ご主人様とシューベルト様
ご主人様は、今日はなんだか不機嫌。
いつはゆっくり私を撫でるスピードが、
もはや高速になっていて、少し熱いです。
ちなみにお顔はそれはそれは魔王のような…いえ氷点下に達した…うーん。相変わらず威厳のある素敵な表情を浮かべておられます。
そんな、ご主人様の向かい側には
私を助けてくださったシューベルト様。
ご主人様、少しだけその睨みを
抑えて頂けませんか?
シューベルト様が尋常ではない程
震えておられます。
なんだか、私にまで揺れが伝わります。
仕方がありませんね。
ここは私が一鳴きして、
場を収めましょう。
みゃぁー。
ガルルルルルルルルッ
お?ちょ、ちょっと
ご主人様ストップして下さい!
顔に、キスの嵐を降らせるのは
如何なものかとぉぉぉぉぉぉ!!!
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シューベルトside
今日は、久しぶりに可愛いアリーナちゃんの様子を見に来たんだが…。
……この腐れ魔王!!!!!
本来ならば、僕がアリーナちゃんを引き取るはずだったのに!権力にモノを言わせやがって!!アリーナちゃん、逃げるんだァァ!
…アリーナちゃんの尻尾可愛いなぁ。
ヒィィィィィ!!!!!!
魔王が、見てる!
しかも、魔王の後ろで騎士団がこちらに向けて剣を振り回している!!!
侍女長も、猿の種族な為か、
顎を突き出して威嚇!!!
なんだここは、テーマパークか!
兎の本能さながら強者には
素直に身体が震えてしまう。
くううううぅ!!アリーナちゃんにみっともないところを見せられないいぃ!
心中で葛藤していたその時
みゃあー
天使の鳴き声が聞こえた。
アリーナちゃん…天使すぎる!!
天然アリーナちゃんは、
城のみんなに愛されております。
アリーナちゃん!魔王から逃げてぇぇ