあわせながら、歩く。



 目的は二つ。

 一つ目。エーリスの新たな「親」への挨拶。

 ミューゼ殿に頼まれた、大事な任。



「しかし驚いたな。君を養子にしたい者が現れるとは」


「ママが一番驚いてたね! 十回ぐらい確認してたもん。『冗談でしょう!?』って」


「案外酷いなミューゼ殿。確かに正気の沙汰とは思えぬが」


「キミちゃんも大概酷いよね」



 驚天動地。エーリスに養母候補が現れた。

 孤児院半壊事件以降、ほぼ全ての施設から拒絶されてきた彼女だ。

 ようやく見つけた受け入れ先からも土壇場で断られ、ミューゼ殿も半ば諦めていたようだが。

 分からぬものだ人生は。



「しかも貴族とは」


「どんな悪事を働いてやろうかなあ」


「貴族は犯罪集団じゃないぞエーリス」



 青天の霹靂。養母候補は貴人であった。

 なればエーリスも、今後は上流階級の一員。

 ――不安。それに尽きる。



「やはり、どう考えても無理だと思うのだが……」


「あたし金髪だから大丈夫! 貴族って大体パツキンだから!」


「そういうものなのだろうか」



 そういうものだと言われると、そういう気がしてくる。

 そもそもが世間知らずの身である。あれこれ考えても仕方あるまい。

 彼女の前向きさを見習い、金髪で良しとするべきかもしれぬ。よしとしよう。



「まずは挨拶より! ……やるべき事があるよねキミちゃん!」


「うむ。たのしみだ」



 二つ目の目的。

 ずばり、観光。とてもたのしみ。


 とはいえ、田舎者二人。

 歩き方も分からぬ。どこへ流れ着くか見当もつかん。導く者が必要だ。

 導く者が――。



「――あ! いたァー! キミちゃん、アレ! ッおおおーい! スティキュラぁー!!」


「よおー! 待ってたぜ二人ともォー!」



 スティキュラ殿。

 大きな大きな、頼れる友。



「久方ぶりだスティキュラ殿。なんと礼を言ってよいか……」


「キミエラとは初対面以来だな! エーリス! ちゃんと良い子にし」


「チンコパンチ!!」


「ッア゜ァ゜ア゜アあああっああっああっああああああッッッッぁ」



 私にとっては初の王都。

 快く案内を承諾してくれた事、本当にありがたい限り。

 王都観光。たのしみだ。



「ッッあぁあああっころすぞガキがあぁぁあッあぁあぁ」


「あっひひひひっひひひゃひゃっひゃ……!」



 たのしみ。


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