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対立関係を構築する

 対立について。


 「シナリオの方程式」(江本あやえもん)には、感動を産み出すための法則がいろいろ書かれている。葛藤だの抑圧の解放だのと。

 同じことをここで書くのも意味がないので割愛するが、結論としては弁証法的な手法がある。

 弁証法ってのは正反合ってやつだ。論理学や哲学では評判の悪い手法みたいだが、物語構成としては普通の構成だ。


 正とか反とかいうぐらいだから、そこには対立関係がある。

 「シナリオの方程式」ではヒーローおよびシャドウと呼ばれ、対立関係を構築していく。

 ヒーローは物語で変化するキャラのこと。今作で言えば主人公。

 シャドウはアンチヒーローのことだ。


 シャドウは必ずしもキャラクターでなくても良いらしい。例えば、状況とかね。

 とはいえ、やっぱり人間であるのがわかりやすい。ざっくり言ってしまえば、ライバルキャラのことだ。

 ここではテーマに関わる対立関係を構築していく。

 以下が対立関係の構成


----------------------------

ヒーロー:「(2-x)ヒーローである対象」

「(1-a:S/M)初期状態」であることで、

「(2-A:S/M)ヒーローの長所」でいられる。

「(2-B:S/M)ヒーローの犠牲」になってしまう。

  │

  │

  対立─昇華(止揚)→「(1-c:S/M)最終状態」

  │

  │

シャドウ:「(2-y)シャドウである対象」

「(1-a':S/M)初期状態の対極」であることで、

「(2-B':S/M)シャドウの長所」でいられる。

「(2-A':S/M)シャドウの犠牲」になってしまう。

----------------------------


 S/Mの表記は心と象徴を別々に記す必要がある場所。

 決まっていることを埋めてみよう……、と思ったのだが、「(1-a')初期状態の対極」=「死にたがりの対極」ってなんだ?

 ググってみたら、「教えてgoo」で質問している人がいる。


---------------------------------

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6139825.html

質問者:ma1222質問日時:2010/08/27 18:26回答数:4件

死にたがりの反対はなんというのでしょうか?


「ポジティブ」かな、と思ったのですが、いまいちしっくり来なく…

---------------------------------

No.1ベストアンサー

回答者: toko0503 回答日時:2010/08/27 19:18

文脈によって

エネルギッシュ、上昇志向、前向き、

その他

精力的 野心的、行動的、積極的、意欲的

などもいかがでしょう?

---------------------------------


 なるほどわかる。上昇志向とか野心的とかライバルっぽくていいじゃない。

 ここで、方程式から設定の方にちょっと戻る。


 ヒーローとシャドウはスタート地点が同じで対極の状態になっている方が良いらしい。

 ここで思い出したのがトールキン大先生の指輪物語。

 1つの指輪をめぐる話だが、主人公フロドと英雄ボロミアの対立がある。


 フロドは指輪を滅びの山の亀裂に廃棄しようとする。

      ↑

      対立

      ↓

 ボロミアは指輪を使って世界を救おうとする。


 スタートは指輪をどうするところかってところから始まってるけど、対極の状態だよね。


 指輪物語は、犠牲を払って力を手に入れる北欧神話のオーディンのアンチテーゼなのだが、さすが原点。

 ファンタジーとしては普遍的テーマになっている。これを使わない手はない。

 上昇志向とか野心的ってのはボロミアっぽいし。

 ということは主人公はフロド?


 設定ができてきた。

 主人公は、大いなる力を手に入れた。(ライバルは手に入れられなかった)

 大いなる力のせいで争いが起こる。

 主人公「こんな力がなければ、争いは起きなかったのに」→力を捨てようとする

 ライバル「力があれば、争いから周りを守れたのに」→力を求める

 綺麗な対立関係だ。


 この力を捨てる云々が象徴のところで上げた使命になるかな。


 よし、方程式に戻るぞ!

 まずはわかりやすい象徴の方から。

----------------------------

ヒーロー:「(2-x)主人公」

「(1-a:S)力を捨てる(隠す?)という使命がある状態」であることで、

「(2-A:S)力による争いを引き起こさない状態」でいられる。

「(2-B:S)力による利益が得られない状態」になってしまう。

  │

  │

  対立─昇華(止揚)→「(1-c:S)使命完了」

  │

  │

シャドウ:「(2-y)ライバル」

「(1-a':S)使命を持たない状態」であることで、

「(2-B':S)力を求める野心的な組織のリーダー」でいられる。

「(2-A':S)争いを引き起こす状態」になってしまう。

----------------------------


 次は心の対立。

----------------------------

ヒーロー:「(2-x)主人公」

「(1-a:M)死にたがり(消極的?)」であることで、

「(2-A:M)冒険者に共感を得られる状態」でいられる。

「(2-B:M)自分の真の夢が見えない状態」になってしまう。

  │

  │

  対立─昇華(止揚)→「(1-c:M)死にたがりじゃない状態」

  │

  │

シャドウ:「(2-y)ライバル」

「(1-a':M)かつて失った力を求める状態」であることで、

「(2-B':M)自分の真の夢が見えている状態」でいられる。

「(2-A':M)失敗して傷つく可能性がある状態」になってしまう。

----------------------------


 心の対立構成は(2-A:M)と(2-A':M)が綺麗な対立構造になっていない。

 なぜ、綺麗な対立構造が作れないかというと、自分の中でライバルはこんな感じで見えているからだ。


 ・ライバルは自分の夢に向かって邁進している。でも(・・)、その夢が間違っていることは自覚している。

 本当はライバルも死にたがりで死に場所を探しているだけ。


 だから、(2-A':M)で「冒険者に共感を得られない」とは書けなかった。

 なので、適当にボロミアエンドを入れてみた。

 うーん、こういうときどうすればいいんだろう? 時間が解決してくれる(何か思いつく)のだろうか。


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