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雑談)ここまでの振り返りと物語の面白さについての考察

 今まで方程式を使って、色々と物語構築のための手順を行ってきたが、結果としてできたものはありふれたものだ。

 しかし、それでも問題ない。


 それには2つ理由がある。

 1.物語の面白さは独自性にはないから

 2.作者が納得できるから


 1に関しては、「なろう」においては異論を認めないほど単純な話だ。

 テンプレ。この一言で足りる。

 では、物語の面白さはどこにあるか? 自分はこう考える。(異論は認める)

 ・シチュエーションとそこでの台詞

 ・構成

 ・ルール・ゲーム


 自分でも挙げてみて意外だ。「魅力的なキャラクター」や「ストーリー」が含まれてない(・・)なんて!


 ・シチュエーションとそこでの台詞

 もう、それまでのストーリーとか関係なしに、単体で抜き出してもぐっときてしまうシーンや台詞、そういうのがある。

-------

「あの……あたし……、学校に行きたいんだ……普通の学校に。でもそんなの間違ってるって仲間から言われた。そいつのことを、あたしは間違ってるとも正しいとも言えなくて……」

「その仲間にも君にも、同じ機会があることを教えてあげればいい」

「でも……」あやうく涙ぐみそうになった――おいおい鏡越しにみんな見てるっつーの/こらえる/必死に平静を装う/こらえきれず声が震えた。「あたし、仲間を捨てる気なんてないんだ」


「テスタメント・シュピーゲル」(冲方丁)

-------

 自分の学生時代を思い出しても、クソつまんないことが沢山あった。でも、楽しいことだって一杯あった。

 だから、学校に行けない子供の描写は心に迫るものがあって、おそらくそれは自分だけでなくある程度普遍的ではないかと思う。

 こういうシーンはもちろんそれに至るバックグラウンドはあるんだけど、それ抜きにしても参ってしまうのだ。

 個人によるところもあるかもしれないけどね。上の引用例でも、学校に嫌な思い出しかない人には通じないだろうし。


 ちょっと話はそれるが、自分は商業作家になろうとはまったく思わない。というか商業作家でなくてほっとする。

 だって、プロになったら冲方丁とか森見登美彦とか西尾維新と同じ舞台で勝負しないといけないんだよ。そんなの無理に決まってるじゃん。


 ・構成

 これはストーリーだけの構成という意味ではなくて、もっと色々な要素の構成のこと

 読んでいて、このストーリー展開に進むためには前もってこの台詞が必要で、この台詞が言われるためにはこういうシーン、こういうキャラ設定が必要で……、みたいな色々な要素の構成が、ジグソーパズルのピースのようにはまっていくと感心してしまう。

 この構成の美しさには、魅力的なストーリーやキャラは直接関係ない。もちろん魅力的であるにこしたことはないけど。

 ありふれたストーリー・キャラでも構成が素晴らしいと、欠点が帳消しにされる。

 うーん、違うか。ありふれたストーリー・キャラがそもそも欠点じゃないのか。

 ブラックホールとペンタゴンも言ってるよね。


 AA略)

  良い子の諸君!

  よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが

  「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが

  大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ。

  王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は作れないぞ!


 ・ルール・ゲーム

 こっちはさらにストーリー、キャラに関係ない。

 ミステリならトリックとか、デスノート、賭博黙示録カイジのようなゲーム要素とか。

 ストーリー関係なしにガジェット自体が面白いのってあるよね。ジョジョのスタンドとかハンターハンターの念能力とか。

 上記の面白さがあれば、ストーリー自体はありふれていても構わない。破綻していなければそれでいい。


 2.作者が納得できるから、に関して。


 第3回「はじめはどうしたって捻り出すしかない」で「しっくりこないと、執筆のモチベーションが沸かない」と書いた。

 一度自分というフィルターを通して出てきたものは、たとえありふれたものであっても「しっくりくる」感が違う。

 逆に言うと、しっくりくるならありふれていてもいいのだ。


 第3回でも書いたけど、しっくりこなくても書けるのがプロなんじゃないかという気がする。

 だってクライアントとか編集に変えろって言われて、変えられないとまずいでしょ。

 パクったものを自分というフィルターを通さずに作品に反映できる人って、そういう点だけはプロ向きなのかもしれない。まあ、それは盗作行為だから、そもそもプロにはなっちゃいけない人だけど。


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