表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の引力  作者: Ykiki
1/6

プロローグ

その左手が、私の右手に触れる。

右手は強張ってその手から離れようとするも、手の力は強く、逃れられない。

右手を圧迫する温もりは、理性や孤独感を角砂糖のように溶かしていく。


 あぁ…。もぅ、いいや。


酒気を帯びた空気はさらに角砂糖の溶解を速め、甘い匂いを誘い込む。

ユルユルと私をつつみ、溶けてなじむ。その空気が「こんなのどうってことない。誰だってやってるよ。」と甘く導く。


頬に添えられた右手は、私の体温の上昇を察しているのだろう。


男の微笑が眼に映る。男の声が空気に交じる。それは私にだけ響く声。その声は近くもなく、遠くからというわけでもなく響き、私に残る疑心を、柔らかい羊水のように浸していく。


 孝之の顔がぼやけて浮かぶ。左手のリングが熱くなる。抵抗する。


 間違ってる?私は間違ってるの?孝之が悪いんだよね?淋しいんだよ。本当は孝之といたい。一緒にいたい。独りにしないで。置いてかないで。


目の前の男に孝之を重ねる。


大丈夫、孝之はまだ私を愛してくれてる。


目を閉じると、男の唇が重なる。温かく柔らかな感触に安堵し、笑みがこぼれる。





大丈夫、孝之は私を愛してくれてる。



初めて書いた小説(と言えるかわかりませんが)です。楽しんでいただければ幸いです。拙い文章ではございますが、何卒ご指導のほどよろしく御願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ