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馬鹿騒ぎの納品

 オレンジ色の2人組を先頭に、騒がしい水樽のパレードが無事帰還した。


 道中いろいろあったが、昼過ぎに帰還する。

 バードランド商店の倉庫の前には注文していた食料品などが積まれている。


「ただいまー。お母さん、納品分すべて揃った?」

「おかえり、揃ってるわよ。ルルもナギちゃんもお昼はまだでしょ? 食べてから行きなさい」


 ナギはしばらくルルの食事を眺めていた。

 丸いパンと目玉焼き、焼いた肉と刻んだキャベツを皿に盛られている。

 ルルはパンを手づかみに、おかずは木を削ったフォークで食べている。

 油脂と酢、砂糖、ハーブを混ぜた、ドレッシングのようなソースを掛けている。

 食べにくそうだ。

 箸とか、もっと尖った金属製のフォークがあればもっと食べやすいのに……。


「金属製のフォークはないの?」

「帝都なら売ってるけど金物はすごく高くてね。ここは田舎だから金属のフォークなんてあまり使わないわ」

「それなら、箸を作るか。すぐに戻ってくる」

「どこに行くのよ?」

「んー、すぐそこ。ルル、僕の分、食べちゃダメだよ」

「わかってるわよ、あたしそこまで意地汚なくないもん」


 ナギは立ち上がって、外にでる。

 ルルはナギの姿が見えなくなると、ナギの皿の焼いた肉を一切れ頬張る。

 まだ、足らない様子でもう一切れ口にする。

 それでも足らなそうだったが、さすがにこれ以上ナギの食事をとるのはまずいと思い、今度はターク伯爵からもらったお菓子を頬張っていた。

 ナギは、細い木の枝を持って帰ってくる。


「ナイフはあるかな?」


「そこの棚の箱が工具箱かな。たぶん、その中か、同じ棚のどこかにあると思うわ」


 ナギはすぐに棚からナイフを見つけ出すと、親指の腹でその研ぎ具合を確かめていた。

 ルルはひたすらもぐもぐとお菓子を頬張りながらナギの様子を見ている。


「刃が立っているな。いいね」


 そう言うと、枝を切りそろえ、余分な小枝をおとし、真っ直ぐな細い棒を2本つくった。

 ルルはナギの持っている細い棒を見ている。


「これはね、僕のいた世界でははしという道具だよ。これで食事をするんだ」

「ふーん。肉はいいけど、柔らかい卵や刻んだキャベツとかは無理じゃない?」

「これで食べ物を刺すことはほとんど無い。まあ、見てて」


 ナギは日本人として普通に箸を使って食べてみせる。

 ルルの目には片手に2本の棒を器用に操って、その細い箸先で摘んだ食べ物をこぼさずに食べるというのを見て驚く。

  パンに関しては箸を使わなかったが肉は当然、目玉焼きも、刻んだキャベツもこぼざず器用に口に運んで食べてみせる。

 ルルは最後までじっと見ていた。


「凄いわね! 食べ方が綺麗でなんか感動しちゃった。ナギ、そのハシ、貸して」


 ナギの持ち方を真似してお菓子を摘もうとしたが全然つかめなかった。


「手がつりそうだわ。難しいのね」

「最初は練習する必要があるからね。でも、なれるといろいろな食物を手や周りを汚すことなく食べられるようになれるんだ。焼いた魚の面倒な骨なんかもルルの使っていた木のフォークよりも取りやすいしね」

「それじゃあ、今度魚料理が出てきたら、骨を取ってね」

「……それくらい自分で取れよ」



 さて、お腹も満たしてやや遅めの午後の仕事にかかる。

 ルルの魔法を使いながら荷台に商品を積んでいった。

 先に納品するのはマグロ漁船からだ。

 商品の木箱に書かれている内容物と数量を確認する。

 そして、荷馬車と3個の水樽に魔法をかける。


 そして埠頭に係留しているマグロ船に向かった。


「ねえ、ナギはいろんなこと知ってるね。役に立つことばかりだからあたしの魔法よりも凄いかもしれないわ」

「ルル、今朝も言ったけど、本当に僕は36歳なんだ。君の倍以上は生きてきた。それなりの経験しているし、元の世界は魔法がないけど、それなりにいろいろ工夫して仕事したり生活したりしている。僕の知識と経験、ルルの魔法があればこれからもきっとうまく行くと思うよ」

「ねえ、ひとつ聞いていい?」

「ん? 何だい?」

「ナギは結婚していたの? 子供は?」

「うっ、えっ。まあ、……独身だけど」

「だったら彼女は?」

「いやっ、その。年齢イコール彼女いない歴……」

「じゃあ、ナギは魔法使いになれるわねっ!!」

「なぜ、そのネタ知っている?!」


 耳年増な16歳は、しばらくニヤニヤしていた。



 マグロ漁船ハープーン号。

 納品物は水3樽、野菜5箱、小魚の塩漬けエサ10樽。


「まいどー、バードランド商店ですぅー」


 岸壁から大声で呼び出す。

 船室からハープーン号の船長が出てきた。


「おっ、あんたはルルじゃないか。大きくなったなあ。しかもこんなにべっぴんになって。親父さんはどうした?」

「お父さんは今日、引退したわ。で、あたしが店主よ」

「おお、ルルが引き継いだのか。これはまた」

「でも、お父さんにはまだ手伝ってもらうことになってるけどね」

「それで、そこの坊やは誰だい? 弟がいたなんて聞いてないけど」

「この子はナギ、帝都からあたしの助手として連れてきたの」

「よろしくです、船長」

「おう、よろしくな」


「せんちょー、商品を積みたいんで渡し板を出してよ」

「おう、いま甲板の者を呼んでくるから待ってな」


 船長は船室に向かう。


「おい、べっぴんさんが来たぞ。早く出てこい」


 船室からゾロゾロ若い衆がでてきた。

 そして船員達はルルを見つけると釘付けになった。


「かわいいなあ、おい。ねえ、おねえさんは名前はなんていうの?」

「ばかもん、バードランドさんとこのルルだ、ちょっかい出すとおまえら命がないぞ」

「船長、あの温厚なバードランドさんが何かすることはないでしょ」

「あのなあ、怖いのはこの娘の方だ」

「へえ、ルルちゃんだったら殺されてみたいな」


 船員たちは笑った。


「いいから早くしろっ」

「へい」


 船員的には船長の怒声のほうが怖いに決まっているが。

 船員たちは荷揚げの作業をはじめる。

 船長の指示に従って船と岸壁に渡し板がかかる。


「ねえ、ルルちゃん。俺たち何人かそっち側に行こうか?」

「いえ結構よ。そちら側が大変だと思うのでしっかり受け取ってね」

「おいおい、ルルちゃんとその少年の2人だけじゃ大変だろう」


 若い衆は、笑いながらも心配していた。


 ルルは、荷台の後ろに渡し板をかけなおし、商品の木箱と渡し板に使役魔法をかけた。


「ねえ、どんどん船に積むから準備はいい?」


 皆んな大笑いする。


「心配してくれてありがとうよ。俺達はいつでもオッケーだ。ガンガン最高速で出してくれ」

「そんなこと言ってもいいの? 怪我しないように頑張ってね」


 また、船員たちは大笑いした。

 ルルも意地悪く大笑いする。


「そんじゃ、行くよ」


 ナギとルルは木箱を渡し板にのせる。

 木箱に使役魔法がかかっているため、転がらないけどもすっと簡単に滑り、軽く力をこめるだけで箱の片側が簡単に持ち上がる。

 渡し板に乗せると、荷台側の渡し板の端が持ち上がり、甲板側へ滑っていく。

 その時間、およそ5秒。

 同じ動作を繰り返し、どんどん甲板に商品が送り出されていく。

 あまりの早さに力自慢の船員達でも翻弄されてしまう。


「ちょ、ちょっとまって、はっ、早い、早いよ」


 黙って見ていた船長は大笑いした。


「お前たちが舐めてかかるからこうなるんだ。ルル、堪らえてやってくれないか」

「ええ、わかったわ」


 ルルはドヤ顔だった。

 今度は船員の様子を見ながら、タイミングよく積み込み作業を再開する。

 全ての荷物が積み終わった時、船長は代金を確認してルルに渡した。


「ルル、今日はありがとうな。こいつらに油断ってやつを教えてもらった。俺達は海に出るとちょっとした気の緩みで命をなくしてしまう。こいつらにはいい勉強になった。これは代金と別に授業料としてのお礼も入れてある。また頼むぜ、ルル・バードランド」

「船長っ、ありがとー。またよろしくねー」


 ルルは、代金の確認してみかんのガマクチに入れる。


「おい、お前たち。仕事を舐めてかかるからこういうことになるんだ。この娘はな、帝国屈指の魔術師なんだ。知ってるか? 飛竜三匹を帝都の空に散らして付いた二つ名は『猛爆の魔術師』さらに皇帝陛下から『竜殺ドラゴンキラー』の称号をもらってんだぜ。この娘を怒らすと、この船ごとぶっ飛んでしまうわな」


 船員たちは目の前の娘が帝国で有名な魔術師とはにわかに信じていなかったが、少なくとも積み込みの仕事で負けてしまった事実に返す言葉がなかった。



 今日は、もう一件仕事がある。

 帝国定期船への納品だ。

 週に2回、西方周回航路と東方周回航路の船が交互に入港する。

 ルルは前回の西方周回航路便で帰郷した。

 今回の入港したのは東方周回航路便だ。

 コースが違うだけでほぼ同じ型の貨客船である。

 最近開発された蒸気機関搭載の帆船で、現在は帝国軍艦と並ぶ最速の船である。


 例によって、オレンジ色の服を着た2人組を先頭に荷車に塔のように高く積んだ木箱と、ゴロゴロと騒がしい水樽20個のパレードが帝国定期船の係留場所まできた。

 聞きなれない音に興味を惹かれた定期船の乗客と乗組員は船窓や甲板から岸壁の様子を覗くと、帝都で大人気の魔法使いがいた。


「おい、あれ、ルルじゃね?」

「ああ、間違いない。オレンジ色のローブのルルちゃんだ」

「ルルがいるぞ」

「なんでこんな田舎にルルちゃんがいるのかな」

「ルルー」

「ルルちゃーん、こっち向いてー」


 ルルの人気は、帝都での飛竜討伐とその功績による称号「竜殺者ドラゴンキラー」の授与から始まる。

 建国記念日や閲兵式典などの帝国主催の様々なイベントで、可愛らしい魔法使いがど派手な魔法のデモンストレーションすることで、みんな度肝を抜かしながらも感心し、熱狂的な眼差しを向けらていた。

 あっという間にファンも増え、城内で何か騒ぎがあるとルルがあれをした、これをした、なんて噂で持ちきりになる。

 いわば、この国のアイドルみたいなものだった。


 ルルは荷台の上の高く積まれた木箱の上にあがり、満面の笑顔で歓声に手を振って応えている。

 ナギは荷馬車に座ったまま振り返って見上げる。


「すごいな」

「どうよ、あたしの人気。すごいでしょ」


 小憎らしいぐらいのドヤ顔だ。


 ぼんっ! ドドーン! ぼん! どーん! ぼん!


 調子に乗って、礼砲の代わりに上空で魔法を発破して爆音を轟かせる。

 乗客や船員たちは更に歓声を上げ、盛り上がりまくる。


「うおー」

「きゃー」


 半狂乱に興奮した船員や乗客たちが定期船から降りてきてルルの荷馬車を取り囲んだ。

 我先にと握手したいと手を荷上のルルに手をあげる。

 乗客と船員はもみくちゃになり、けが人が出そうなくらい興奮しまくっている。

 パニックになり、ナギは恐ろしくなってきた。

 ルルはさらにハイテンションになって、上空を発破しまくる。

 爆音が響き、色鮮やかな赤と青の閃光の連発。

 仕事どころでない。

 これは収拾出来そうにない。


「おい、もうよせっ」


 ナギはルルに懇願したが、爆音と歓声でルルの耳には届かない。


 まもなく、制服を着たケモミミの西方辺境警備隊がわらわらと人混みの中に突入してきた。


「鎮まれっ、鎮まれええ」

「言うことを聞かない奴は逮捕する」

「鎮まれー」


 警備隊の隊員は大声をあげる。

 警備隊の制服を見た者から落ち着きを取り戻し、定期船に戻っていく。

 数分の大騒ぎから一変して静かになった。

 制服組の中から、肩章や白色の飾緒しょくちょなどの余分な飾りのついた者が前へ出てくる。

 隊員達と同じく、美形ネコミミ女の獣人族だ。


「おい、これは何の騒ぎだ? 船長を呼べ」


 あれはアレなタマ隊長だ。

 タマ隊長は荷物の上で立ちすくんでいるルルをみる。


「それと、ルル、黙って降りて来なさい」

「えー、あたしは悪くないもん……」

「だ・まっ・て・降・り・て・来・な・さ・い」

「……はい」


 昨日のタマ隊長と違って今日は、アレ的な要素が1ミリもない。

 細くつり目の冷淡な眼差し、凛と張った声、ネコミミはピクリとも動かさずビシッと立たせている。

 隙もツッコミどころもないタマ隊長のいかにも的な仕事ぶりに、ルルは心のなかで「ちぇ」と舌打ちししながらスネ顔で降りてくる。

 定期船の船長も下船してきた。


「わたしはこの地域の治安を預かる西方辺境警備隊、バウンダリーポート沿岸警備隊長のタマだ。いまから、この異常な騒ぎの検分を行う」

「まず船長、騒ぎの中に船員の姿も見えたが、これは一体どういう騒ぎだ?」

「船員がお騒がせしましたことをお詫びします。実は、ここにおられます帝都でも有名なルル殿の姿に皆が驚き、歓喜のあまり沸き立った次第でございます」

「ルルはそんなに人気者なのか?」

「船員だけでなく、ほとんどの乗客の熱狂的な様子から察する通りでございます」

「ふむ、ならば、ルルよ。爆音が聞こえたのだが、一体何があったのだ?」

「みんながあたしを歓迎してくれたので、あたしも魔法で応えたの」

「予想はしてたが、やはりルルの魔法だったか」


 船員と乗客は甲板からヒソヒソと何か話しながら様子を伺っている。


「話は前後するが、ルルはこの埠頭に何しに来たのだ?」

「この定期船へ注文分の物資の納品よ」

「ようするにだ。ルルは納品に来たところ、ルルの姿に船員と乗客が騒ぎ出し、ルルは魔法で爆音を鳴らして応えた。相違ないな、船長」

「はい、そうでございます」

「ルルはどうだ」

「そうね、そういうことになるわね」

「ふーむ。犯罪性はないようだし、けが人も出なかったので今回の騒ぎは不問にするが、もう少し、穏やかにして頂きたい。もしけが人が出たら、厳しく罰を与えるものと心得よ」

「わかりました。船員にも徹底させる所存でございます」

「ルル、お前の発した爆音は、事情を知らぬ者からしたら事故か犯罪を思わせる音として不必要に緊張をもたらすもの。しかも乗客や船員を更に沸かせる原因にもなった。今回は厳重注意で留めておくが、以後、届けのない時や緊急時以外の爆音は罰金及び処罰するものと心得よ」

「わかったわ。気をつける」

「うむ。では、船長、すみやかにルルの商品を積み込むよう、船員に申し伝えよ。では、我々警備隊は撤収する」


 タマ隊長と警備隊員は引き上げていった。

 商品の荷揚げは船員たち任せる。

 『もっこ』(太い縄で編んだ四角い網で四隅をロープで釣り上げる船具)を使いながらどんどん積まれていく。


「船長、お騒がせしてすみませんでした」

「いやいや、ルルさん、こちらこそ船員のみっともないところをお見せして申し訳ございません」


 ルルと船長に互いに頭をさげる。


「バードランドさんところの娘さんがあの有名なルルさんだとは知りませんでした。して、お父様はどうされました?」

「お父さんは引退しました。代わりにわたしがバードランド商店の店主を引き継ぎました」

「おお、ルルさんはもう帝都でお仕えはしないのですか?」

「ええ、宮殿で皆さんにいろいろとご迷惑をかけてね、暇もらっちゃった。だから、これからはバードランド商店のルルとしてよろしくです、船長」


 船長とルルは握手したころに荷揚げも終わる。


「船長、注文分全て積み終わりました」

「うむ、わかった。甲板長こうはんちょうをここに呼びなさい」

「アイ・アイ・サー」


 船員は駆け足で船に戻る。

 壮年の船員が降りてくる。


「船長、参りました」

「甲板長よ。先ほど警備隊長から、二度と騒ぎを起こさぬよう船員に申し伝えよ、との達しがあった。全て船員に徹底せよ」

「アイ・アイ・サー」

「それと本船は、これからバウンダリーポートでのシップチャンドラーとしてバードランド商店の店主、ルル・バードランドさんを指名する。甲板長こうはんちょう、あまり困らせないようにな」

「アイ・アイ・サー」

「ルルちゃんが担当だなんて嬉しいぜ、よろしくな」

甲板長こうはんちょう、よろしくお願いします」


 甲板長こうはんちょうとも握手をかわす。

 甲板から様子を見ていた船員が歓喜する。


「うおー、ルルちゃんにまた会えるぞ」

「やったー」

「「「「「ばんざーい、ばんざーい」」」」」


「こ、甲板長こうはんちょう船員バカどもを黙らせなさい」

「こらぁ、聞いての通り、バウンダリーポートではルルちゃんにお世話になるんだ。いいか、騒いだり困らせたりする奴は、バウンダリーポートに寄港するごとに独房で留守番してもらうぞ」

「「「「「「「「アイ・アイ・サー」」」」」」」」

「声が小さい」

「「「「「「「「アイ! アイ! サー!」」」」」」」」

「もっと」

「「「「「「「「アイ!! アイ!! サー!!」」」」」」」」

「もう一回」

「「「「「「「「アイ!!! アイ!!! サー!!!」」」」」」」」

「よーし、忘れるんじゃないぞ。ルルちゃん、申し訳ないが甲板に上がって船員バカどもと握手してもらえないか」

「ええ、いいわ! 喜んで」


 このやりとりを聞いた船員は歓喜モードから狂喜モードに切り替わる。

 ルルはひとりづつ、船員と握手した。


「いやっほー」

「おれ、この手洗えねえ」

「俺もだ。今夜楽しみだな」

「この手、ルルちゃんのダシが……へへっ」


 船員達のイカ臭いセリフに船長と甲板長は顔をしかめる。


「また騒ぐのか、この馬鹿者が……」


 こうしてバカ騒ぎの帝国定期船への納品は終わった。


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