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王妃サトリーヌは、たこ焼きを片手に事件を解決する  作者: くろくまくん


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二人目:ギルバート殿下

一人目の容疑者、カインの話を聞くサトリーヌとセシリア。


そして、お次はカインの弟のギルバートだ。


ギルバートからは何か聞けるのかな?



◯登場人物


サトリーヌ王妃

25歳。たこ焼き大好き。サスペンス大好きで好奇心旺盛。


セシリア

32歳。サトリーヌの専属女官。


カイン国王

30歳。異世界転移してきたサトリーヌの美貌とその才覚に惚れ、求婚し、めでたく正妻として迎えた。


ギルバート王弟

27歳。元々サトリーヌと婚約していたものの、他の女性にうつつを抜かしていたため、結局独り身。兄に多額の借金をしている

 オヤツをいただきながら、上機嫌のサトリーヌ。


「これから、あと四人も話しないとあかんから、ちゃんと糖分とうぶん取っとかなやんね」


 糖分取るための言い訳って、たくさん出るよね!


「さて、おそらくもう少ししたらギルバート様が来られると思いますが、もし話しにくければ、私が対応しましょうか?」


 と、セシリア。ギルバートは元サトリーヌの婚約者であったこともあり、結局その婚約は破棄となったので、気まずいかもとの配慮だ。


「ん〜、どやろ。ウチは別にギルちゃんには今は何もないよ。ギルちゃんもギルちゃんで色々大変なことあると思うし。普通に会話ができるんやったら、いいんちゃうかな?」


 そのお人好ひとよしなところが、ダメなのだ。と、セシリアは思った。サトリーヌは人が良すぎる。ただ、それだからセシリアは、サトリーヌのことをできる限り助けてあげたいし、なるべくならそばでずっと仕えていたいと思っていた。


 ドアのノックがトントントンと三回鳴って、ゆっくりと開いた。


「はいるよ〜、や、やぁサトリーヌ」


「ギルちゃん、ハロー。ごめんな、こんなことで呼び出してしもて。最近はどう?サーシャとは仲良なかようしてるん?」


 サーシャは、王城の炊事すいじ担当の侍女であるが、サトリーヌが召喚された当時、ギルバートをそそのかし、サトリーヌとの婚約を破棄させた、張本人である。


「あぁ…まぁサーシャは仲良くというか、元々僕の資産目当てだったこともあるから、僕が借金まみれなことに気づいたら冷たいもんだったけどね…でも、それからは腐れ縁という感じかな」


「ギルバート殿下、今回お呼びしたのは、お聞きになっているかと思いますが、王家の秘宝ひほうが何者かに盗まれました。そのため、秘宝に距離の近い人達をピックアップして、お話を伺っているところでございます」


 セシリアが説明をする。


「うん、それは聞いているよ。さっき兄とすれ違ったから、もう兄とは話が終わったのかな?端的たんてきに言うけども…俺と、サーシャは何もやってないよ」


「サーシャの事は聞いておりませんが?昨晩もしかして、一緒におられたのです?」


 セシリアが鋭い質問をする。たぶん…いや絶対二人でいちゃついていただろう。


「えっ、あ、いや…夕食は世話をしてもらったから、その時は一緒だったが、ずっとではないよ」


「ギルちゃん、このオヤツ食べる〜?めちゃくちゃ美味しいで」


 サトリーヌは、切り分けられたタルトタタンをひとつ、ギルバートに勧める。


「あ、ありがとう。サトリーヌ、君は相変わらず可愛いね」


「そんなこと、誰にでも言うてたらあかんで〜。あ、ギルちゃん、まぁ隠すこともないから言うけども。これからあとサーやんと、ロザっちと、リーちゃんと喋るんやけど、ギルちゃんから見て、何か怪しいこととか、感じることはあるかな?」


 ギルバートは、ふと思案を巡らした。サーやんはサーシャ、ロザっちはロザミア、リーちゃんはリディルのことである。


「ん…怪しいことっていうか…これは僕の直感みたいなものだから、気にしないでもいいんだけどね。王国騎士団長のロザミアは、まだ兄のことを、いていると思う」


 ちなみにカインとロザミアは同級であった。


「ギルバート様。ロザミアが陛下のことをどう思おうが、それは今回のこととは関係ないのでは…?」


「いや、そうでもないと思うよ。これはあくまでも僕の想像なんだけど…今回の秘宝の盗難騒ぎは、きっとサトリーヌのことを恨んでいる者の犯行だと思う。秘宝が無くなってしまって困るのは、このベイルーン王国だ。そして、そのトップに立つ兄と王妃のサトリーヌ、どちらかを糾弾きゅうだんするとしたら、後でこの世界に召喚された者の方が都合がいい」


 いきなりぺらぺら喋りだすギルバート。あれ、こいつこんなお喋りだったっけ。


「ん?てことは、ロザっちはカインちゃんのことがまだ好きやから、それをぽっと出のウチにいきなり取られて怒っとる。んで、ウチがいなくなったところで自分が王妃になれるわけでもないけど、なんか嫌がらせしたろか、みたいな感じ?」


「ん〜…君をどこかに追放とまではいかないと思うが、でも兄の心象しんしょうを変えようとしたり、ロザミアは魔術師団長のリディルともあまり仲が良くないみたいだから、ひと泡ふかせたいとかもあるかもね」


 サトリーヌに答えるギルバート。


「あくまでも殿下のご想像、ということですね。まぁでも一つの意見としては聞いておきます。あと申し訳ないですが、陛下に対して借りている金銭について、少し聞きたいのですが?」


 そうなのだ。先ほどもギルバート本人からさくっと出ていたが、ギルバートはカインに借金をしている。


「あ、いや。そんな話すほどのことでもないんだけど…順調には返しているよ?前みたいに僕も博打ばくちにのめり込んだりはしていないし」


「そう…ですか。それならいいのですが。サトリーヌ様からは何かありますか?もしなければ次のサーシャを呼びますが」


「そやなぁ〜。あ、借金の話が出たからウチからもギルちゃんに言うとくよ。ギルちゃん、カインちゃんも鬼やないから金の催促さいそくとかはせんと思うし、無理はせんでいいからね。ただ…前みたいにウチをダシにしてよその国からお金を取ろうとしたりとか、そんなことはせんとってな?もう、全然大丈夫なんやけど、やっぱそんなんあったら悲しいから」


 サトリーヌは真面目な顔をして、ギルバートの方を向いて話す。ギルバートは過去に、サトリーヌとの婚約を破棄し、その後に兄のカインにたしなめられはしたものの、サーシャと共謀きょうぼうしてサトリーヌを他国に売ろうとしたこともあったのだ。


「うん…ホントにごめんね、あの時は。僕はバカだったよ…ホントに反省してる。今は君に対してと、兄に対してと、両方へのつぐないのつもりで働いているつもりだよ」


「わかったわ、ギルちゃんのこと信じとるで。あっ、もし今度裏切ったら、熱々のたこ焼き十個、口に詰めたるからね〜!!」


 それは絶対熱いやつ。でも、サトリーヌちゃんも色々苦労してたんだね。


「ギルバート様、ありがとうございました。また何かありましたら、こちらからも連絡いたします」


 ギルバートが退室した。


「あと三人やね、話を聞くの。結構時間かかるもんやなぁ〜。ねぇねぇ、晩ごはん挟む??」


「挟みません!!」


 ぴしりとセシリアが言った。

 

ギルバートからも色々と話が聞けた二人。


ただ、カインから聞いた、サーシャとコソコソしている話が少しひっかかる。


ギルバートの話を全て鵜呑みにしていいものか…


さて、お次はサーシャの番だ。

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― 新着の感想 ―
サトリーヌ王妃やっぱりすごくいい人。でも人が良いからセリシアさんは心配なんですよね。ギルバートを簡単に信用してるけど、大丈夫なのかな!? 晩ご飯挟むかの確認、笑っちゃいました❀
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