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機械の技術が発展した異世界に召喚された僕が記憶屋として成功するまで  作者: 凪笠シメジ
国渡編

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魔法の記憶。継承者は。

魔法のメモリーストーンはざっくり分けると8種類ほどに分けられた。


これはじいさんから抜き取る時の要望で、魔法ごとに分けて欲しい、との事だったからだ。


曰く、種類ごとに適正な人間かどうかが別れるため、必要な分別との事だ。


炎、氷、水、風、雷、土の基礎元素に基づいた魔法に加え、治癒と移動魔法のその八つだ。


じいさん自体は得意なのが炎、雷、水に加えて移動魔法だけなのだが、じいさんは不得意ではあるものの、残りの属性も扱い自体は出来るため、問題なく八つの属性全てが継承可能になった。


この中で、今後役立ちそうなのは水と氷か…じいさんは適正な魔法の判別方法はメモリーストーンに触れた時に脳内でイメージしやすいものがそうだ、と言っていた。


恐らくは元々魔法の継承の才能は初めて魔法を見た時の感性で決まるんだろう。


役立つしハーティには是非水か氷を…


「じゃあ、二人とも。準備は?」


これは魔法の継承が実際に可能かどうかのテストも兼ねている、二人に魔法を継承させるテストだ。


八つのストーンに触れてもらい、イメージ出来たものが継承される。


魔法自体はイメージが強ければ強いほど威力が上がるらしく、それ故に感性が指し示す物を継承するのが一番いいとの事だ。


じいさん自体は扱える魔法自体は得意不得意はあったものの、最後の純粋な魔法一族の継承者として八つ全て扱えるらしい。


メモリーストーンにそれぞれ触れていく。なんだかほんとに儀式みたいだが、記憶だけで継承…本当に可能なのだろうか。


異世界人故に魔法の適性から弾かれるのだが、じいさんから抜き取った記憶は魔法の原理とイメージを伝えるものであり、本来は何十年も掛けて原理を理解していき、イメージを掴んで正式に継承するものらしい。


今回の場合は直接魔法を使った際の記憶を伝えるため、継承の速度が異常に早くなっている、ということらしい。


要はメモリーストーンの特性とめちゃくちゃ相性が良かった、ということだ。


だが、今回重要なのはそこでは無い。


図書館でエルメロスが独自に調べていた物によると、異世界人の持つ記憶の受け渡しは今でこそメモリーストーンで行われるが、そこから記憶として本人に結びつけて刻み込むことも可能、らしい。


練度があがればメモリーストーンという媒介なしでも直接記憶を刻み込めるようになるらしい。


というのも、サブラス建国時に異世界人がそれをやった故に直ぐに建国のあれこれが済んだから記録としてたまたま残っていたらしい。


まあ、どちらかと言うと異世界人が今後またきた時の手助け、程度の感覚かもしれないけど。


メモリーストーンを一通り触り終えた上で、セネガさんとハーティにどれが肌感覚で一番良かったかを聞くと、物の見事にハーティは水属性だった。


そして、セネガさんは土属性。まさに二人ともイメージ通りだ。


さて、後はメモリーストーンで見た原理を理解し、魔法を使えるかなのだが…魔法は無から生まれるわけではない。


この世界に溢れてる「必要エネルギー」を使うことで実体化する。


まあ端的に言うと何も無い状態から魔法なんて使えないよ、ってことだ。


幸い、魔法が廃れたせいでリソースは溢れかえっているらしい。


現時点のリソースだけでも数人の魔法使いの魔法ならば100年ほどは今のリソースで事足りるらしい。


さて、そんなリソースなのだが…これまた困ったことに、エアと呼ばれる特殊な酸素らしいのだが、エア自体はなぜ生まれてくるかが不明だと言う。


つまり、古の魔法使い達はよく分からないものを媒介に魔法を使っていたことになる。


もちろん過去にエアの解析を試みた人はいただろう。だが、解析できずに現代に伝わっていない、ということは失敗に終わったことだろう。


正直有限リソースであるならば控えた方がいいのだが、それでもあまりに余っているらしく、少なくとも古いエアが消費されない限り新しい新鮮なエアは生まれないらしい。


それだけは研究の中でわかったと言う。


つまり、消費→生成→消費→生成のループの元に魔法を使うエネルギーが循環していることになる。


今のエアを使い切らなければ新しいものは生まれない?


うーん、この辺は専門の研究者だけが知るところだな…


「テオ、見てください!」


そんな考え事をしている間に、なんとハーティはすごく簡単な魔法を使えてしまった。

こんな簡単に使えていいんだ?


「あ、でもおじいさんは古いエアで出来た水はやめとけって言ってもしたね」


「消費期限的なやつなのかな?」


「今のエアは魔法が使われなくなった500年ほど前から変わってないものらしいので、本当に鮮度があるならそういうことですね」


水に期限ってあるのか?いやあるか…


ハーティは簡易的とはいえ、水魔法を覚えた。


「得意魔法は伸ばし続けることで独自の魔法形態になるって言ってましたね」


「魔法にも個性がある、って話だよね」


「水で鋭い槍みたいなの作って操作できたりするんでしょうか?」


「二本持ってるのにまだ槍欲しいの?」


「遠距離手段はいくらあってもいいですから」


やりに並々ならぬこだわりがあるようで。


成功した。今回の目的である魔法の継承は問題なくスムーズに進んだ。


あとは、記憶が刻まれれば成功…だから、実際に魔法が使えたら、か。


セネガさんは土属性を継承したみたいだから、ある程度戦いの戦略が広がりそうだ。


じいさん、ありがとう本当に。


魔法、伝えていくね…


メモリーストーンは崩れてなくなったり、とかは無い。


しっかりと原型を保って目の前にある。


どうやら記憶を他人に刻み込んでも消えないらしいというのが分かり、大きな一歩だ。


メモリーストーンの活用方法はそこだ。


実物として保管することで、いつでも誰にでも刻み込んでおくことができる。


今回の魔法のように。


ハーティは魔法の継承を終えてから、魔法のイメージを掴むために瞑想に入った。


一方セネガさんは、ぶっつけ本番で土魔法を馬車の外に向けて沢山やっている。


いくらリソース溜まりまくってるとはいえ、無駄打ちは控えた方がいいのだろうか?


とはいえ、今回の旅の目的は魔法を伝えていくことも含まれている。


だから、次の街についたらギルドで登録して魔法を継承したい人を募っておこう。


メモリーストーンを壊す訳にも行かないので、滞在中にやること終えて持ち帰るのが最善だ。


と、そうしているうちにハーティの瞑想が終わる。


いよいよ、ハーティが魔法を試す時が来たようだ。


「イメージ、イメージ…」


そう言って集中して念を込めると、目の前に見る見るうちに水が溢れかえるように勢いよく馬車の外へ向けて流れるように放たれた。


「おお、成功だ」


「どうやらエルメロスさんの予想通り、異世界人の力である記憶の受け渡しには刻み込む、があるみたいです」


「ストーンに触れた相手にも記憶を刻める…これは、モドキになった人たちを助けるきっかけになるかもしれない」


「機械の体で記憶のない彼らに…記憶を刻む、でござるか」


「厳密には本人のじゃないとまずいから、どこかで家族なりに会う必要はあるけどね」


モドキになって機械にされた人達に記憶を返してあげる。そうすることで、スーベルニカに従わなくていい口実を作り出し、大量に人を助け出すことが可能だ。


もっとも…機械にされたら元には戻らない、という条件付きだが。


それでも、記憶を取り戻してさえくれれば、やりようはいくらでもある。


だから、乱発はしない。


きっちりと本人の記憶を探しぬいた上で刻み込む。

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