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封印された力

セレナとクラウドの裏庭デートおしまいです。残念。

クラウドはセレナの手を掴むと目を瞑る。


「急にどうしたの?!」


「すまない。ちょっと待ってくれ。」


セレナは驚いて手を払おうとしたがクラウドには何か考えがあるように見えたのでぐっと堪えた。でも手からこのうるさい鼓動が伝わってしまいそうだ。顔は絶対赤い。


するとクラウドの手から温かい何かが自分の手から腕の中に入ってくるのがわかった。


「わっ!」


「今私の魔力を手から送ったんだ。何か感じたかい?」


「温かい水?のようなものが体の中に吸い込まれていくような感じがしたわ。」


「感じたということは魔力持ちだよ。」


クラウドは手を離すとため息をつき、眉を下げる。


「急に手を握ってすまない。・・・って今日は謝ってばかりだな。すぐ確認したくてね。でもやっぱり魔力持ちだった。」


「でもそんなはずないわ。私は今まで魔法を使ったことは・・・」


「あるよ。」


自信を持ち発言するクラウドに驚いたセレナだが、セレナにも自信があった。


「ないわ。この学校に入学する時にチェックされたもの。」


この学校の入学時に学力テストもあるが魔法能力チェックもあるのだ。それでクラス分けが決まる。入学してからずっと魔力がない生徒達がセレナのクラスメイトだ。


「それはどんなチェックだった?」


「試験官の先生の手に手を乗せて・・・あとはその先生判断なの。」


(透視で魔力の発動確認をしたのか。)

「なるほど。じゃあ今のセレナ嬢は魔法を発現出来ないってことになる。」


クラウドはセレナに聞こえない声で囁いたあとある結論を出した。


ー封印されているのかもしれない。

 この力は気づかれない方がいい。

 封印士は誰かわからないが隠したいんだろう。


「魔力はあるのに魔法が使えないということ?」


「ご名答。理由は調べないとわからないが慎重に調べた方がいい。」


セレナは理由に見当がつかなかった。それでも自分には魔力があるとわかって嬉しく、気持ちは暗くならずにいられた。


「でもクラウド様はなぜ私が魔力持ちってことを・・・」


今日はセレナから質問ばかりする日だななんて思っていると、クラウドが微笑み手を合わせると怖い話をし出した。


「それはまた今度話すよ。それにあと1つ謝ることがあるんだ。」


『魔力がない者に魔力を送ると送られた者は死んでしまう。』


クラウドは自信があったから出来たんだと言い訳したがそれを聞いたセレナは発狂してクラウドに怒りをぶつけたのはまた別の話。


それからはたわいない話を続け、クラウドは魔力持ちだがナルシャ王国の歴史や一般教養を学びたかったために魔力なしクラスに留学していることや小さな頃に事情があって1年ほど住んでいたことを教えてくれた。


あとセレナと同じで今月成人になるため、この国の王宮で月に一度行われる成人の儀の夜会にクラウドは招待されているらしい。


「私には関係ないから行く気はなかったんだがセレナ嬢の晴れ姿が観られるなら参加しようかな?」


「冷やかしならお断りよ。」


「それは残念。私がエスコートして隣で綺麗なセレナ嬢を観たかったよ。」


冗談と分かっていてもセレナは赤くなるのだった。


❇︎❇︎❇︎


1限目の終わりを告げる鐘が鳴ったあと、2人はこれ以上はダメだなと笑い合い先生の部屋へ出向き謝った。セレナが体調悪く、クラウドが介抱していたと説明すると先生は2人の普段の態度を知っており、体調が悪かったのなら仕方ないと多めに見てくれ、課題提出のみ渡された。

教室に行き、2限目以降は真面目に授業を受けたが親友のミモザからは"朝あったことを噂で聞いたから心配すぎて1限目の授業が頭に入らなかった"と怒られる羽目になってしまった。


でもその日から例の噂は聞こえなくなっていた。


今日はどこにも寄らずに真っ直ぐに帰宅する。


父と約束の時間が迫っていた。

セレナの考えは固まっていた。


ありがとうございます。

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