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第4話 ロリ狐ンと小さな暴君

 頬を軽く叩かれた衝撃で意識が戻ると、どうやらベッドに運ばれて診察されていたらしい。

 白いローブを着た神官らしき老人が安心したように我の頬を叩いた手を引いた。

 部屋は薄暗くなっていて、どれほど意識を失っていたのかはわからない。

 神官は小太りの男に対して何か刺々しく言うと、偉そうにしていた小太り男がシュンと小さくなっていた。

 小太り男の懐からまたお金の入った布袋が出てきて、今度は捧げるように神官に差し出した。神官はそれを受け取ると、とても聖教者とは思えない黒い笑みを浮かべてそれを懐にしまい、部屋を出て行った。

 我が意識を失っていた間に何があったのかはわからないが、神官を必要とする何かの治療行為があったのだろう。記憶を辿って考えると、もしかして一度窒息死して蘇生させられたなんてことないよな──?

 上半身を起こすと、小太り男がこちらを向いて何かを怒鳴った──するとどうだろう。また首が締まるような感覚があり、そのまま上半身が勝手にベッドに倒れた。ベッドに倒れきると、首が締まる感覚はなくなり、また上半身を起こそうとすると首に締まる感覚があってから体の力が抜ける。

 小太り男の言いなりになる従順な体になってしまったとでもいうのだろうか。言葉はまだ理解できないが、何か強い意志に寝ていろと強要されている気がした。

 また小太り男が何か言うと、今度は瞼を開けていることもできなくなった。命令に従い、おとなしく瞼を閉じ、眠ることにした。ドアが開いて閉じた音がしたので部屋から出て行ったのだろう。

 すぐ後に静かにドアが開閉する音が聞こえたのだが──特にどうということもなく眠りに落ちかけていると、しばらくして体を色々と触られている感触があった。

 狐耳を撫でまわした挙句に両耳の穴に指をズボッと入れてみたり(体が思わずビクンと跳ねた)、尻尾を撫でまわした挙句に頬擦りしたり(背筋がぞわぞわした)、地平線のような胸を触られたり(特に何も感じずただくすぐったい)、M字開脚させられたり──いったい何させられてるんだ?!

 小太り男の命令に逆らうのでかなり苦しくはなったが薄目で周りを見てみると、小さな影が慌てて離れて部屋を出て行った。

 小太り男に襲われていたとばかり思っていたので少々拍子抜けしたが、もしかして奴の息子とかそういうのだろうか?

 とりあえずホッと安心したのはいいのだが、この『寝ていろ』命令を解いてはくれないのだろうか。

 膀胱との仁義なき戦いに負けそう。

 あっ──決壊した。うぅっ、トイレに行かせて……。

 臀部に広がる生暖かさに無の境地になり、唇を噛み締めながら眠りに就いた。


 翌朝、小太り男と──やはりその息子に大笑いされている羞恥プレイで顔をしかめている我がいた。

 命令を解く事を忘れたのを思い出したらしい小太り男に叩き起こされ、その時に部屋に漂うアンモニア臭と濡れたベッドでバレた。小太り男が呼んだメイドさんが来て掃除を始めた。

 我は悪くない。なので顔をしかめながらお漏らししたシーツを自分で洗わされていた。今は朝に着替えさせられたメイド服もどき(メイドではなく奴隷扱いなので)を着せられていた。

 息子を見ると、我と同じか少し幼い感じを受ける。

 体格を見る限り、昨日の夜に部屋にやってきたのはこのエロガキだ。

 強制的に横にならされて瞼を閉じさせられていたので眠っているものだと思ったのだろうが実は起きてて意識があったのでビビッて逃げたのだろう。

 小太り男は何かを言って指輪を息子に渡した。よく見ると、小太り男も同じものをしている。嫌な予感がする──もしかしてその指輪をしていると我に命令できるのでは?!

 案の定、息子は指輪を受け取ると馬鹿な命令を出した。

『その場で回りながらスカートを捲り上げろ』

 シーツを洗えという命令は解除したらしく、シーツから離れた我の手がスカートの裾に向かう。抗えずにガバッとスカートを捲り上げるとドロワーズが顕になる。

 息子は我を指さしながら笑い転げた。

 頭に幾つもの怒りマークを浮かび上がらせた我は心の中で「いつか転ばしてやる!」と誓うのであった。


 一日中息子に振り回されながらメイドもどきな仕事をさせられ、やっと一日が終わった。

 のだが。

 与えられた部屋に戻ろうとした我は息子に呼び止められ、部屋に来るように命令され、ただいまこの身全身にセクハラを受けている最中なのであった。

 狐耳も尻尾も胸も尻も一通りセクハラして満足した息子は動くなと命令したのを忘れて、そのまま眠りに就くのであった。

 我は今宵も膀胱との仁義なき戦いに敗れ、唇を噛み締めながら眠るのであった──コンチクショー‼

 一線を越えないのは幼さ故なのかも知れないが、これが毎日続くと我の貞操はアブナイ──。

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