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Dr.スターダスト  作者: 磨作
1/1

episode1:目耳で判断するべからず……

初投稿作品になります。

初心者なので何卒御理解下さいませ。




『貴方の勤務先は……………国塵(スターダスト)






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


医療の事を必死に学んでいた。

宇宙一の名医になりたくて…


配属されたのは国塵(スターダスト)という医療班。

今まで優秀な先輩達が配属して行ったのは有名中の有名場所。

しかし俺が配属された国塵(スターダスト)とは今まで俺が医学生として過ごしてきて聴いたことがない名前だった。


死に物狂いで朝から晩まで医療を学び、そのお陰で成績もトップだった。

夢としては有名場所、皐月総合病院(さつきそうごうびょういん)への配属だった。

てっきり教授達もそれを望んでおり、応援してくれていると思っていた。

それなのになんで…


配属されてしまった今では反論の言葉も届かない。

プラスに考えることしか出来ず、どこかの国の実は有名すぎて名前漏れしないように身を隠している優秀な大病院だと。


国塵(スターダスト)があるというのは有名場所の名前など聞いたことがない国の小さい街。

半日列車に揺られ、若干酔いながらも無事に目的地へ着いた。

極々普通のなんの特徴もない国。


地図に記された通り道を進み、目的地周辺にたどり着くが建物らしきものは一切見当たらない。



「一体どこなんだよ……」



厄介払いに嘘でもつかれたのかと嫌気がさしながら辺りを見回すと、森の木々たちの奥からスタイルが良く、艶やかしい黒髪のボブヘアーの美女が歩いてきた。



「おや?アンタ見かけない顔だね?どうしたんだい?」



余裕のある話し方でグッと目の前まで詰めよる。



「っ………あ、あの……国塵(スターダスト)という病院が何処にあるか知りませんか?」



見かけない顔だと言うからにはこの街に長らく暮らす人だと思い、思い切って聞いてみた。

するとその女性は一瞬目を見開き固まるとスグに腹を抱えて笑い出した。



「あぁ、悪い悪いッ…あぁ〜…久しぶりにこんなに笑ったよ。

まさかアンタが新入りとはねぇ、連れてってやるよ」



そう言うとその女性は俺の腕を掴んでピンク色の宝石の様な石のついた腕時計のフレームを右回しに1㌢程回す。

それがカチッと音を鳴らすと身体を包み込むように上から光が差し、それと同時に俺達は宙に浮く。


無重力状態になり、段々に上に押し上げられると、驚くことに上には巨大な飛行物体が姿を現し、自分たちが近づいていくのに合わせてパックリと口を開けた。


その中に吸い込まれるように入っていくと、中はかなり広い高級ホテルの廊下のようになっていた。

状況をイマイチ理解出来ずにいる俺をその女性は腕を引いてグングンと奥へ引っ張っていく。


少し歩くと、大きな扉がありその扉が開かれるとこれまた高級ホテルの大広間の様な豪華絢爛な空間が広がっていた。



「そこのソファーにでも座ってな、今 (ほろ)を呼んでやる」



その女性は俺をソファーに座らせると先程使った腕時計のフレームを1周なぞる。

その時計から放たれる微粒の光は空中をスクリーンにするように1人の男の顔写真と通信という文字が表示された。


通信という文字が接続に変わると、1本の線が通信相手の声に合わせて心電図の様に動く。



「はいは〜い」



気の抜けたような声で返事をする(ほろ)と呼ばれる男性。

大広間に来るようにと要件だけ伝えて通信を切断する。



「自己紹介が遅れたね、アタシは(せつ)

アンタが思ってるような仕事としては麻酔医をしてる…まぁ、色々引っかかる点はあると思うがそこはきっと殲が説明してくれるさ」



ニコッと口角を上げて笑い、腰に手を当てる(せつ)

(せつ)の自己紹介が終わるとスグに一つの扉が音を立てて開き、そこには先ほどの顔写真と同じく、黒髪で顔立ちの整った高身長で眼鏡をかけた男性が立っていた。

ニコニコと貼り付けたような笑みを浮かべる男性は他とは違う何かのオーラが漂っていた。



「君が新入り君かな?私はここの医師、司令官でもある(ほろ)

そして君が今自身で認識している自身の名前はもう必要無い、今から君の名前は(りつ)だ」



(ほろ)の言葉に思わず"は?"と言う声が漏れてしまった。



「…まぁ、初めは受け入れ難い事だね。

まず説明するとここは表向きには高学医療の病院ということになっているが、本来の仕事は特殊犯罪の依頼捜査、及び取り締まりだ。

ここにいるメンバーは生きているが生きていない。

戸籍も何も無い、危険故にここに来た時点で抹消される。

だから君の名前も私が決めさせてもらった。



…………君は選ばれたのだよ」



意味がわからない。

戸籍の抹消?なんの話だ?

なんの手続きもしてないぞ。


殲はそんな俺の疑心を一瞬にして信心に変えた。

目の前に出された書類…

そこには俺の名前と医大を卒業した日時に病死したと記されていた。

紛れもなく正しい書類のコピー。



「ど………ういう……こと……だ…」



正直戸籍の抹消はどうでも良い。

既に身よりもないからだ。

しかし表向きには病院でも本来の仕事は特殊犯罪の依頼捜査?取り締まり…?


俺は名医になるために医学を学んだんだぞ…!

医学に何の関係もない仕事に付けられるとはどういう事だ…っ



「アンタ、狂人形(サイコパスドール)って知ってるかい?

まぁ、知ってても知らなくても良い、これから嫌でも知ることになるからね。

アタシ達は世間一般的な病以外にも精神病から発症する狂人形(サイコパスドール)、簡単に言えば異能力を抑えるたり治せるものは治したり…

そういう事もしてるんだよ、それをするには捜査や取り締まりが必要なんだ」


「その為に作られたのがここ、国塵(スターダスト)

中には狂人形(サイコパスドール)を悪用する組織も存在する。

今のうちに頭に入れておいて欲しい一つの組織の名前は狂肉曲芸(サーカス)

彼らは凶悪犯罪組織であり狂人形(サイコパスドール)を悪用する非道な組織でもあるのだよ。

今すぐこんな所出ていきたいと思っているかもしれない…でもね、これは私からの一つのお願いとして聞いてほしい。

君の力が必要なのだよ」



(せつ)(ほろ)は真剣な眼差しで俺に訴えかける。

真剣さが伝わってくる。

なぜなら先程まで笑っていた顔が今では口角も僅かにも上がっていないからだ。



「俺に何が出来るって言うんだ…そんな異能力もないのに」



もちろん俺には異能力は無い。

そのはずだ。

そんな特殊能力があれば俺は医療の道になんて進んでいないはず…



「気づいていないだけで君は狂人形(サイコパスドール)を発症している。

自信の無い範囲のはずなのに何故かテストで答えがスラスラかけたことは?

何故か失くしたハズの物をある日突然探そうと思いつきパッと見つけられた事は?」



今言われたことには確かに覚えがあった。

少し前から感の良い人間だと言われることが多くなったと思っていたけど…

自信がなくてもテストで答えが書けたのは俺が必死に勉強したからで失くしたものが見つけられたのはホントたまたま…

じゃないのかよ…



「ただ君はそれを自身で操れていないだけ。

ここで過ごしていけばうまく向き合っていけるはずだよ。


……君の能力は千里眼。推理瞳(インフォメーション)とでも名付けておこうか」



また(ほろ)ははじめと同じように笑う。

しかし(ほろ)はこの道で何年も活動してきたプロ。

これがもし診断なのであれば彼の言っていることは間違ってはいないだろう。

もう受け入れるしかなかった。



「俺は…これからどうすれば良いですか」



落ち込みつつも受け入れようと口を開く。

すると(ほろ)はとにかくまずは自分達の仕事を見ていれば良いと俺を落ち着かせるように言った。



「あの…トイレは何処です?お借りしても?」



とりあえず自分の中で踏ん切りをつけるためにも一人になりたかった。



「何を水臭いこと言ってんだい!ここはもうアンタの家なんだ、好きに使いなよ。


そこを出て右にずっと行くと突き当たるからそこを左、そうすれば見えてくるよ」



(せつ)にお礼を告げ、大広間を出る。

言われた通り右へ進むと(せつ)が言っていた通り突き当たった。

左へ行こうと左足を前へ踏み出した時、右側からギシッギシッという何かが軋む音が聞こえた。

それが何かわ分からないが酷く悪い予感がして俺の行先は自然と右へと変わった。


その音は一つの部屋の中から聞こえていた。

扉に耳を付けて確認しても人の声などは聞こえない。

しかし若干の人の気配はする…

恐る恐る扉を開けてみると目の前には人間の足。


それはゆらゆらと前後左右どちらか分からない程僅かに揺れていた。

その足を辿るように上に視線を移すと腕や首に多数の傷跡がある髪の根元だけ白に近いクリーム色でほぼ全体が赤みの強い茶髪でそれを後ろで結った真っ白い肌の男性…と言うより男子?…女子…?が首にロープを括り、ぶら下がっていた。

ギシッという音はどうやらこのロープの繋げられている鴨居の様な物が軋む音だったらしい。



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーッ!!!!」



思わず叫び声を上げて腰を抜かしてしまった。

このままでは彼は死んでしまう。

咄嗟にそう思った俺は足に力が入るのを確認してぶら下がる人物の身体を持ち上げた。

しかし天井が高すぎて持ち上げても多少しか持ち上がらない。

どうしようかと辺りを見回していると、俺の叫び声を聞きつけた(ほろ)(せつ)が走ってきた。



「ハァ……またかい」


(りつ)、少し離れて」



(ほろ)がぶら下がる人物を持ち上げると、(せつ)が飛び上がり片手でぶら下がると、首に繋がるロープをサバイバルナイフの様な物で切る。



(みつ)(みつ)…ほら、しっかりしなよ」



(ほろ)は力なくクタッとする頭を気道を確保するように支え、頬を数回叩いた。

すると薄らと目を開けて目で辺りを見回したあと(ほろ)を見る。



「ぇ………また…助けたの……?

……………………チェッ……」



舌打ち?!

助けられて舌打ち?!

ま、まぁ首吊りしてたんだ…死に損なったから機嫌が悪いのか。

声を聞けばやはり男子の様だ。

幸いにも気づいたのが早かったのかスグに意識もハッキリし、体への負担も無かったようだ。

先に大広間に到着した俺と(せつ)の元へしばらくしてから戻ってきた(ほろ)と先程の少年。

首に先程までくっきりと残っていた痣は嘘のように消えていた。



「あれ…首の痣……」



俺がそう言うと(ほろ)は少年を羽交い締めにして微笑む。



「その隠す癖やめなって何度も言っているじゃないかぁ〜♪」



(ほろ)がそう言うと薄い水色…無色に近い色の光を放つ円状の帯のような物が少年を包み込むように現れ、それが弾けるように消えるとスグに少年の首には先ほどの痣が現れ、更に手首などにも切り傷や縫った痕が多く見られた。



「君…その傷………大丈夫?首の傷も目立っちゃうね…

(ほろ)さん、(せつ)さん、包帯か何かありませんか?」



俺が傷や痣を気にして話しかけると離された少年は俺の胸ぐらをいきなり掴んで来た。



「あれ〜?君さァ〜、(ほろ)(せつ)には敬語でなァ〜んで俺にはそんな馴れ馴れしいわけェ?」



長いまつげを僅かに伏せながら妖艶な瞳で俺の目を見る。

ここには美男美女しかいないのか…俺は場違いじゃ…

そんな事まで頭をよぎる。



「ぇ…年齢的な問題…かな……

少なくとも俺よりは年下だし……

ぁ、でも俺よりも前からここにいたんだから失礼ですね、すみません。」



その言葉を聞いた途端少年はさらに腹を立てたように胸ぐらを掴む腕に力を込めて俺を睨んだ。



「誰が年下だ!!!俺は(ほろ)と同い年だ!!!!

少なくとも君よりは年上だよ!!!!

人を見た目で判断しなさんなよ?」



え………?

もう1度上から下までじっくりと見るが身長は160センチほど、俺が今年で二十歳だ…どう考えても10代にしか見えない。

俺の反応を見て(ほろ)(せつ)は少年に追い打ちをかけるように腹を抱えて笑う。



(りつ)、彼は(みつ)(みつ)の言っていることは本当だよ、私と同じ22だ、今年で23……

………身長は低いけど」



笑いながら(ほろ)がそう言うと(みつ)(ほろ)に視線を移し、笑うなと怒号を上げた。

こんなにも童顔な人が本当に存在するとは思わなかった。

先ほどまでの発言を撤回し、謝ると(みつ)は若干不機嫌そうにも許してくれた。



「あぁ〜それと、ここに来たからには(ほろ)さ〜んとか(せつ)さ〜んとか無しだよ?

普通に呼び捨て!礼儀とかなんとかめんどくさいからねェ〜」



呑気にもノロノロと話す。

一応こくっと頷き、承諾する。

それにしても不思議な人ばかりだ…態度、、、と言うよりオーラが。

先ほど首吊りをしていたとは思えない。

それに(せつ)の言った"またか"と言う言葉も気になる。



「一応説明しておくよ、(せつ)は身体醜形恐怖症によって狂人形(サイコパスドール)を発症した。

異能型は戦闘、触れずとも相手の形姿を変えることが出来る…例えば関節を反対側に折るとかね☆


(みつ)は重度の統合失調症から鬱症状が現れ、希死念慮が生まれた…異能型は擬態と戦闘の二種持ち。

一つは一度認識した人物の容姿、声色など全てそのものに擬態出来る物、もう片方は人肉喰(カニバリズム)の様なもので自分にあった血液形態を持つ者の血を摂取することで身体能力が一時的に爆発的に上がる。

二種持ちって言うのはかなり希少で…(みつ)の場合は狂人形(サイコパスドール)が発症した後も自殺未遂を辞めていない事が原因でもう一つの異能が生まれたのだよ」



聞いたこともない話だがこれから自分が生きていく中で必要な知識だと判断した為、とにかく今 (ほろ)が言ったことをまるまるメモ帳に書いた。



「そして私、私はどうやら精神分裂症らしいのだよ。

今度紹介してあげるけど私の部屋にいるその友達と話しているのがおかしいらしい…

それによって引き起こされた狂人形(サイコパスドール)は異能無効化。

触れなくても相手の異能範囲内に居れば無効化できる。

今は(みつ)が私の相棒だよ、手のかかる相棒で困っているのだよ…助けてくれないかぃ?(りつ)


「ちょっと!!それどぉゆぅことさ! まるで俺がお荷物みたいな言い方じゃん!!!!」


「うそうそ、冗談だよ、そうカッカしないでくれたまえよ〜」



そんな2人のやり取りを見ていて俺は思わず吹き出してしまった。

キョトンとこちらを見る2人。



「あ、いや…皆仲良いんだなぁって…」



頭を掻きながら言った。

すると(せつ)が俺の頭に手をポンッと乗せて乱雑に撫でる。



「わっ!?ちょッ…」


「そりゃそうさ、家族なんだからね!

アンタもこれからはアタシ達の家族だ、途中で嫌だと逃げ出そうったってもぉ遅いからね!覚悟しときな?(りつ)



ニッと笑って(せつ)は言った。

丸みを帯びた言葉に俺からは自然と笑みがこぼれた。

こんなこと言われたのいつぶりだろうか…

とても温かいところに来たんだと実感した瞬間だった。



「さて、(りつ)が来ての初仕事だ!


初めの仕事は…………





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



to be continued......



最後まで読んでくださりありがとうございます!

次話も投稿いたしますので見てくださる方はお気に入り登録、アドバイスなど頂けると喜びます°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

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