第九章 複雑な気持ち
鳥が鳴いていて
太陽は明るい
でも私の気持ちは曇っている
何もかもうまくいかない
私は何となくキャリーと仲直りができた。でも、大きな犠牲を払った。その犠牲は潤である…
私は土曜日の朝に自分の部屋にいた。天気のいい日で、私はテニスや水泳に行きたかったが、キャリーとクリスティーナのことを考えてみじめさを感じることしかできなかった。キャリーは私を置き去りにし、私を裏切った。もう彼女とは話したくない。私は新しい友達を作れるかな。やってみることはできるけど、うまくいかないかもしれない。私がどうやったら友達を作れるか考えていたら、キャリーから私の携帯電話に電話がかかってきた。電話に出るまで五秒ぐらい考えた。
「アイリーン?」
キャリーの声を聞くと怒りがわいてきた。「何?」と冷たく答えた。
「ごめんね、アイリーン。昨日のこと。一人で食べているのを見て。」
私の頬は熱くなった。キャリーとクリスティーナが、私が一人で食べているのを見たんだ。そして、私に申し訳なく思ったんだ。なんて不愉快な。「それだけ?」私は少し怒り口調で言った。「私は忙しいし、こんなこと聞くより―」
「いや、聞いて。私は自分がしたことをとてもとても悪く思っているの。私はただ、あなたが私に何も言わずに友達を作ったことに対して怒ってたのよ。突然過ぎて、ちょっとそれで怒りを感じちゃって、まぁ…」
私の怒りは溶けた。もしかしたらキャリーは私がソフィアと仲良くなった時、私がキャリーとクリスティーナが仲良くなった時に感じたのと同じものを感じたのかもしれない:寂しさ。それに、私は長く人に怒っていることはできない。
「いいわよ。」私は優しく言った。「私もごめんね。」
「許してもらえて嬉しいわ。そういえば、私、あなたにずっと言いたかった素晴らしいニュースがあるのよ!」
「何?」
「私、潤をダンスに誘ったの!」
「えっ!?」私は思わず叫んだ。
今日から1週間後にダンスパーティーがある。私は潤を誘うかどうか迷っていた。彼を誘ったらキャリーが傷つくだろうと思っていた。一方、彼を誘わなかったら、きっと後悔する。そして今、私は親友が彼をもう誘ったと聞いたのである。
「とても楽しみなの。」キャリーは私のショックに気づかずに言い続けた。「何を着ようかしら。デパートに一緒に行って選ぶの手伝ってくれる?あなたの方がずっとセンスいいし。」
私は泣くのをこらえた。自分のせいよ、と私は自分の気持ちを落ち着かせようとした。もっと前にキャリーに自分の気持ちを言うべきだった。今はいい友達でいなきゃ。
「分かった。」私は断れず小さな声で言った。断る言い訳も見つからなかったし。
「ところでアイリーンは…誰かダンスに誘ったりした?」
私は苛立ちで叫びたい気分だった。「いいえ。」私は多少ひがみっぽく言った。
「あ、私またうるさかったわね。許して、私そんなつもりじゃなかったの。ただ興奮しちゃってて。こんなこと生まれて初めてだから、すぐ調子に乗っちゃうの。全部クリスティーナのアイディアだったのよ!彼女が私に潤を誘うように励ましてくれたの。彼女って素晴らしいわよね?」
キャリーの言葉は私の心に乱暴に突き刺さった。携帯電話を落としそうになるぐらいった。「あの、私ちょっと行かなきゃ。」私は震えた声で言った。
「分かった、それじゃあね。」キャリーは嬉しそうな声で言った。「聞いてくれてありがとう。また、月曜日にね。」
私は電話を切った。その瞬間、涙が目からあふれた。トイレに行って顔を洗った。トイレの鏡に映った自分の顔を見て、ひどい顔をしているのに気づき、また涙が止まらなくなった。
どうしてだろう。キャリーと仲直りして一瞬嬉しくなって、次の瞬間こんなに悲しくなってしまうなんて。「すべては複雑すぎる。」と私は声に出して言った。
なんで物事は私にとっていいように進まないんだろう?なぜ私はみんなのように普通に、簡単に生きることができないのだろう?なぜ雲は、太陽が輝いたと思った瞬間に、太陽を覆ってしまうんだろう?