はじめはどうしたって捻り出すしかない
物語の作り方に関して。
やり方は人により十人十色、千差万別だ。
とはいえ、ある程度システマティックに物語を作成するメソッドがあるようだ。
それでも一番最初のトリガとなる部分は、精神から捻り出し、天から降りてくるを待つ以外に方法はない。
数をこなせば慣れてくるんだろうけどね。
アイデア出しで問題なのは、出てきたアイデアに正解も間違いもないということだ。
道が二手に分かれていたら、右に行こうと左に行こうと、その続きを考えることはできる。
ところが、作者としては、なぜか出てきたアイデアにしっくりこないことがある。
(前述の通り、しっくりこなくても、そのアイデアで物語をつくることができるのに……)
しっくりこないと、執筆のモチベーションが沸かない。そこでしっくりくるアイデアが沸くまで、頭をひねり続けることになる。
プロの作家はどうなんだろう。
しっくりくるかどうかは作家の自己満足で、そこに時間を書けるぐらいなら、決め打ちで執筆を続けるんじゃないだろうか?
それができるのがプロという気がする。
さて……、エッセイ風の現実逃避は終わりにして、アイデア出しだ。
(以下、ぼーっと考えたので、厳密さはない)
ファンタジー、異世界、剣と魔法、冒険者……。そういえば、冒険者って頭おかしいよね。
戦闘行為を主とした職業でも軍人とは異なる。軍人は家族や友人、故郷を守るために戦う。
ところが冒険者は生活費を稼ぐために戦う。いや、生活費を稼ぐために戦ってるのは軍人も同じだ。
ということは冒険者には戦闘という行為だけがあって、軍人における「家族や友人、故郷を守るため」というような戦うための大儀がないんだ……。
生きていくために、命を掛けるなんて本末転倒もいいところだ。
今日の命と天秤に掛けられるのは、軽くなった明日の命。それを繰り返すことで命を擦り減らし続けている。
冒険者生活なんて遠回りな自殺みたいなもので、みんなどこか壊れている……。
あー、なんかいいな、これ。
思い出したのが、「ブラックラグーン」(広江礼威)
あれも、登場キャラは主人公のロックも含めてどこか壊れていた。
よし、決めた。とっかかりは「死にたがりの冒険者」だ。
死にたがりといっても、暗い感じではなくて能天気な感じがいい。
無駄死にではなく、しかるべきときにしかるべき敵と全力で戦って死んでいく。
もちろん、いろいろなしがらみがあってそれはできないけど、そこに憧れる冒険者だ。
「あー、世界を救って、死にたいわー」
とっかかりができたので、ここからは心じゃなくて頭も使う。
(いや、実際はここまでアイデア出すのにめっちゃ時間かかってるんだけどね)
参考にするのは「シナリオの方程式」(江本あやえもん)
「シナリオの方程式」によると、
・「物語とは、ある一つまたは複数の問題を解決する一連の過程である」
・「テーマとは問題である」
だそうです。次回は「死にたがりの冒険者」をキーワードをもとにテーマ・プロットを考えていく。