容疑者七名発表!…ん?恋愛は?
王妃サトリーヌが、どうやって王妃になったのかをざっくりと聞いてもらった。
今回からは、そろそろ皆さんに、推理力を働かせてもらわないといけない。
だって、このお話は異世恋推理モノ、なんだから。
あれ、恋…恋愛…?…おーい!!
◯登場人物
サトリーヌ王妃
25歳。たこ焼き大好き。サスペンス大好きで好奇心旺盛。
セシリア
32歳。サトリーヌの専属女官。
セシリアは一抹の不安を覚えながらも、まぁ今までもそうだったよな、と半ば諦めの境地でもいた。
失われた王家の秘宝。それはベイルーン王国の存続すらも危うくなってしまうような、なかなか危険度の高いものであった。それに加えて、それが外部ではなく、内部の犯行であることもまた事件を更にややこしくさせていた。
前回のサトリーヌ王妃の指示通り、昨日の夕方から本日の正午までに王城に滞在していた人物、およびその中でも、ある程度の権限を持つ役職者という条件を付けて、洗い出しを行った。
まず、城門が固く閉ざされてから、なおかつ城内に留まる人物自体、城に深く関わっている者であることは間違いない。
しかも、深く関わる者ほど、それぞれに思いを抱えていたり、お互いに疑心暗鬼になっていることも少なからずあるに違いない。
「で、セッちゃん。ある程度は絞れたんかな〜?」
「はい、王妃様。昨日夕方より本日正午までの時間だけの区切りですと、王城内に滞在していた者は約百名ほどいました。ですが、ある程度の権限を持つ。もしくは権限を持つ者と深い関わりがある者、と絞った場合、意外と人数は少なくなります。ただ、これは今のところということなので、今後増えてくる場合もございますが」
サトリーヌは、右手に持つたこ焼きを、ギュッと握りしめて聞いている。あ、アクセサリーだよ?
「おっけ〜、人数絞れたんならいい感じやん。その人物の名前と、ある程度の特徴だけ言ってもろていい?」
「承知しました。まず一人目はカイン国王陛下。次にギルバート王弟殿下。ギルバート殿下の元愛人の侍女サーシャ。王国騎士団長ロザミア。王国魔術師団長リディル。そして、私セシリア。最後に、サトリーヌ王妃です」
「えっ?ウチとセッちゃんも容疑者に入るんかいな?」
「もちろん、その通りでございますよ。私達が盗っていない、という証拠はないですからね。私達が調べる以上、結局自分に対しては甘くなってしまいがちなので、尚更気をつけなければいけません」
サトリーヌは舌打ちをした。
「しまったわ…ウチは大事なことを見落としていたかもしらん。セッちゃん、王家の秘宝の力を考えると…そもそも怪しい人物を絞ったところで上手く逃げられてしまう場合もあるっちゅうことやで」
「と、言うと?」
「だって考えてみ?王家の秘宝って、もし手にしたらそんだけ危ないものやから秘宝って言うてるんやろ?もしかしたらやけど、もうすでに事は起こりつつあるんかもしらんやんか〜」
なんだか急に普通のこと言い出すと、逆に不安になってくるから怖い。
「サトリーヌ様は、まだ王室に入られてから間もないのでお詳しくはないのかもですが…王家の血筋の者、あと王家の血筋の者と契りを結んだ者に関しては、秘宝の効力は全く効かないことはないにしても、少々薄れるようでございますよ」
「いま…セッちゃんなんて言うた…?」
サトリーヌはたこ焼きをふにふに握り出した。あれ、それってそんな自由自在なやつ?
「秘宝の効力は、薄れるということですか?」
「ちゃうちゃう。その少し前の王家の血筋の者と…のくだりやんか〜」
「王家の者と契りを…」
「いやんっ、セッちゃん契りなんて恥ずかしいやんか〜!あっ、まぁカインちゃんああ見えて、結構情熱的やったりするんやけどね?」
「はぁ…」
また始まったよ。これはなかなか終わらないパターンなのか?
「ウチがね、ギルちゃんに婚約破棄されてめそめそしてた時も、すっごく優しかってん。でもな、そういうところにつけ込むとかやなくて、ほんま誠実に悩みを聞いてくれたんよ」
「どうでもええ」
セシリアさん、心の声漏れてますよ。
「あっ、全然関係ないんやけど、さっき言うてた、騎士団長と魔術師団長?あの子達って、確かカインちゃん、ギルちゃんの同級生って言うてたんちゃうかな〜?」
「はい、確かそうですね…騎士団長のロザミアが国王陛下のご学友、同じく魔術師団長のリディルは、ギルバート殿下と同級ですね」
「ん?なんかその二人の団長の呼び方だけ、なんかトゲある気するんやけど??」
セシリアはサトリーヌの観察力に少しだけ感心した。
「いや、別に。元後輩で生意気なだけですよ」
あ、セシリアさん意外とそういうの気にするんだ〜。てか、セシリアさん両団長の先輩なんだ〜?なんか実は凄いのかな?
「まぁええか〜。とりあえず時間が経てば経つほど、犯人には有利になりそやし、セッちゃんがリストアップしてくれたウチら除く五人に話聞いていこっか」
うん、たぶんその方がいいよ。ちょっぴり…いや、だいぶだけど。面談が色々脱線しそうな気がするんだけども…
「では、会議室の方に、順番に来て頂くように手配いたしますね」
おっ、ようやく謎の解明に乗り出してきたのかな?
それにしても、王家の秘宝って、なんなんだろう。
王家の秘宝、そしてそれを盗んだ者、
そして、ベイルーン王国の存亡やいかに…?




