エピローグ
初めて書かせていただきます。趣味程度なのであまり期待しないでください(汗
――燃えている
木が、家が、そして、人が―――
息ができない。のどが焼けそうだ。
それでも幼い俺は懸命に叫び続ける。
「だれか、だれかたすけてーっ!!」
しかし、辺りは一面火の海。当然周りに人がいるわけでもなく、炎が物を燃やす音にかき消される。
あぁ、俺はこんなとこで死ぬのか。でも、おとーさんとおかーさんに会えるかなぁ……
「君ぃ、そんなとこで何してるの?早く逃げないと死んじゃうよ?」
不意に頭上から声が聞こえた。
怖くて不気味だったが、この時俺は死にかけていた。そんなことを気にする余裕もなく、
「ぼく、だって……ぼくだってまだ、死にたくない……!!」
「ま、そーよねぇ。あ、そーだ。いーこと思いついちゃった!」
その声は人が死にかけているというのに実に楽しげな声で続ける。
「ねー、君!死にたくないならさ、ワタシと契約しなよ!そしたら助けてあげる」
俺は半ば諦めていたが、もし本当に生き続けることができるなら…と、残る力を振り絞って首を縦に振った。
思えばこの時、俺はこの誘いを断るべきだったのだ。
しかし、すでに後の祭り。
「うふふ、分かったわ。それじゃあ契約成立って事であなたを助けてあげる」
俺はこの時「助かった!」と浮かれていた。この契約が後の俺の人生を狂わせるとも知らずに……
頭上の何も無い空間が歪みだす。
そして歪みが収まるとそこに声の主が現れた。
腰まで届きそうな銀色の髪、血のような紅とラベンダーの花を彷彿とさせるような紫のオッドアイ、顔もかなり整っていて、身長も少し高めで、その身に纏う漆黒のドレスを胸部にある双丘が押し上げ、これでもかと主張している。そしてその美しい女の背には…ドレスと同じ漆黒の翼が生えていた。
「ワタシの名前は『アスモデウス』よろしくね、マスター」
こうして俺の人生の歯車が狂ったまま動き出した――
暇な時に更新したいと思います。読んでくださりありがとうございました!