1.元女神、拾いました
「私ですか?元女神です。……名前?そんなのいいじゃないですか。あなたは神性が計れるのでしょう?
ちょっと待ってください。この寒空の下、放りだされたら死んでしまいます。
え?今は5月だって?
そんなこと関係ありません。女性が困っているんです。何も言わずに助けるのが筋でしょう。
男女同権とか冷たいこと言わないでください。話を聞いてください。そもそもあなたが私を助けたのでしょう?
拾ったものは最後まで面倒を見るものです。
清潔な寝床と毎日3食のおいしいご飯と私の好みにあった服、身を清めるための温かいお風呂をさし与えるのが拾った者の義務です。
あとは娯楽を提供すれば、天岩戸から出てくるがごとく私と打ち解ける権利が与えられるでしょう。
……三境会に相談?そんなの一番最初にしましたよ。
彼らは結局のところ中立公平な立場なんで役にたたないのです。
警察に相談?いや身分が示せるものがないので……やめてくださいどこに電話しようとしてるんですか!
八百万の神々を奉るのがあなたの仕事でしょう?なに司法の番人に差し出そうとしているのですか。
祭っている神は一つだって?本当に頭が固いですね。わかりました。これまでの顛末を話しますから……」
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