魔王
〜序章〜
19××年
この世界では魔王によって支配されていた。
しかし、ある日突然、小さな村の村人が力をつけ始め、激しい戦いの末、なんと魔王を倒し、世界に平和をもたらしたのだ。
その後、その村人は「勇者」と呼ばれ、崇められてきた。
この話は、それから数百年後の、勇者の子孫の話である。
2×××年
「ふわぁ、うーん、眠いでしゅ。」
ベッドから出てきたのは、目が紅く光り、身長が120センチくらいの、一糸纏わぬ姿の幼女だった。
幼女は、ベランダまで歩き、扉を開けようとすると…
「バキッ‼︎」
なんと幼女が扉を音を立てて壊したのだ。
しかし、幼女は日常茶飯事の様に扉をその辺に捨て、ベランダに出た。
すると、幼女の体がムクムクと大きく…はならないが、全身から、黒い鱗の様なものが現れ、頭から、小さく可愛らしいツノが生え、お尻から尻尾。背中から翼が生えた。
その姿は、ドラゴンのようだが、その「コスプレ」と、言った方が分かりやすいだろう。
そして、その幼女が口を開くと目の前にサッカーボールくらいの火の玉が現れ、
ベランダから見える小さな古民家に向いて放ったのだ‼︎
しかし、その古民家はなんともなかった。と言うより、その火の玉は、古民家に行くまでに消えてしまったのだ。
「ふぉっふぉっふぉっ。まだまだじゃのう。」
そこに現れたのは初老の男だった。背が高く痩せ細っていて、両腰に日本刀を一本ずつ帯刀してる。
「じいやいつのまに‼︎っていうか、五月蝿いです!まだレベル1なんだから弱くて当たり前です!」
さっきまで舌足らずな話し方だったが、火の玉を打ったせいで目が覚めたのか、しっかりと話せている。
「ふぉっふぉっふぉっ。元気がある事はいい事じゃが、【魔王様】が復活されたのじゃから、勇者がまた力を付けて、貴女様を倒しにくるじゃろう。
じゃから、先代の仇を討つために、レベル上げをするじょい!」
「言われなくてもするつもりです!」