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難多き青春  作者: レモン
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第六章 愛

愛は自分の中で燃えるもの

何の説明もなく突然恋に落ちる

嬉しくなる、悲しくなる

救済を求めるようになる


 一目惚れというわけではなかった。初めは、彼のことが好きだと気づかなかった。普通の男の子だと思っていた。しかし、今は彼のことで頭がいっぱいである。毎日、毎晩、すべての時間彼だけのことを想っている。まぁそれは大げさかもしれないけど、本当に彼が好きなのだ。

 そういえば最後に詩を書いた時からまた一か月が経つ。一か月で色んなことが起きた。私はバスケ部の男の子のことが好きになった。彼は一番うまい。名前は竹田潤で、日本から来ている。3歳の時に父の転勤でアメリカに引っ越した。彼は私の学年で最も背が高く(かつカッコイイ)男の子である。まっすぐな黒髪と黒い目。笑うと両頬にえくぼができる。私はすごく恋におちてしまった。

 でも、これには問題がある。大きな重要な問題。キャリーも同じ子が好きなのだ。しかも、彼女の方が先に好きになった。キャリーはシャイだから、彼の近くに行く時私にもついてくるようにお願いしていた。彼女が彼の話をする時、私はゆっくり聞いてあげていた。そうしたら、自分まで彼のことが好きになってしまったの。それってひどいことだよね?そして私はまだ誰にも潤のことが好きだと打ち明けていない。

 私はキャリーに本当のことを言わなければいけないことは分かっている。でも勇気がない。最近、キャリーとの関係が危なっかしくなってきたから。彼女が私と友達でいたくないって思ったらどうしよう?キャリーを失いたくない。でも潤への気持ちも否定できない…


 「私もう少しおしゃべり上手だったら良かったのになあ。」とキャリーはサラダを見ながら言った。彼女は20分間まだ何も食べていない。「ソフィアみたいに。」

 私は、いつも通り、たくさんの人に囲まれている女の子の方を見た。ソフィアは学校で一番の人気者だ。私も彼女のようになりたい。一分でもいいから、ソフィアになってみたい。

 「私も。」と私は言った。

 キャリーはフライドポテトに無意識にイタリアンドレッシングを注いだ。気持ち悪っ!

 「この前、潤に話そうと思ったけど、何も言うことが思いつかなかったの。まるで、私の頭がスポンジでできているかのようだったわ。」キャリーはそう言いながら、そのフライドポテトを食べた。

 私は唾を飲み込んだ。その話題が出てこないことを祈っていたのに…

 「あー…恋をしているとそうなるのかしら。」私はそう答えて、会話がこれ以上続かないことを願った。

 キャリーは赤面し、フライドポテトの一部が彼女の皿の上に落ちた。彼女はそれを拾い、口の中に入れた。そして、彼女は私を見て言った。「ところでアイリーンって…誰か好きな男の子とかいるの?」

 私の心は動揺した。「い、いないよ。」私はキャリーの目を見ずに、声を震わせて言った。

 「本当に?赤面しているわよ、アイリーン。」キャリーはからかうように言った。

 「きっと暑いからだわ。この食堂、なんか暑くない?どうしてエアコンつけないのかしら。暑さで食べ物も腐っちゃうわ。」

 「いいじゃん、アイリーン。私たち親友なんだから。誰か教えてよ。」

 「誰もいないよ。」私は若干イラついた声で言った。「だからもうやめて。」

 キャリーは私の突然の怒りに驚いたようであった。「なんかうるさくしちゃってたらごめんね、アイリーン。」

 「いいえ、私こそごめんなさい。怒ってしまって。」

 「怒っていいのよ。」キャリーは言った。「ねぇ、アイリーン、私たちがたとえ恋に落ちたとしても、私とアイリーンの関係は変わらないからね。私たち、ずっと親友だからね?」

 「もちろん。」私は答えた。キャリーの誠実さが私の心に痛く響いた。彼女は私がどれだけ不誠実か知らない。


 私はジムに向かう時、足に力が入らない感じがした。バスケットボールチームが練習している間、ベンチに座っていた。他にもベンチに座っている人はいた。ほとんどがチームの男子の彼女だった。

 「バスケ好きなの?」男性の声がした。

 一瞬、潤かと思った。私は振り向くと、ケビンが立っていた。私はガッカリしてしまった。

 「うん、まあね。」私は答えた。

 「僕は昔バスケットボールが大好きだったんだ。」ケビンは言った。

 私は頷いた。何となくケビンが早く行ってくれないかなと思った。私は集中しているのだ―私の目はコートの中にいる潤を探していた。

 「チームに所属していたこともあった。」

 私は探すのをやめて、驚いて彼を見た。「本当に?」

 「うん。アイリーンが学校に来る直前ぐらいまで。」

 「どうしてチームをやめたの?」私は聞いた。

 「それは…」彼は目をそらした。「いや、特に理由はない。ちょっと飽きちゃったみたいで。」

 「そう。」私は潤を探すことを再開した。

 その時、彼は3点のショットを入れた。私は喜びとプライドで歓声を上げた。そして、ケビンが隣に座っていることを思い出し、赤面した。「今のすごくない?」私はそう言いながら振り向いたら、ケビンはもういなくなっていた。


 あのケビンは最近少しおかしい。もしかして私のこと好きなの?それでジムまで私についてきたの?私が潤を応援しているのを見て、嫉妬したのかしら?私は少し希望を抱いた。誰であろうと、好きになってくれる人がいることは嬉しいこと。でも、もしかしたら私の勘違いかもしれない。自意識過剰になる傾向が私にはあるから。まあ、ケビンのことは忘れよう。私はキャリーとのこじれてきた友情にもっと集中しなければ。

 彼女に対して正直にならないととは思うけど、一方では何も告白せずに済ましたい気持ちもあった。私が無意味な感情をいつも通り隠せば、物事はうまくいくのに。でも、今回は難しいかも。なぜなら、私は彼に対し、とても情熱を感じているからである。

 私はキャリーと自分の間の違いに気づいた:キャリーは外向的で私は内向的だ。私はキャリーがどう感じているか分かるけど、キャリーは私の気持ちを知らない。私はキャリーがどういったことで傷つくか知っているけど、キャリーは私がどういったことで傷つくかは知らない。

 これが、キャリーといる時にいつも気まずくなる原因だと思う。どうするの?この質問がいつも私の頭から離れない。

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