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第23話 夢

 真っ暗などこかの部屋の中で、シュゼリアはロンにお姫様抱っこされていた。


 戸惑うシュゼリアをよそに、ロンは優しくシュゼリアに微笑みかけるとそっと、部屋のベッドの上に下ろした。


 ロンは優しい口付けをシュゼリアの頭にすると、その唇は徐々に下に降りてきて、ほっぺ、唇、首にキスされたと思ったら、いつのまにかシュゼリアの寝巻の帯がロンによって解かれていた。


 シュゼリアは驚きで目を見開いて、ロンの顔を見た。

 ロンは優しく微笑むだけで何も言わなかった。


 その唇はシュゼリアにまた降りてきてー。


「ま、待ってくれなのだ!!」

 シュゼリアはロンの行動に驚いてその体を押した。


 しかし、シュゼリアはロンの体に触ることなく、ベッドから起き上がっただけだった。


 まだ少し薄暗いが、朝のようだった。

 目の前にはロンはいなくて、自分の部屋にいることがわかった。


「ゆ、夢?」

 シュゼリアは自分がロンの夢を見ていたことに気がついて、恥ずかしくなってベットの中で足をバタバタして悶えた。


 まだ朝は早かったのでもう一度寝ようと試みたが、またあの夢を見るのかと思うと、緊張して寝付けなかった。


 結局そのままシュゼリアは起きると、昨日は入り忘れたお風呂に入って、服に着替えてリハが来るのを待つことにした。




「昨日は楽しかったみたいですね。」

 リハは、授業を終えてお茶を飲みながらシュゼリアに話しかけた。


 手にはシュゼリアが昨日買ってきたお菓子が握られていた。


「うむ。楽しかったのだ。これもお土産なのだ。私とお揃いなのだ。」

 そう言ってシュゼリアは、花柄模様のペンをリハに差し出した。


「まぁ、ありがとうございます。可愛いペンですね。番様とお揃いだなんて嬉しいですわ。…もしや、このペンはキラキラ雑貨フローラルのものではありません?」

「うぬ。確かそんなような名前が店の入り口に書いてあった気がするぞ。」

「私もあそこに時々行くんですけど、店の作りも商品も全部可愛いですよね!あら?番様がつけているネックレスももしや、フローラルの物ではありませんか?」

「うぬ。ロン殿が買ってくれたのだ。」

「まぁ〜!素敵ですわ。兎の形をしているのですね。あら?金の石がはめられてますね。陛下の瞳と同じ色ですわね。そちらは陛下が選ばれたのですか?」

「違うのだ。私が選んだのだ。ロン殿の瞳の色と同じで素敵だと思ってな。」

「あら?…そうですの。うふふふふ。」

 リハは、シュゼリアがネックレスを選んだと聞いて嬉しそうに笑った。


「他にはどこに行かれたんですか?」


「いろいろ行ったぞ。でも、印象に残ったのは、兎たくさんのご飯屋さんと、星が綺麗に見える山の王にあるテラスだな。」

「まぁ、兎のご飯屋さんでは、うさ耳をつけて写真は撮られました?私もアモンと数回行ったことあるのですが、毎回アモンが楽しそうに写真を撮ってもらって、家に飾ってるんですよ。」

「撮ったぞ。でも、見せたらダメなんだそうだ。」

「まぁ、陛下が写真に写るだけでもすごいですわ!さすが番様。陛下は昔から写真嫌いで、私とアモンは幼馴染なのですが、陛下が写ってる写真は一枚もないんですのよ。」

「そうなのか?なら貴重な写真なのだ。大事にするのだ。」

「ええ、それがいいですね。因みに写真はどちらにあるのですか?」

「ベットの横の引き出しにしまってあるぞ。」

 シュゼリアはベットの横の3段の小さな棚を指差した。


 リハは棚に目を向けて、シュゼリアの方を見た。

「その写真を少しだけお借りしてもいいですか?裏を向けて貰っていいですので。」

 リハがそう言うと、シュゼリアも裏ならいいのかと思い、引き出しの一番上を開けて、写真を取り出すと机の上に裏を向けておいた。


「そのネックレスに少しだけ触れていいですか?」

 リハがそう言うとシュゼリアは頷いた。


 リハは、ネックレスの金の石の部分と写真を手で触り、何かを囁いた。

 すると写真は消えて無くなり、ネックレスの金の石がキラリと光った。


「写真が消えたのだ!?」

 シュゼリアは驚いて写真があった机の上を触った。


「大丈夫です。ネックレスのペンダントトップの金の石の部分を触ってみてください。」

 リハにそう言われてシュゼリアは、ペンダントトップの金の石の部分に触れた。


 金の石はキラリと光って、ペンダントトップはパカリと開いた。

 するとその中に先ほどの写真が小さくなって入っていた。

「写真があったのだ!!」

 シュゼリアは驚いて、ペンダントの中に入った写真をマジマジと見た。


「ええ、そのネックレスは写真が入れられる構造になってましたので、入れてみました。お嫌でしたら、また元に戻しますが、どうですか?」

「こっちの方がいいのだ。大切なものが1つになって嬉しいのだ。これなら無くさないのだ。」

 シュゼリアは嬉しそうに何度も小さくなった写真を撫でると、ペンダントを閉じた。


「気に入っていただけたならよかったです。」

「うぬ。ありがとなのだ。」

 2人は笑いあった。

 シュゼリアはその後も街のデートの内容をたくさん話して、リハは嬉しそうにただ聞いていた。


 お茶を飲み終わる頃には、少し日が沈み始めていた。


「そうですわ。そういえば、番様に伝言を頼まれていたのでした。陛下が、今日はどうしても用事があって来られないと言ってましたの。」

「ぬ?そうなのか。それは…残念なのだ。」

 シュゼリアは、何だかんだ最近は毎日会っていたロンが来れないと聞いて少し落ち込んだ。


「街に行っていた分の仕事が溜まってるだけですよ。大丈夫ですよ。すぐに仕事を終わらせて明日にでも番様の部屋に来ますよ。」

「うぬ。ロン殿に会うのを楽しみにしているのだ。」

 リハは嬉しそうに笑うと、そろそろ帰りますと行って部屋を出て行った。


 シュゼリアはこの後の時間はいつもロンと過ごしていたので、何だか寂しい気持ちになった。


 何か小説を読もうと思ったが、気晴らしに外に行きたいと思い、一人で庭に行ってみようと思い、転移魔法を使った。

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