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第三幕の対立構造


 前回、キャラの名づけを行った。今までは主人公、シャドウという書き方をしていたが、これからは名前で呼ぶことにする。


 前回までで、第二幕の対立構造の構築を行った。

 とはいえ、第一幕と第二幕が繋がっていない気がするので、若干補足しておこう。


 第一幕では、開拓地フイタルミナスに設立された冒険者協会に閉鎖が通達され、支部長である主人公アランが協会の建て直しに動くことを決める。


 第二幕ではアランとシャドウのレオが対立することになるのだけど、アランとレオの対立が冒険者協会に閉鎖問題と繋がってないことに気が付いた。


 そこでもうちょっと付け足す。

 第二幕では、冒険者協会に様々な邪魔が入ったり、トラブルが起こったりする。

 アランが事態に対処していくうちに、様々な問題は(単なる冒険者協会の問題ではなく)フイタルミナスに対する攻撃であることが判明する。

 攻撃を行っているのはレオが指揮する組織。レオの目的は旧世紀の遺跡の秘宝を奪取することにあった。そのためにフイタルミナス開拓プロジェクトを廃止させようと企んでいる。冒険者協会の閉鎖はその一環である。


 レオの組織とフイタルミナスの全面戦争が起きる。


 レオの組織とフイタルミナスの戦争の中で、メインテーマであるアランの「死にたがり」問題を解決させる。

 第二幕の結果として、フイタルミナスが勝利し、フイタルミナスの開拓と冒険者協会の存続が決まる。

 これが第二幕だ。


 それでは第三幕の対立構造を作っていこう。

 第三幕の対立構造は「スペシャルワールドから出るかどうかの対立」となる。


 「シナリオの方程式」(江本あやえもん)から引用する。


「第三幕の対立は、「スペシャルワールドから出るかどうかの対立」になります。第一幕でスペシャルワールドに入り、第二幕でテーマ(問題)を解決しました。問題そのものは解決しましたが、まだ問題解決のスペシャルワールドにいることは終わっていません。主人公は旅を終えて、問題がなくなった日常に戻る過程が必要になります。その際に対立関係が生じます。」


 例を挙げよう。

 指輪物語では、滅びの山の亀裂で一つの指輪を破壊した後、フロドとサムはホビット庄に戻る。

 これでスペシャルワールドから日常に戻れると思いきや、そうはいかない。

 フロドがホビット庄に戻ると、袋小路屋敷がサルマンに乗っ取られており、ホビット庄からサルマンを追放するという一幕がある。

 とまあ、こんな感じでメインテーマ解決の後に、さらに解決しないといけない問題がある。


 第三幕の対立の方程式は以下の通り。

------------------------------------

***********************

ヒーロー:「(2-x)ヒーローである対象」が

「(3-3b)スペシャルワールドへの態度:(出る/出ない)」ことで

「(3-3A:S/M)ヒーローの長所」

 │

 対立

 │

「(3-3B:S/M)ヒーローの犠牲」

***********************

        │

        対立─「(3-3t)トリガー」─「(3-3c:S/M)スペシャルワードとの別れ」

        │

***********************

シャドウ:「(3-3y)シャドウである対象」

***********************

------------------------------------


 再び「方程式」から引用する。


「要領は第一幕の対立関係とほとんど同じです。スペシャルワールドに「入る」という形が「出る」という形に変わっただけです。

「(3-3y)シャドウである対象」は、第三幕でのシャドウになります。スペシャルワールドから出るのを阻止しようとする存在です。それは第二幕で悪巧みの野望を打ち砕かれたシャドウによるものかもしれませんし、別れを惜しむ仲間であるかもしれません。これは、物語における「スペシャルワールドそのもの」と言ってもいいでしょう。スペシャルワールドの象徴であるものが、ヒーローを引き留めます。」


 第二幕で解決するのは、冒険者協会の閉鎖問題と主人公の「死にたがり」問題だ。

 まだ解決していない問題が2つある。「アランとレオの因縁」、それから「一族の悲願である使命」だ。第三幕はこれを扱うことにする。


 先に方程式を示して、その後解説しよう。

------------------------------------

●象徴の対立

***********************

ヒーロー:「(2-x)アラン」が

「(3-3b)冒険者協会閉鎖騒動から出る」ことで

「(3-3A:S)支部長として協会を守る立場になる」

 │

 対立

 │

「(3-3B:S)一冒険者として好き勝手に動けなくなる」

***********************

        │

        対立─「(3-3t)レオとの対決の中で

        │  使命を果たす方法が判明する」─「(3-3c:S)支部長を続ける」

        │

***********************

シャドウ:「(3-1y)レオ」

***********************


●心の対立

***********************

ヒーロー:「(2-x)アラン」が

「(3-3b)冒険者協会閉鎖騒動から出る」ことで

「(3-3A:M)仲間を守るという望みがかなう」

 │

 対立

 │

「(3-3B:M)使命を果たすという望みが遠ざかる」

***********************

        │

        対立─「(3-3t)略」 ─「(3-3c:S)仲間を守る望みを優先にする」

        │

        │

        │

***********************

シャドウ:「(3-1y)レオ」

***********************

------------------------------------


 第二幕で冒険者協会の存続が決まる。しかし、アランとレオの因縁が残っている。

 アランにとって、レオは唯一残った同族であり、一族の仇でもある。

 レオにとっては、アランは魔王の立場を簒奪した人間である。

 結局最後はガチンコ対決になるだろう。


 冒険者協会の存続が決まったことで、アランには二つの選択肢がある。支部長を続けるか、支部長を止め・使命を果たす方法を探すために支部長を辞めるかだ。

 このレオとの最終決戦の中で、使命の解決策が提示されるようにする。そして、アランは支部長を続けることを決意する。


 おおざっぱだが、対立関係はできた。


 ただ、今はどうすればいいかわからない問題が3つある。宿題だ。

 1.レオをどうするか? 殺すか、生かすか

 2.使命をどうするか? 果たされるか、果されないか

 3.第一幕と第三幕で、アランに同じシチュエーションで異なる行動を取らせないといけない。

   どのようなシチュエーションを用意するか。


 これも天から降ってくるのを待つ系の作業だろうか。


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