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機械の技術が発展した異世界に召喚された僕が記憶屋として成功するまで  作者: 凪笠シメジ
アニュラス王国中立戦争

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勝ち筋。それは水責め。

「わしの得意なことは魔法じゃな。特色としては遠距離が中心じゃな」


要するに、じいさんとセネガさんが後衛でそれは、絶対的な変わらぬポジションだろう。


もっとも、セネガさんは後衛兼中衛的なポジションだが。


それでもじいさんは作戦のキーマンだ。


じいさんが後衛から予測不能な一撃を叩き込み、隙を狙って僕たちが一気に叩く。


そうすることで、おそらくこの世界における最強を倒すんだ。


「ハーティ、なにか情報は?」


「ヘルタは忍びの里の出身なのは知ってますね?」


「もちろん」


全員がこの情報に頷いた。


ヘルタという男の話をする場合、切っても切り離せないのがこの忍びの里出身という話だ。


セネガさんも忍びの里出身だが、ヘルタとは世代が少しズレているため、面識はないらしい。


「忍びの里の上位の暗部である「黄昏の夜明け」のリーダーだった男です」


「黄昏の夜明け⋯っていうのは具体的にはどれくらいの強さだ?」


「それは拙者から。拙者のいた頃の黄昏の夜明けは任務は完遂。被害ゼロを掲げる組織だったでござる」


「完遂、か」


「実力的にはリーダーは暗殺による単騎で1国を落とせるほど、副リーダー以降のメンバーは2人揃えば国が落とせるレベル⋯という具合な指標で組織の内部情勢が決まっていたでござる」


一人で1国を落とせる。


それも、暗殺によるもの。

ならば、それは国が感知する前に暗殺を成功させるということ。


そして、国の頭を取れば1国を落とした、と言えるだろうな、なにせ国は混乱に陥るんだから。


表現としては間違ってないし、おそらく誇張なしだろう。


つまり気配で目視するのは不可能、とみていいだろう。


「はい。セネガさんの言う通りです。ですが、ヘルタは歴代のリーダーでも群を抜いての実力者です。

姿を見られずに任務をこなす、という点において完全に波風立てずに遂行できた忍びはヘルタかま初めてだと言うほどです」


厄介なことに、最強の男はそもそも姿を捉えさせてもらうことすら難しいらしい。


つまり、そんな男が堂々と姿を見せている=僕たちは完全に舐められている、ということだ。


追尾魔法とかそういう類の奇跡がなければまず捕捉する間もなくボコボコだろう。


撹乱魔法、それがあれば話は早いのだがそんな便利なものはおそらく無いだろう。


「じいさん、範囲攻撃は出来る?」


「うーむ、じゃが周りの被害は出てしまうの」


「⋯そうなると前衛のエルメロス達も危ないか」


範囲魔法はダメだ。


なら、直接目視可能なレベルの戦闘を誘発させるしかない。


そんなこと、あの男相手に可能だろうか?


難しい、というレベルの話ではないとは思う。


だが、本気を出されたらあっという間に全滅だろう。


ならば、本気を出させる前に倒すしかない、ということになる。


それは、多分かなり無茶な作戦にしないと無理だろう。


「ギルメイさんは前衛タンクに専念、という話でいいんですよね?」


「そうだけど、ハーティなにかあるの?」


「セネガさんは忍びの足の速さの捕捉は可能ですか?」


「拙者の観察眼はそこまで便利ではないゆえ⋯上級下位魔物の音速フラットの速さまで、でござるな」


「逆に言うと、そこまでスピードを削げば目視可能なライン⋯とみていいですか?」


「む、まあそうでござるな」


スピードを削ぐ⋯簡単に言うが、攻撃する当てられるか分からないくらい素早く動く人間だ。


そんなの相手に脚の健狙え、とかそのレベルの話なら不可能だろう。


ならば、ハーティには秘策があるということにはなるはずだが、とりあえず聞いてみることにした。


「彼には唯一弱点があります」


「⋯弱点?」


「水です」


「水がなんで有効なんだ?」


セネガさんは頭を横にしている。


それは、忍び的には水はなんの怖さもないもの、という認識で話を聞いてるんだろう。


なら、忍びには、ハーティより詳しい専門家の反応を見て判断するのがいいだろうが⋯


だが、セネガさんになくてハーティにあるもの。それは、幼なじみであるということ。


「ヘルタは昔、忍びの修行が完璧でない時期に忍びの里周辺で数十年に一度起きる魔の渦潮に飲まれたことがあるんです」


「む⋯!ハーティ殿、それは誠か!?」


「はい。まだ私たちが8歳の頃です」


「8歳⋯なら、忍びの修行は下位忍術止まり⋯でござるな」


「ヘルタはその時、絶望的な状況で死にかけてるんです。もし、その時のトラウマがまだ本人にあるのなら⋯」


トラウマ、それは簡単に克服できるものではない、記憶の中で死ぬ恐怖や苦い経験を忘れぬために防衛本能が呼び起こしているだろう現象。


つまり精神的なストッパー。


だが、忍びなら水くらい克服してそうだけど⋯


「セネガさん、忍びの里の任務に水辺の任務は?」


「軽い水中訓練しかしないゆえ⋯拙者にもそれがどこまで有効かは判断が⋯」


「でも、水を扱うことはあまりない、ということですね?」


「そうでござるな。しかし、水だけでは不安かもしれませぬ」


水が怖い⋯でも、水だけでは足りない⋯なにか、なにか引っかかる。


「⋯!そうか、要は動きを極端にそげばいい、という話だったな?」


「エルメロスさん、なにか思いついたんですか?」


「セネガ、忍びの里で油を避けて通る術の学習は?」


「油⋯ぬっ!なるほど!」


セネガさんの反応的に、どうやらエルメロスの読みはビンゴらしい。


「油の扱いはまきびし代わりに使う程度で、その後は避けて通るのが定石。即席の対処くらいしか学ばないでござる」


「じいさんの魔法の中で、油に近い成分を出せる魔法はあるか?」


「うーむ、足元の土を淀ませてすべりっこくする、とかなら可能じゃな」


「少し幼稚な作戦だが⋯刺さる可能性はあるかもしれない」


ハーティの今回のトラウマの暴露は、間違いなく幼なじみを確実に倒す、という決意の元だろう。


ならば、それは尊重してあげなければならない。


じいさんの魔法で床を澱ませるいわゆるぬか床作戦を決行し、動きをそいだ所を確実に倒すことにした訳だが、上手くいくとは思ってはいない。


これは、賭けであり、あと一押し欲しい。


「水系魔法は?使えますか?」


「ふむ。可能じゃが、街中では勧められないな」


「被害が出る、ということですか?」


「水系は水を召喚するでな。そういうことになるな 」


水を呼び出し、動きを鈍らせるほどの水をだす。それはすなわち城下町規模の辺り一帯を水辺にするということ。


そこまでの規模の魔法を使うならば調整がかなり難しく、一般人の被害は避けられないということだ。


だが、水系の魔法を使うのはもうひとつ大事な意味があった。


「エルメロスさん、スーベルニカの機械兵には詳しいですか?」


「む⋯ここに落ちてる残骸を調べたら分からないことはないとは思うが」


「では、この機械兵達に物理的な水魔法をぶつけた時、彼らはショートしますか?」


機械は水に弱い。


それはどの時代も共通の課題だ。


最近では撥水加工の技術も進んでいて、機械に塗布することで雨などから守ることが多いようだが、だが基盤関係の周辺はそこまで加工が進んでるわけでは無いかもしれない。


だとすると、あいつらは水魔法で無力化が可能かもしれない。


「⋯ふむ、部品の一つ一つの密度が濃く、衝撃などからは強いようになってるようだな」


「浸水出来るような隙間などは?」


「⋯」


エルメロスは機械兵の残骸をみっちり調べあげ、暫く集中していた。


そして、数十分ほど機械兵の情報を収集した時、エルメロスが口を開く。


「む、テオ。関節周りは少し隙間があるようだぞ」


「関節周り、ですか」


「関節を完全に密封してしまう、というのは動きに少し制限が出てしまうからな。多少のクリアランスは確保して叱るべきだろうな」


「ではクリアランスを狙って基盤へ浸水させるのは可能⋯かもしれない?」


「そうなるな。だが、間接自体を直接狙っては難しいだろう。こいつらは動き回るからな」


「アニュラス王。お願いがあります」


「む、なんだ?」


「王宮、沈めていいですか?」


「そ、それはどういう意味だ!?」


王宮から街まではある程度の仕切りや急斜面がある上で成り立っている。


ならば、水責めをする場合うってつけである。


「王宮へやつらを集めて、王宮を一時的に水槽のような状態にして、まとめて狩ります」


「なるほど⋯王宮はその気密性から密度が濃い部分が多い。確かに王宮一体を水で浸す事が可能なら一般人の被害は抑えられるかもしれん」

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