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機械の技術が発展した異世界に召喚された僕が記憶屋として成功するまで  作者: 凪笠シメジ
アニュラス王国中立戦争

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戦力としては優秀。防衛隊としては?

ヘルタの話はどんどん出てきた。


やれ魔物キラーだの、やれ最強クラスの実力者だの⋯だが、それほどの男がなぜ推進派に、手を貸しているのか問題はそこだ。


手を貸している、と言ってもスパイとかだと完全に信じ込んでしまっていたが、実態は違った。


やつは、はめたんだ。


僕たちがヘルタを探していることを知って逆にそれを利用するために近づいて、情報を漏洩された。


そこまで含めて奴の作戦だったということになる。


ハーティは彼をずっと探していたのには理由がある。


彼が、サブラスにおいて重要な書物を持ち逃げした、と言われているからだ。


幼なじみのハーティは当然それは冤罪だと主張し、そして今も信じない。


だが、今回の一件でどうだろう。彼は明らかに敵側だ。ならば、躊躇する理由はない。


と、簡単に割り切れるならハーティもここまで悩んでないだろう。


故に、僕たちは作戦を練らねばいけない。


彼にはこちらの動きやこちらの実力が筒抜けな上、推進派は街に被害は出さぬように反逆者を刈り取る、という名目で僕たちを追っている。


言わば、僕たちは国にとっての敵であり、国民全員が敵と言っても過言ではない。


そんな状況をひっくり返せるならば、ひっくり返したいのだが、難しいだろうな⋯


「ヘルタという男は俺たち三人が上級中位の魔物まで、ならば上級上位の魔物を単独討伐可能な程の実力者だ」


「そんな人がなぜ⋯」


「わからん。だが、敵に回った以上、こちらもなりふり構っては居られないだろう」


「それは何故?」


「あいつは一度見た技はすぐに対策をだす。倒すならば、完全な不意打ち以外無理だろうな」


「エルメロスとハーティとギルメイが揃っても正面突破は無理、ってことですか?」


「そう思ってもらっていい。テオは上級魔物の強さをまだ実感してないから分からんだろうが、中位と上位の間には絶対的な力の差がある」


「⋯力の差」


「単純な実力の指数で言うならば、中位五体でやっと上位に食らいつける、って具合だな」


「じゃあ、エルメロス達と同格があと2人くらい居ないと太刀打ちできない⋯ってこと!?」


「まあ、単純な実力差だけならな」


困った、そうなると話は変わってくる。


だって、単純な実力では勝てないとはっきり強いひとが言うんだから。


セネガさんとじいさんは戦力として見ても三人よりも一歩二歩劣るし均等な実力にならないのだ。


「⋯こうなるとかなり厳しい。一度撤退するのもありだが⋯」


「この状況、撤退は許されるんですかね?」


「難しいだろうな」


さて、かなり難しいことになった。


作戦会議は難航した。


それはそうだ。


僕たちが束になっても叶わない相手にさらに物量のオンパレードじゃあ、そりゃあ作戦だってなかなか決まらない。


僕たちの作戦が通用する相手とは思わないが、それでもヘルタを倒さない限り奴らはきっと追ってくる。


どちらにせよ倒す以外の選択肢がないのだ。


ハーティとエルメロスとギルメイ。


使える駒は限られる中で、奴らを上回り、力を示さねばならないのなら、どうするか⋯


「初見攻略するしかないなら、いっそ魔法での撹乱、やりますか?」


「む⋯にわかにはまだ信じ難いが、テオがそこまで推すならかなりのものなのだろうな」


エルメロスが言うには、魔法での撹乱は初見だとしても術者が見えなければ奇襲としては成立する。


それに、術者がどこにいるかわからなければ、対処のしようがないところまで追い込めばいい。


要は間に合わない攻撃を食らわせてやればいい。


「それを実行するにはじいさんに1つ聞かなければならない」


「ほう。なんじゃ?」


「魔法の二重使用⋯は、可能か?」


「同時に2つ使えるかということかの?」


「そう受けとってもらって構わない」


「完全に同時は無理じゃな」


「では、どれくらいラグがある?」


話はじいさんの魔法の同時使用で対処させた上で回避不能の一撃を与え続ける、いわゆる撹乱戦法を中心に進んでいくことになった。


確かに、撹乱作戦ならば出し抜くことは可能だろう。


だが、ほんとに上手くいくだろうか。


「わしの魔法は概ね1分のタイムラグがあれど打てるの」


「ならば、魔法があるのを確認してから1分稼げればなんとかなると?」


「その作戦ならば、そうなるの」


1分のタイムラグ。


それは、魔法が完全連続使用が無理、という課題の残る部分の話だろう。


だがそれでも1分、60秒に1回打てる、というのは対処が定まってない相手にとっては十分すぎる気がする。


ヘルタの対応力次第だが、完全にだし抜ければ相当なアドバンテージだろう。


1分間だけ、それが僕たちの死刑宣告を先延ばしにする猶予と言ってもいいだろう。


死を回避して、回避して⋯その先に待つのがまた死だとしても先延ばしし続けることでなんとか延命が図れれば、対処のしようはある。


それは、時間を稼げば稼ぐだけ思考が出来るのだから、当然だろう。


要はエルメロスの作戦が通用しなければその場で即興アドリブをしなくては無理、ということだ。


作戦を実行する前に、改めて僕は全員に確認する事項があるのでそれを確認するために質問する。


「それぞれの得意な事、得意なことの特色を教えてください」


まずは、ハーティから。


「私は槍による連撃です。長物による連撃は時間差攻撃も可能なため、時間を稼ぐだけなら私が一番適任かと」


ハーティの特色と得意なことはわかった。


そのうえで、ハーティを作戦の重要ポジションに置くかはまだ全員の意見を聞いてからにしよう。


「俺は力任せだけが得意だからな。回避誘導、というレベルの一撃を与え続けることしか出来ないな」


回避誘導の一撃。


それは敵からしたら攻撃の手が緩む行動だ。


それはすなわち隙が生まれることを意味し、ギルメイは隙を作るいわばメインタンクのポジションがいいだろう。


というのも、元々ギルメイは火力と耐久を両立したタンクとしての役割が強いらしく、三人で依頼に出る時もそういう感じだったらしい。


「俺は弱点特化のいわば特攻型だからな⋯弱点が判明するまでは耐久しつつ時間稼ぎになってしまうだろうな。もっとも、今回は特攻攻撃の猶予も無さそうだが」


火力は申し分なし。


そのうえで、敵の弱点を的確に狙い、急所攻めがエルメロスの戦闘スタイルらしい。


特攻というのはさされば刺さるだけ火力が出るものであり、エルメロスは急所に確実にダメージを与えるのが得意だと。


ならば、弱点判明後はメインアタッカーを務めてもらうのがいいかもしれない。


「拙者は遠距離支援からの速攻連撃が得意でござる。連撃での時間稼ぎはハーティ殿には及ばないでしょうが、同時、となれば話は変わるでござろう」


セネガさんは遠距離攻撃が可能。敵を動かすことに特化している。


それは戦闘においては敵の動きを制限できる行動なため、ゲームだったとしても実践だったとしても有効な行動だろう。


敵の動きが制限されれば、自ずとどうすればいいかが判断できる。


ここに集まるのは戦いのエキスパート達。反応速度と咄嗟の判断によるアドリブは得意中の得意だろう。


ならば、セネガさんの特色はもっとも活かしやすいとも言える。


セネガさんの攻撃を回避しなければいけない、だがギルメイの回避誘導の一撃が連続して襲う⋯これだけでも回避に専念にかなり体力を使うだろう。


そこに、ハーティの連撃と、弱点判明までの為にエルメロスの攻撃も加わるとかなり時間は稼げることになる。


「最後に、じいさん、お願いします」


次は、作戦のキーマンにして重要なじいさんの言葉が聞きたい。

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