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機械の技術が発展した異世界に召喚された僕が記憶屋として成功するまで  作者: 凪笠シメジ
国渡編

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猿から人へ。天啓の元で。

猿。類人猿。そして人に近いもの。そこから人へ。これはどの世界においても必須な条件らしい。異世界人の介入があったのは、類人猿から進化した際だ。

所謂ホモ・サピエンス。それに原型として近い存在がこの世界の歴史における人類の歴史であり、明確な「歴史の転換点」である。


故に、異世界から一人呼び出され、歴史の転換点に関わることになる。呼び出される異世界人も、その時期によって違うらしい。

最初に呼び出されたのは、日本で言う明治あたりの人間だと言う。


この時期は、世界的にもまだ機械などは発展途中故に、その時代が「選ばれた」のだろう。介入しても世界に今以上の影響を与えない。それでいて、文明として成り立つレベルまで人類を導く…だから選ばれたのはその時代、ということだろう。


異世界人も最初は戸惑った。どうすれば帰れるかとか、色々考えたと。

そして、異世界人は知恵を与えた。文明として成立させるための知恵だ。

農作物の育て方、栄養の取り方、狩りの仕方…


人類はこの時、一段上のステージへ押し上げられた。そして、異世界人が寿命尽きる頃、文明はまた発展の時を迎えようとしていた。


二人目の異世界人だ。これもまた、初代に違い時代から選ばれる。この時異世界人が与えたのは、人類同士の争いの勝ち方だ。


いつしか、文明が成立してしばらく経った時。誰かが言った。「我々の仲間を探してみよう」


当然だ。世界は広い。故に、自分たち以外にも同じ見た目の生物がいるかもしれない。

当たり前のように気づけることだ。


そして、それはすぐ実行された。開拓記。この資料にも書いてある。ここから先は人類の進化の歴史と似た者が続く。何十年、何百年、何千年と…


そして今から約1500年前、魔法が台頭し、そして滅んだ。その辺の事情はじいさんが家に残ってた資料をくれたのでそちらで照合した。


「…この資料、魔法の台頭までしか書いてないけど…」


「しかし、この歴史資料の価値は大いにあるだろうな。歴史の転換点…そして人類の進化の歴史。何故だろうか、他人事とは思えない」


エルメロスの言う通りだ。転換点という人類が進化するステージは、その過程は、形こそ違えど何度も人類が直面した事実であり、遺恨はどこかに残ってる。


「そういえばヘルタが別れる際教えてくれたんですが…」


ハーティが歴史の資料を漁りつつ、口を動かす。ヘルタとはスベラルにて別れたが、その際に僕たちの指標になるような事を言い残したと言う。


「歴史の真実の先にきっとスーベルニカに関する何かがある…と」


スーベルニカの目的は、世界の歴史と≒…ということだろうか?


資料の読み漁りは深夜まで続き、その日は終わった疲れからかどっと疲れて寝てしまった。

世界の真実…それを求めなければきっとスーベルニカの目的の真の意味はわからない。


ただ、直接スーベルニカに行こうにもかなりの距離があり、スーベルニカ製の移動手段なしでは半年は言い過ぎだが結構かかってしまう。


そこで案が出たのは、移動記憶屋をやりながら北上していく案だ。能力の研鑽も出来るし、賃金も稼げるしで悪くない話だ。

スーベルニカ製の移動手段は使えないことはないが、なるべくなら避けた方がいいだろう。というのも…

動力源がよく分からないのだ。


僕たちの世界であれば燃料はガスなどだが、この世界にその類はない。つまり、何かを動力にしているものの、知っているのはごく一部、ということになっている。

そんな得体の知れんものを使いたくない、というのが本音だ。


とりあえず、旅モードにするにしてもハーティだけでは少し物足りない。

そこでニコラを誘ったのだが、相も変わらず放浪主義なんでパス、と断られてしまった。


見かねたエルメロスが俺は無理だからセネガを連れて行け、とセネガさんとハーティと僕の三人で旅することに。


都度、サブラス経由で各国に知らせが行くようになっており、入国後にギルドを訪れることでサブラスからの支援金や支援物資が貰える算段になっている。


ここまで良くしてもらってるからには、しっかりとスーベルニカの行く末を見届けなければいけないな、と決意を改める。


「ひとまずはスベラルで一旦キャンプにしましょう」


「ここからスベラルだけでも二、三日だもんね…スベラルはギルメイが居るし、きっとよくしてくれるだろうし」


滞在中は各国で数日ほど記憶屋として困った人々を助けることになっている。

これは、資金集めの側面もあるが、本当の目的は力の精度を上げること。


現状この力は記憶を見て取り出すことは出来るが、メモリーストーン経由でなければ記憶の受け渡しが出来ない。


だが、調べた資料によると、異世界人のこの力は、記憶そのものの受け渡しが可能である、という記載がされていた。

もしそれが事実なら、きっとこの先役に立つだろう。

まずは、メモリーストーン無しで記憶の受け渡しが出来るように授業あるのみだ。


「さすがに制御方法までは乗って…ないですよね」


「きっとほかの異世界人も感覚でやってただろうし」


コツさえ分かればいいのだが、有難いことにその辺の資料は一切ない。己の面倒は己で見ろ、のスタンスだ。


サブラスからでた僕たちは、すぐさまスベラルに向けて馬を走らせた。馬なら数日だが…なんとか最短距離で切り抜けたい。


この前みたいな妨害はないとは思うが、細心の注意を払って駆け抜ける。


馬車内ではハーティとセネガさんが作戦会議をしている。なんの作戦かはわからないが、少し楽しそうだからこのままにしておこう。


「テオさん。一応スベラルは今は王が変わって忙しい時期です。記憶屋としての仕事、沢山あると思いますよ」


「数が多いほど力を使う機会が増えるし…どれくらいの人が困ってるかは分からないけど」


サブラス領内なら多少の事故は笑って許せる。だが、この前みたいなそもそも入らせないみたいな妨害を食らうと時間もかかるしめんどくさいしでいいことはない。


まあこちらは前回と違いセネガさんもいるので、多少の妨害はなんとかなるが。


「前回のアニュラス領内の敵はおそらく事前に追跡していた連中でござろう。今回はそう言った類は見られない」


「スーベルニカに本当に進行するならヘルタを連れていきましょう。きっといい戦力ですよ」


あの後、ヘルタから連絡があり、今はギルメイの元で色々な犯罪等を取り締まる自警団をやっている中で、ひとつ依頼を頼まれている。


それは、忍びの里への遠征だ。

それは単純な実力を付けるだけではなく、ヘルタ曰くセネガは絶対に連れて行け、とのこと。


確かにセネガもニンジャっぽいとは思うが、彼はあくまで暗部側。忍びの里で学ぶことはあるのだろうか。


「忍びの里はスベラルからまた距離があるでござる」


「忍びの里は中立でもない無所属国家ですので、入国検査はそこまで時間はかからないと思います」


「今回はヘルタからの手紙もあるもんね」


ヘルタからの手紙は、僕たちを忍びの里へ受け入れ、力を強化するのを手伝って欲しい、という内容のものだ。

セネガさんの暗殺技術もそうだが、ハーティの槍の修行もそこで出来る。


かくいう僕は、自衛の為の体づくりを忍びの里でやることになっている。


また、これは頼まれ事だが、魔法じいさんから継承するための記憶をメモリーストーンとして貰っており、忍びの里で魔法の才のある人間に渡すことになっている。

まあそれはスベラルなどでも才能が見つかれば継承させて欲しい、ってことなので忍びの里に限った話ではないのだが。


「テオは魔法の継承しないんですか?」


「うーん、したいんだけどどうやら異世界人にはこの世界の技術は難しいらしくて」


「異世界人も大変なんですね…」

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