表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の引力  作者: Ykiki
4/6

1−3

   

 気付けば三時間以上沙里と二人で、時には西門さんを交えながら話をしていた。

何があったって訳じゃない、でも私を柔らかな空気がつつんだ。

今夜は気持ちが穏やかで、優しい気持ちになっているのがわかる。

   

 帰りのバスに揺られ、窓の外を見る。

光が後ろへ流れていく。

バスの座席の適度な揺れと、充足感とほろ酔い感が手伝って、眠気が増幅されていく。

   

 少し呆けていたせいで、コートのポケットの携帯が着信を主張するのに気付くのが遅れた。

桃色に光る外部ウィンドウは孝之からメール。

まぶしい恋の色。

  

   

 孝之…、どうしたんだろ。

いつもはドタキャンしてもメールなんて打って来ないのに。

なんだろう、なにかあったのかな…。

メール、見たくないな。

   

 いつもと違う孝之の行動。

それだけで不安になる。自分がゆらぐ。

まだ見てもいない内容に不安になるなんて馬鹿げてる。

  

こんなんじゃダメだってわかってるけど…。

   

   

「柏原孝之 件名:ごめん 今日は急にゴメンな。代わりってわけじゃないけど、明日ドライブにでもいかないか?」

   

 他愛のないメールだった。

他の誰かの目で見たらそうなのかもしれない。

でも、私には、私にとっては、このメールだけで取り戻せるモノは、信じられないくらいに大きい。

   

   

 あぁ、愛されてる。

なにを心配していたんだろう。

大丈夫。

私は大丈夫。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ